■「新たけべの彩時季」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
第25回はこの2月、いよいよタイムカプセル開封の大イベントを実施する
「たけべおこしプロジェクト」の登場です。
(取材 三宅優 写真 延江典子)
(プロフィール)
「たけべおこしプロジェクト」
2014年5月建部町在住の若者により結成。
メンバーは20代〜40代の26名。
「とりあえずやってみよう!」を合言葉に
地域イベントのサポートや建部のPR活動を行う。
2015年には「たけべ未来塾」を開講。
その後、情報冊子「たけべぐらし」を発行、
また、「たけべマルシェ」を開くなど
建部活性化の中心的役割を担っている。
これまでも数々の活動をして来た「たけべおこしプロジェクト」特に昨年は岡山駅地下通路「ももたろう観光センター」前での「建部町PRパネル」の展示、 文化祭とのタイアップ「たけべマルシェ」と充実。 そしていよいよ今年2月11日(日)、「タイムカプセル」掘り起こしが行われる。 そこでリーダーの平田慎一さん、公民館の延江典子さんに去年の振りかえりと 今年の抱負をお聞きした。またメンバーの方にもアンケートをお願いした。(聞き手 三宅 優)
「去年11月に行われた”たけべマルシェ”は、これまでの飲食中心の地元イベントとは違う、いかにも若い人たちによる企画といった
内容がふんだんに盛り込まれ新鮮な驚きがありました。来場者も、普段の催しでは見かけない若いファミリーが多かったのも印象的で、
同時に開催されていた建部町文化祭のお客さんともうまく連動して相乗効果も高かったと思います。次が期待できる良いことづくめだったのでは?」
(平田)「そうですね、そう言っていただけると嬉しいですが、僕としてはまだ60点くらいです。
確かに一昨年の手探りだった頃に比べて会議で組み立ててから実行するまでの時間が早くなったと思います。
それとメンバー、一人一人の得意とする役割、担当の振り分けが整ってきて、自力も上がって来たことが
今回の形になった感じがします。
ただ全体としては出て来れる人、都合のつかない人、ボランティアの人、どこまでを組織として
組み立てるか最後まで結論が出ませんでした。盛り上げていく力をまだまだうまく発揮できてない、
そんな気がします。
個人的な感想で言うと、ダンス(安田君チームとの)を最後まで踊り切ったことが結構、自分的には満足でした。
若い人といっしょに特訓をしてどこまでやれるのだろう、息がハーハーして、ほんとにしんどかった。
今の自分のエネルギーを試すきっかけになりました。
そう考えると案外この一年、一番学ぶことがあり成長したのは自分なのかもしれませんね(笑)」
「課題としては先ほども上げた組織の在り方ですね。
あくまで仕事を抱えた人の自主的な参加ですので、強制もしないし責任もないわけです。
しかし、やることはしっかりやり遂げねばならないのは確かですので。
その辺をどうまとめるか。
あと新規メンバーの「人を育てる」という点でも。
自分が参加している中で、自分が成長を実感できることが大切なわけで、
そういう意味では面白いだけではたぶん長続きしないだろうから、
それを与えるだけの中身のある取組みが重要だと思います」
「まずタイムカプセルを掘り起こすことですが、実はそのこと自体はさほど意味はないと考えています。
ただ、今は30年前に宣言した観光立町の建部ではなく、自分の帰って来れる”ふるさと建部”として、皆と
思いを共有したい、そんな気持ちです。
今年の目標としてやはり仲間を増やしたいですね。そのために、当日だけ参加とか、応援しているとかのサポーター方式もありかなと。
