■「新たけべの彩時季」
恒例、めだかの学校主催「環境フォーラム」名前は堅いが、中身はめっぽう柔らかい。
今回も建部町田地子地区の協力を得て多自枯鴨神社境内を使っての、里山体験授業。
市内中心部からの親子連れ20数名が参加しての”心も体もあったまーる”一日のはじまりだー。
体験その1.「花炭づくり」松ぼっくり(縦10cmもある)にハスの実、楓の実、ツバキの実、自然のものを缶に入れて焼いて炭にする。
体験その2.「竹の工作」竹ひごとドングリ使って”やじろべえ”。細竹切って竹でっぽう。「スポッーン」の音が快か〜ん。
体験その3.「焼きいも」もみがらを燃やしてお芋を入れて待つこと1時間「うゎー、熱、アッ」
体験その4.「丸太切り」大きな丸太、大きなノコで、さあ、切れるかなー。
体験その5. 「餅つき」杵でもちつき、黄な粉にヨモギ、みんなでペッタンペッタン。
体験その6.「地域の暮しに触れる」昔の生活こうだった、今も子どもが受け継ぐ「棒遣い」に感動!
体験その7.「田地子の里山を歩く」石垣のある家々、ヤギのいる畑、イノシシ獲りの柵、どれもビックリ!
番外1.「おいしい体験」お昼ごはんは地元のお母さんたちが作ってくれた、
おにぎり、豚汁、お漬物、ハスにゴボウ、ニンジン、コンニャクの煮しめ・・・デザートの羊かんまで。
「うーん、もうお腹いっぱい」
番外2.「うれしい、取材陣」おなじみオニビジョンさん、市民広報さん、そして、ぶらり?自転車でやって来た、「イブニング5時」の国司さんまで。
和気あいあい、すてきな出会いがありました。
どうだった?いろいろ遊んで。「うん、花炭が楽しかった」「いっぱい、たのしいことばっかり、ありがとうございました」
「ぼく、竹でっぽう家でも作りたいから、竹を持って帰ってもいいですか」
ああ、いいよ。
今日一日、たくさん学んだね。自然にあるものが工夫でこんなに面白い。街の中では見つけられない人の知恵。
そしてみんな、ここでは一人一人の顔を間近に観ながら暮らしてる。
さあ、喜んでもらえたようだから、また遊びに来てな。ここはいつでも君らを待ってるよ!
(取材・勝部公平 三宅優 写真・三宅優)
例年だと2月上旬には可憐な姿を見せるセツブンソウ。
ここ数日、温かい日ざしだったので今日当たりは出てるのではと愛車(自転車)を漕ぐ。大田まで自宅、石引から6キロ。
コースは上の牧場を抜けて塚の鼻古墳に降りるのが最も短距離だが、
何せ山越え、老脚にはちいと無理。そこで、53号に出て建部トンネルを抜ける迂回コースを行く。
大田の484号線道路はとにかく広くて見晴らしがよい。車だとついついスピードを出して走り去ってしまう。
しかし、人力車なら道々の景色や川音を楽しめる。見事な竹藪、なつかしい半鐘塔、川面を飛ぶシロサギ。
さて、見えてきた地域の人が大切に守り育てて来た群生地の斜面。
そこへ寒風、「ヒェー、寒ーい」こりゃあまだ早いかと近くまで。
地面にしゃがみ込む人の姿。足元の斜面に目を凝らすと白い点々がポツリポツリ。
「おっと、危うく踏むところだった」直径1.5センチ、懸命に花弁を開く姿があった。
この群生地、いつもなら斜面狭しと咲いているのだが、今日のところはまだ2分咲きで数も少ない。
これからまだ顔をのぞかすだろう、しかし育つ環境を維持するだけでも大変むつかしいとされる山野草、
そんな貴重な贈り物を目にすることができただけで幸せ。
帰りのぺダルのなんと軽いことよ。(実は帰路はゆるい下り坂・・・”笑”)
セツブンソウ群生地マップ
(取材・写真 三宅優)
今週日曜、朝、この日の鳥越池は1cm位の氷が張り、春まだ遠き寒極まりと言った感。そんな中、午前8時前に炭窯に火を入れて、
今年も里山建部のメンバー達が待機。
恒例となった「里山炭焼き体験」。10時過ぎには市内中心部に住む親子25名が元気に到着。
