たけべ楽考   建部のこれからをワイワイ楽しく世代を超えて考えるページだよ


 特集「これからの建部を考える」 2016年3月発信

「たけべ新聞」創刊記念座談会(後半)  (前半を読む)  

*出席者の紹介(敬称略)*
小坂田英明 創業60余年の「小坂田建設」社長で「お家回りの町医者」をコンセプトに新しい時代に対応した事業を展開している。
河本貴文  福渡石引の実家に家族で戻られ、仕事の合間に地域活動に専念。フェイスブック「建部町いいね」を発信している。
河本大地  川口出身。現在、奈良教育大学准教授。グリーンツーリズムの専門家として日本の中山間の課題と実例を多く扱う。
平田慎一  福渡で理容店を営む。昨年「たけべおこし」プロジェクトを組織、建部っ子による地域おこしの先頭に立つ。
本田義章  ベネッセを定年退職後、地域活動に積極的に取組む。現在、田地子町内会長で「伝統芸能を守る会」の代表等を務める。



勝部  (勝部) では、建部の今をどうとらえているかのお話をお聞きした後で、具体的にどのような可能性が建部にあるかについてご意見を頂きたいと思います。


大地さん  (本田) 私は今になって反省しているんです。家を直した時、どうして薪ストーブにしなかったかと。そうしていれば安いコストで暖房が出来て、山もきれいになる。 今後、例えば行政が薪ストーブにすると補助金を出すとか(笑)、そんなことで邪魔者扱いの山林も資源に変わる可能性があると思います。


小坂田さん  (小坂田) そうですね、他の地域ではすでにそれで事業を起こしている所があります。マキでピザを焼く店とかが大量に注文をして生産が間に合わないといった事例が。 山が荒れて困っているここの地域と街中などで木を必要としている事業者なんかとの双方向の情報がかみ合えば可能性はあるでしょう。


 (勝部) 建部に以前からあるものを工夫して活かすことで新しい道が見えてくる、そういう意味では昔からある温泉なんかも、今度リニューアルしてもっと広がりが 期待できるかと思うのですが。


河本大地さん  (河本大地) 温泉は確かに建部の重要なファクターだと思います。ただ、そのためには施設が1つあるだけではだめで、温泉の持つ健康づくりとゆっくりするという意味から、 何か周辺を”ぶらっと歩きたくなる”そんな仕掛けがあるといいと思います。カフェやピザ屋を巡ってしあわせ橋を渡る、またレンタサイクルで成就寺を回るなどのコースを整え、 案内する。館内にいたのでは風情は感じられません。


 (本田) 私は建部の2つの駅、駅舎はもちろんですが結ぶ沿線をきれいにする。それだけでずいぶん魅力のある場所になると思います。更には駅周りに庭付きの住宅を作り 外から来てもらうことでにぎやかになると思います。


 (小坂田) JRの沿線をきれいにする、これは目立つと思います。ただやるにしても任意グループだけでは難しい、JRと一緒なら我々も協力できる余地はあると思います。

 

(勝部) そこで、ではそれを誰がやるのかと言うことですが、核になるようなボランティア集団が育っていない。


 (河本大地) ボランティアでと言うのは無理があると思います。美作市の上山地区が注目されるようになったのは強力にリーダーシップをとる人がいて、ある程度かたちが出来てから 法人化してきちっと組織にしたから。ですから建部町にすでにある組織なり団体を中心と考えた方が近いのかなと思います。


 (小坂田) それともう1つ、先ほど述べた山を財産に変える動き、利益を還元することで参加者が増え組織化も可能かと思います。


 (勝部) 建部の任意の組織という話で言えば、小学校区、中学校区という単位があって、また町内会という組織もある。
でも、それらが岡山市になってから町でまとまってやろうという 機運が薄れているのではと思いますが。


 (本田) 全体でということでは「花火大会」や「はっぽね祭り」があります。学区では竹枝地区が、かいぼり調査とか福渡も野菜をテーマに取り組んでいます。 ただ、以前の町のように行政含めて何かをするというのはなくなってきてますね。


平田君   (平田) それとやはり問題なのは連合町内会でやるにしても、出て来られる人は決まって役員の人か年配の限られた人だけで、 いつもその人たちに負担がいき、そもそも活動に限界があると思います。若い人はいても、忙しいのでなかなか加わっていけないという現状もあります。


 (小坂田) 確かにそうなのですが、若い人を入れていく努力は必要だと思います。「若い人は忙しいから任せられない」と頭から決めていては 10年後に受け皿がなくて、すっぽり空白が出来てしまいます。それに今まではこういう問題も「行政がどうにかしてくれる」と考えがちだったのですが、 岡山市になってからは広い範囲の細かなことまで気づかない事があります。上山地区の例を見てもわかるように、若い者がアクションを起こさないと 変わらないのだと思います。


(勝部) そういう面では今、建部には新しく移住してきた人や実家に戻ってこられた若い家族が少しづつ増えてきています。そういった人たちとも積極的に つながりを持って、力を結集するのは大切かと思いますが。


貴文さん  (河本貴文) それについては私もその一人で、やはりそう言った危機意識の中でここに戻って来たのです。ただ休日は地域活動にも参加できているのですが、 普段は妻に任せきりになっています。それでも妻の方がママさんグループの活動に積極的に加わってくれて、今ではそのグループのやることに自分が刺激を受けています。 男はつい頭で考えてなかなか動こうとしないのですが、女性は理屈よりまず行動と言った面があって、即、結果を出していきます。これは、ある意味これからの可能性だと感じています。


   (平田) そうですね、僕だったら絶対にやらないと思えることを簡単にやってしまうんですよね。「たけべおこし」プロジェクトもそういった女性たちが グイグイ引っ張っていて今は成り立っています。

 

 (小坂田) これまで何もして来なかったからやることはいっぱいある。それは楽しみでもあるのです。今、言われた地域住民の活動と学校それと資金面を考えたら、 商工会との連携化が決め手となるかもしれません。


(勝部) その連携にこの「たけべ新聞」も役立てばいいなあ思いますね。本日は長時間の対談ありがとうございました。

座談会「建部のこれからを考える」  




  *この座談会の「編集後記」(←クリック)をお読みください。









    前半を読む





トップページへ戻る