また、商工会青年部とか他地域でも魅力的な活動をしている組織があるので連携出来たらと思います」
延江さんはこれまで”たけべおこし”の実務的な役割をずっとこなして来られていますが、
その上で昨年を振り返りどういった感想をお持ちでしょうか」
(延江)「いえ、私はプロジェクトの実務を担当というのではなく、あくまでも公民館職員としてできることをして、
共に歩んで来たというのが実際だと思います。正解がないので、いろんな人とつなぐことで糸口を探る、そんな役目だと思います。
もちろん同世代なのでメンバーと関われているという側面はあります」
「今年一年を振り返ると、たぶん結成した当時では決してできないでいただろう
活動が実現しています。それはたぶん、それまでに地域の行事やイベントに関わってきた上で蓄積した経験値が働くようになったのだと思います。
冊子を作成したのも、岡山駅にパネルを展示したのも、そんな力が発揮されたのだと。特に今は2月のタイムカプセル開封式が迫る中で、
いよいよ出来るんだという手ごたえが感じられるまでになりました」
「ただ、後悔もいっぱいあるんです。せっかくやることになった”タイムカプセル開封”イベントを何故もっと去年1年PRしてこなかったのかって。
色んな活動に恵まれ、伝えられる状況がいくつもあったのに、その時はその事だけに忙殺されてしまいました」
「これからのことは、若い20代の人の話を聞いて、今のメンバーはサポートする側に立って 主体となるのではなく下につなげられたらいいなと思います」
@「去年一年を振り返って印象に残ったことは」
A「その上での課題、やり残した点」
B「今年、形にしたいこと」
(石田敏之さん)
@「ノスタルジー」(注*JRの特別観光列車の駅構内での歓迎イベント)によって町外・県外の人が来てPRするチャンス!
大いにPRできて人々と触れ合えた
A一人一人と話したかった
Bお金になる動きをする
(延江厚子さん)
@「マルシェ」前回よりも協力してくださる方が増え、様々な目線で計画を立て実行できた
A子育て世代のメンバー獲得 SNSを使ってリアルタイムに発信できていなかったこと
B規模は小さくても暖かい時期にマルシェをしたい
(花房功基さん)
@「他地域との交流ができたこと」他の活動を知ることにより
自分たちの活動は間違っていなかったと実感したから
A自分たちの活動をあまりPRできなかった
B仲間を増やす!イベントを積極的に行い、自分たちの活動をアピールしていきたい
(吉岡優さん)
@「マルシェ」2回目の開催で山陽ウォークがないにも関わらず、たくさんの方が来場された。
また、子どもが活躍できる場を多く設けることができた
A一緒に活動してくれるメンバーがほしかった。
食事の店舗がもう少しあればよかった。もっとたくさんの人に来てほしい
B仲間を増やしたい。マルシェの継続!
(的崎裕子さん)
@「建部町内のイベントに参加したこと」建部をもっとおもしろくしようと意欲的に活動されている方たちと、
たくさん関われたこと
A建部町内のイベントやお祭りについて、同年代や年下の年代(20代)にアピールが足りていなかった。自分の視点で良いなと
感じたことが共有できていなかったところ
B視覚化すること。分かりやすく簡潔に魅力が伝わるようにすること
(河井歩美さん)
@「ももたろう観光センター前の展示」(注*JR岡山駅地下通路の建部案内パネル展)
パネルにすることで建部の美しさを再確認することができた。文化祭でも展示したことで「誰が作ったん?」と町内の方々にも喜ばれていた
A自分たちとその周りの方に写真を提供していただいたが、建部の四季の写真を多く撮っていたらなと思った
B同じ志を持つ仲間の大切さを再確認したい
(雨宮宏美さん)