さっそく親子で炭窯にマキを入れ、炎が上がるのを見て楽しみました。やっぱり人は火が好きですね。
次にマキ割り体験。昨年導入した大型の薪割り機で、太さ40センチ位のマキがバリバリと割れる始めると、
いっせいに歓声があがりました。
そして、子どもたちの斧を使った薪割り、一振りで「パカン!」と割れた時が感動です。
この後はいよいよ花炭作りです。松ぼっくりなどの素材を選んで缶に入れ、里山で作った炭で焼いていきます。
そのあいだ、スクモを燃やして焼き芋作りとロープクライミングを楽しみます。
昼食は山菜炊き込みご飯と豚汁。おかわりしながら美味しくいただきました。
午後からは竹トンボ作りなどを楽しんだあと、お待ちかね花炭の缶を開けました。
黒々とした花炭に親子で感激、体験が人間の感性を育むのですね。
(取材・写真 勝部公平)
先日、タイムカプセル開封式で演じられた「建部はっぽね太鼓」と映像によるコラボ、その力強いステージが記憶に新しい。
その「建部はっぽね太鼓」が開催する第3回「和太鼓ワークショップ」。
これまで2回の講座では岡山市内から親子連れ、お年寄り、中高生と幅広い参加があり、共に大好評のうちに終了。
ちなみにその時の感想を紹介すると。
「2回目の参加、とってもとってもたのしい」
「あっという間の2時間でしたが基本が学べてよかった」
「とてもわかりやすくて、ますます太鼓大好きになりました」
「鳥肌が立つほど先生の太鼓はすばらしく、息子もいきいきとできた」
「子ども共々やりたい気になりました」
「すばらしい、すばらしい、またやりたい!」
親子で夢中になれたことが、多くの参加者の深い満足につながった。
今回も直接指導に当たるのは和太鼓・創作芸能「吟遊打人」代表でプロの太鼓奏者、塩原良先生。
これまでに数々の和太鼓演奏で賞を受賞。建部はっぽね太鼓を15年に渡り指導されてきた、いわば生みの親。
その先生が手取り足取り、基本の基本から教えてくれる、まさに太鼓をめざす人のみならず、初心者にとっても
願ってもないチャンス。
記者は1回目を取材したが、練習を何回か重ねるうちに次第に太鼓の音がそろい、最後には全員の響きが一つになっていくのを目の当たりにした。
建部の自慢、はっぽね太鼓。その一端に触れるまたとない機会、皆さんの参加を待つ!
今回の日程は下記の通り。
日時:平成30年3月11日(日)10:00〜12:00(
9:30開場)
場所:建部町文化センター 小ホール
参加費:無料
*詳細は和太鼓ワークショップ申込書(PDF)を参照のこと。
これほどまでにすがすがしく心穏やかで、先の夢を描く。そんな祭典がこれまでにあっただろうか。行政主導、旧型組織では無しえない、新しい時代の始まり。
「建部町タイムカプセル開封式」は本日、正午過ぎにスタート。
「おじいさん来てよね」「おばあちゃん行こうよ」「手紙書いたか!」それぞれの呼びかけに、
次々と粉雪舞う建部町文化センターに足を運ぶ人々。
人々の胸には何があるのだろう。なつかしさ、失った思い出、信じたい未来、確かめたい今・・・。
第一ステージはロービーに延々展示された400回以上の建部町広報誌のカバー。その1冊、1冊に、
当時の担い手たちの一生懸命な姿が刻まれている。
「わしらは何も失ったわけじゃあない、これらを引き継ぐだけ」手にした人の顔にはそんな
手ごたえさえうかがえる。
小さいが顔の見える我らがお店も登場だ。「サニーデイコーヒー」「建部ヨーグルト」「チュプ」「キシモトケーキ」「やまゆりの会」、こんな仲間と
いつも一緒にいるんだ。
大ホールでは「懐かしの映像」そして始まった開封式。うったては「中田魁組」による神楽奉納。
岡山市長も馳せ参じて「旧建部町の伝言を岡山市が引き継ぎます!」なんと心強いお言葉!!