@「マルシェ」三世代ディスカッションで光るものを再確認できた
A早めの動きと、連携をとれるようになること
B子どもたちともっと繋がれるようになること
(記者感想)
最近、町外の人と接するとよく言われるのが「建部って元気だよねえ」
これに対し町民からは「えー、どこが?」の反応。町民にしてみれば子どもの減少、商店の寂れ、荒れる田畑、空き家問題多々ある。
一方、外の人、それも同様の中山間の人から見ると、「それでもやろうと言う若い人がいるじゃない」そして都会や街中に住む人からは、
「ふるさとを思う若者たちの結束がうらやましい」
仮にタイムカプセルを埋めた30年前(瀬戸大橋開通、東京ドーム完成、補助金による建設ラッシュ・・・)を”元気”と呼ぶなら、
今はやっと”健康体”(その狂騒が終わり、等身大のわが町を見つめ、自分たちの力でできることをしようと考えた)と言えるのだと思う。
タイムカプセル開封式は平成30年2月11日(日)13:00〜。会場は建部町文化センター
それに先立ち平成30年1月7日(日)に建部支所前の庭にて掘り起こしが行われる。
この日、建部町公民館に集まったのは本田義章氏(72歳)、江田雅則氏(70歳)、井口松治氏(70歳)、そして当新聞編集長、勝部公平(70歳)、
共に団塊の世代。(以下敬称略)
団塊の世代とは終戦後に生まれたおよそ現在70歳前後の人たち。共通しているとみられる点(あくまでも記者の主観だが)は理想主義。
あれだけの政治運動の時代に生きた人たちゆえ、社会への改革意識が強い。次に現役主義。未だ先頭に立って仕事をする。
そして自己実現欲が強い。仕事、趣味、すべて自分の目指すものを持っている。
その彼らが今、取り組もうとする、これから先10年20年を見据えた建部の新たなる枠組み作り。
仮称「里山ネットたけべ」。
なにゆえ、この建部で新たなる町づくりを目指すのか、その意味とは。第2回目となる会合を覗いて見た。
まずは第一提案者の勝部公平の言葉。「ある町内の調査で10年後に自分の家に65歳以下の人がいるという家庭が20%、8割が65歳以上。
それが20年後には誰もいない家になる確率が5割。にもかかわらず町民のほとんどはここで暮らしたいと願っている。
なら、どうやってその時、共助していくか、新たな仕組みが必要だと思う。元気な高齢者が、助けを必要とする高齢者を支える仕組み作り。
また、都会に住む若い世代を呼び込むだけの魅力ある町づくりも必要だ」
確かに記者もここに来て8年だが、町内会や連合町内会といった縦横の連絡組織はあるのだが、
町内で抱える課題を相談し解決するといった役割までは当然、担ってはいない。
岡山市となった今、行政に委ねず新たな自治組織を目指すことの矛盾もある。
勝部公平がさらに言う。
「とは言ったって、結局、まず頼るのは隣近所で、そして地域ですよ。東京にいる息子でもないし、役所の人でもないんです。どうしてる?の声かけから始まって
じゃあ、車で乗せてってあげるよといった身近な世話。その家の個人情報?そんなこと言ってる場合じゃあない、昔のようにその家のどこに何があるかぐらいの
必要な情報を地域ぐるみで共有し合わなければならない時に来ています」
建部上で町内の世話役をやって来た井口松治は空き家の問題に頭を抱える。
「もう、いつの間にか空き家になっとる家が増えてしまって、地元のだれも事情を把握していないこともあるんで、そんなことで、
地域が荒れてしまうのが一番心配なことなんじゃ。まずはきちっと情報を集めて管理の仕方や、その対応を練っていかなくては」
田地子の区長を務める本田義章は地域民の健康を訴える。
「みんな年寄りばっかり言うても、体が元気な年寄りはいっぱいいるし、気持ちが元気な人だって大勢いる。
地域の元気をどうやって続けていくかは、こういう人らを輪にして盛り上げていくことが大切じゃと思う。
生まれ育った建部の自然を活かして、地元の人らが中心になった健康ウォークを推進するのも一案で、
何よりもここで暮らせてよかったなあと誰もが受け止めれる、そんな活動が必要なんじゃないかな」
井口と同じ建部上で世話役をする江田雅則。
「具体的なできることから始めるのが大切だと感じてる。目に見えて、こんなことができるようになった、
そこから始めて一歩づつ、大きな目標に向かっていく。まず何かの助けになることをやろう、
そういうことなら、私はいつでも力を発揮するつもりです」
オブザーバーで参加した森田卓司市議会議員、NPOなでしこ会の杉山ゆいさん。
「地域が抱える特に建部町に代表される中山間の課題、これにどう対処するか。行政だけではカバーできない、
その事を踏まえた新たな活動の動きに私は期待しています」(森田)
「私は長年NPOに関わって来た立場として、障害者を含めた幸福に暮らせる地域社会の在り方を模索してきました。
ですから、そこで得た知識なりアドバイスなりができたらと思います。
取りあえずは私がこんな集まりなり、催しなりがあったらいいなあというものをお伝えします」(杉山)
列記されたのは、ちょっとした身の回りの事を手伝ってくれる「お助けネット」、地域住民の「何でも相談窓口」、
地域全体の課題を相談し合う「円卓会議」等など。
これを聞いた江田さん、「この”お助け・・・”案はええなあ、こんなのがあると年寄りも助かるわ」
森田議員も「すでに建部においては各ボランティアさんの活動とかがあります。そういった所との連携や協力を進めていく
ことも大切だと思います。また、今月末に県でも中山間の問題を考えるフォーラムをやりますので、そういった場で
情報を得ていくことも一つかなと思います」
この日の議論では10年先を見据えた共助のネットワークをにらみつつ、そこに向けた手掛かりとして今できることは何かが問われた。
しかし、すぐに結論が出るわけではない。誰もが未だ経験したことのない超高齢化社会という課題、しかも過疎化という更なる課題を
突き付けられた中山間地域において、何が必要でどこから対処するか、煮詰めることは山ほどある。
それでも時間は限られている。しっかりした切り札を早急に見出すべく次なる話合いの時まで思考のスパンをが与えられた。
(取材・写真 三宅優)
来たる2月11日(日)建部町文化センターで開かれる「タイムカプセル開封式典」そこでのイベント内容が明らかとなった。
なんと、文化センター内に6つのエリアが出現!!
まずは[セレモニーエリア](大ホール)での式典では、太鼓と神楽の演舞。続いてカプセル開封・お披露目、
そして建部の若者たちによるプロジェクト『繋ぎ』(パフォーマンスに超期待!)
[交流エリア]では「大同窓会」(なつかしの対面なるか!)
[異次元空間エリア]には「タイムカプセル」展示と「広報誌たけべ」449号すべての表紙が並ぶ!
「商店街エリア]に馳せ参じるのは建部きってのうまいもん屋(記念バッジの販売も!)
[ノスタルジーエリア]では昔なつかしい紙芝居屋さん(たけべカルタ取りもあるよ!)
[未来エリア]あなたからのメッセージ(2028年2月11日に届く”未来ポスト”設置!)
「おーい!母さん、タイムカプセル”こだま”を開く日じゃ!」
「こりゃあ孫もつれていかにゃあ!」
「あいつに電話しちゃろう!」
「そうじゃ久しぶりにこれでも着ようかのぅ」
「あら、お父さん三十年前からちっとも変わらんなあ」
(パンフレットより抜粋)
2月11日朝、建部のいたる所でこんな会話が繰り広げられるのが、今からとても楽しみだ!!!
案内チラシ(←PDF)は建部町公民館他で配布中!