そしていよいよ、タイムカプセル開封だ。
「建部はっぽね太鼓」の演奏にバックで映し出される「建部の30年前」と「今」。
涙、涙、どれをとっても昔は若々しい。
懐かしがってばかりじゃいられない、僕らの考えも聞いてほしい。
安田湧海さんのパフォーマンス。「ユニバーサルスタジオジャパン」に憧れる建部の中学生の希望。
なら建部を映画の舞台としてアピールしよう。
映し出された若者の目線でとらえる建部シーン。
そして「Live to Die Another Day」(存在証明)の曲で彼が観せるダンス。
3人の中2の生徒の建部への提言。
「他にはなくて建部で、できること。僕はカヌーを自慢にしたい」
「人が少ない、だから皆が団結できる。建部だからこそ」
「高齢者が多いのなら学べる知恵も多い」
もう、ここまでで今日のことは集約したと思う。
このあと大森市長とタイムカプセル「こだま」の命名者、谷進さんにより開かれたカプセルからは、
30年の時を経た特使たちが。
町長のメッセージ。「瀬戸大橋開通、新岡山空港開設がもたらす効果とともに順調に発展している建部では更なる発展を期待されます」
行政資料の他にも小学生の作文、図画、アルバム、そして受取人のない忘れ去られたように並ぶ軍帽、消防ハッピ(もはや、それを受け継げる人はいない)・・・。
別のホールでは未来ポストにメッセージを託す子どもや大人。10年後、家族、友人に届けられる手紙に誰もが真剣に文字をしたためていた。
紙芝居、「あの知っているのはコウモリだけ?の黄金バッド」もやって来た。
そして、まぼろしの「建部カルタ」でカルタ取り。
何もかもがノスタルジー。
「まあ、なつかしいわー」「まあ、あの人の顔・・・」「この作文集、もらって帰りたい!」
「お父さんが、こんないいこと書いてたわー」
それぞれが、それぞれの昔に出会う。しかし、それはけっして、後ろ向きな回顧ではない。
だからこそ、今を大切に生きよう、メッセージ―をくれた30年前の人々の思いと願いを
叶えるためにも・・・。
(取材・三宅美恵子 写真・三宅優 松下りえ)
今年で23回目を迎える「蚕くらぶ」ミュージカルが昨日、文化センター小ホールで昼と夕方の2回公演された。
寒風の中、夕方の部の客足が心配されたが開演の5分前には、ほぼ満席となった。
今回の出し物の題名は「蚕をさがせ」サブタイトルは「車いすにのって出かけよう街へ!」では、あらすじを紹介しよう。
場所は「蚕くらぶ」の練習室。いつものように出演者の仲間が集まって来る。しかし肝心の先生の姿がない。
心配になったメンバーたちは電話をするが応答なし。仕方なく自分たちで練習を始めたが、やがて先生からメールが。
「自分たちでやりなさい!」と書かれたメール、戸惑う仲間たち。
自信をなくした一人が「僕はもうやめる」と出て行ってしまう。するとまたもやメール、「脚本も自分たちで書いてごらん」
頭を抱えるメンバー、そこへ車椅子の一郎がやって来た。
「だいじょうぶだよ、彼はきっと戻って来るよ」そう言って仲間を勇気づける一郎。そして、一郎がこの後、話し始めた自分自身の物語り・・・。
実際に障害を持つ出演者が自ずからの生きざまを語り、演じるという、今までにない展開。
しかも、「オカン」と呼ばれる母役も実の母。いつも通りにファンタジックな始まりの前半から一転、
ハードな内容に観客の動揺が伝わった。
脚本・演出にあたった佐藤淑子氏は何ゆえこの様なテーマを選んだのだろうか。
記者はこの公演の前日、偶然、建部町吉田で安積遊歩(あさかゆうほ)さんの集まりに出席する機会があった。
安積さんは自身が重度の障害を持ちながらも、障害者支援の活動を長く続けて来た。その安積さんが語った言葉。
「障害者が外に出て、出て、出まくれる社会が大切」
もっとも身近なこと、もっとも伝えたいこと、もっとも大事な仲間、それを包み隠すことなく直球の物語りとした。
フィナーレは会場全員の人の手により「よかったー」の気持ちが打ち鳴らされていた。
(取材・写真 三宅優 三宅美恵子)
「いやあ、みんな頑張って発表してくれました」建部中学校、河合校長のうれしそうなコメント。
そう、今年も開かれた14歳を祝う立志式、中学2年生の生徒が将来、自分が進みたい方向や成りたい職業をスピーチする
「夢と希望を語る会」。
会場の建部町文化センター大ホールの壇上では22名の生徒の思いが次々と語られた。以下、全員の夢ダイジェスト。
〇「ボートレーサー」児島ボートレース場で職場体験をした。賞金を稼いで家族を旅行に連れて行きたい
〇「新幹線の車掌」乗客の安全に常に心掛け、列車の知識もなくてはいけないので大変な仕事だけどやりがいがあると思う
〇「自分のお店を持つ」自分の好きなことを仕事にできるから、もしくは文房具デザイナー
〇「魚をさばく仕事」小3の頃から父さんと海上釣り堀に行っていたから。寿司屋になる森君と一緒に仕事をしたい
〇「パティシエ」職場体験で楽しかった。必要なのは自分で良し悪しを判断する力とデザイン性だと思う
〇「美容関係の仕事」母をきれいにしてあげたいから。その為には専門的な知識を学んで、時間もかかるけど
〇「絵が描ける仕事」小さい頃、泣いていた私に叔母が絵を描いてくれたのがうれしかった。岡山工業高校のデザイン科に行く
〇「大学に行くこと」家族に頭悪いと言われたことがあって(笑)、よし、大学に行ってやるって思った
〇「東京ディズニーリゾートのキャスト」自分の持ち前の笑顔を活かしたい。もしくは学校の先生。
〇「プロ野球選手」小3からソフトをやっていて、広島広陵高校の中村選手のようなキャッチャーになりたい
〇「外科医」祖父が心臓病で亡くなったのでそんな悲しい経験をなくしたいと思った。順天堂病院の天野医師の言葉にも感銘した
〇「女性白バイ隊員」小学生の時、警察官が車から私を守ってくれた。いつも、父から人の為にがんばれる人になれと言われている
〇「介護士、薬剤師、理科の先生・・・」この仕事で自分が成長できる職業に就きたい
〇「フラワーアレンジメントの先生」母が私が幼稚園の頃から花を育てていたので。自分の作ったブーケでたくさんの人に喜ばれたい
〇「人を楽しませる、人を助ける仕事」人が喜んで、笑うと長生きできると聞いたから
〇「郵便局員」珠算塾に通ってたので計算が得意だから。その為には商業高校に行きたい
〇「医学療法士」職場体験で金川病院に行って、先生から「リハビリとは再び獲得するという意味だよ」と教わった
〇「ものを作ったっり直す仕事」身体を動かすのが好きだから。その為には工業高校に行かなくてはと思う
〇「寿司屋」食べるのも好きだけど人に喜んでもらえるから。職場体験で寿司屋さんに行って、どんな人とも仲良くすることが大切と教わった
〇「ユーチューバー」ユーチューバーの人とゲームをして僕の疲れた気持ちが癒された。僕も尊敬されるユーチューバーになりたい
〇「ゲームプログラマー」ゲームが大好きで、いつだったか誰がこんな面白いゲームを創ってるのだろうと思った。革命的発想力に驚いた
〇「学校の先生」人の前で話して伝える仕事。生徒会長をやってるのも勉強になる。ゴールは先生になる事より努力する人間になること
〇「電気関係の仕事」お父さんがやっていて面白そうだから。教えてもらえるし、道具もあるので。岡山工業高校に行く為に努力をします
〇「スポーツ用品メーカーの社員」野球用品メーカーのジェットに入り、自分で作った道具で野球をしたい
生徒たちの発表は原稿なしで一人、3分以上に及んだ。全員が脱落することなく最後まで、自分の思いを語りつくした。
今日の夢のどれほどがこれから実現することになるだろう。いずれにせよ人生は始まったばかり、若者の”夢を描く特権”を
思う存分、享受してもらいたい。
(取材・写真 三宅優)