20日土曜の朝、建部小学校講堂で神妙な顔で集まったおじいちゃん、おばあちゃん。今日は1年生(21名)が、”昔遊び”に挑戦するというので、
地域の昔遊び名人が体育館とグランドでその技を伝授するのです。
竹馬・竹トンボ・めんこ・コマ・羽子板・お手玉・あやとり・けん玉・かごめかごめなど遊びメニューはいっぱいです。
昔遊びの良さは空地があれば道具がなくても遊べる、遊び道具を使う場合も手づくりで作れるなど創意と工夫の力を養います。
運動神経をアップし、繰り返しやる中で応用力も高まります。
子どもたちからも「やっているうちに、上手になってきたよー」という声が聞こえてきました。
初めてのことに挑戦し、自分でやれるようになった、その感激や達成感があじわえたのではないでしょうか。
国も今後の教育方針に、知識中心から「自分で考える力、コミュニケーション力、リーダーシップ力」を様々な体験授業によって、
身につけさせる教育へシフトしていくと述べています。
昔遊びなども貴重な体験力のひとつとしてクローズアップされてきそうです。
昔遊びを楽しんだ後は全校生徒による音楽発表会です。
各学年による合唱と全体の楽器演奏。アコーディオン、ピアニカ、大太鼓が鳴り響きます。
今年、卒業になる6年生は、この学校での思い出をそれぞれに発表し、その成長ぶりを
父兄のみならず地域の人たちも含めしっかと感じとる一幕もありました。
最後の演奏を聴き終えた観客は「迫力合ったねえー」と口々に語り合い、講堂を後にしました。
(取材・写真 勝部公平)
極寒の建部平野、この日の気温マイナス6度。そんな誰もがぬくもった部屋から出て行きたくない土曜の夜6時、
続々と建部町文化センター、リハーサル室に集まってきたのはミュージカル「蚕くらぶ」のメンバー20人。
ご存じ、本年度28回目を迎える公演が間近なのだ。総暖房完備のセンター内とは言え板張りのリハーサル室はさすがに冷える。
記者も鏡の前のバーにつかまりストレッチ。そこで気づいた。この1面を覆う鏡は、自分の姿を映してくれるだけでなく、
他の人の動作や全体の動きをも分からせてくれる。
「そうか、これが観客側の視線なんだ」
観客がいかに自分たちの演技を見ているか、それが鏡の前の固まってしまったポーズ、目線の定まらない表情、バラバラなアクションであれば
言わずと知れたこと。演出家、佐藤淑子先生の厳しい声が飛ぶ。
「なにやっとん、そうじゃないでしょ!こう(ぐっと自分の顔を両手で持ち上げる)でしょ!」
「もっと声を出して!声を出しながら動きなさい!」
その度に出演者は同じシーンをくり返す。
さすがに本番目前ともなれば台本なしでの練習に入っているが、細かな所作とオーバーアクションの、
めりはりがうまくつながっていかないようだ。ミュージカルは耳だけでなく視覚に訴える芸術だ、
歌を聴きながらも身体の動きに観る者が惹きつけられている、そんな一体感が求められる。
中央で演技指導を受けるチームの横では、その進捗を肌で感じながら他のメンバーも練習に余念がない。
手話を使ったコーラス。楽譜を前に思案するミュージックを受け持つ人たち。
先日、取材インタビューである人からこんな話をもらった。あなたがこれまでに最も感動したことは何ですか?との問いに。
「以前、蚕くらぶに出演して、最初バラバラでしかなかった演技が、
最終にはすべて一つにつながっていた、その”佐藤マジック”に感動しました」
そうだと思う、ここに集まっている仲間たち、年齢も経験も違うし求めている夢も異なる。
なのに、かばい合い、助け合い、刺激し合い練習に励む。
それは只々、あの”マジック”に魅せられたゆえなのだ。
〇蚕くらぶミュージカル公演「蚕をさがせ」
開催日:2018年2月4日(日)(2回公演)
開演:第1回13:00〜 第2回16:30〜(開場は共に30分前)
入場料:前売り1300円(当日1500円)
*座席数140席と数に限りがあります。お早めにチケットをお求めください。
会場:建部町文化センター 小ホール
お問合せ:「蚕くらぶ」090−8717−8146
*チケットは「蚕くらぶ」メンバー、「建部町文化センター」「岡山シンフォニーホールチケットセンター」「ぎんざや」にて販売。
朝7時過ぎから富沢改善センターがにぎやかです。
社会福祉協議会建部支部の中でボランティア活動をしている皆さんが、一人暮らしをしている地域の皆さんに弁当をつくり、
昼食に間に合うようにみんなで分担して配る作業を行っています。
今日は18名のボランティアの皆さんがご飯を炊く人、おかずをつくる人、パックに詰める人、それぞれの持ち場でテキパキとこなしていきます。
組織も地域ごとに分かれ、今日参加している人は、建部上・田地子・桜・富沢・宮地・大田の皆さんで建部B地区のボランティアの面々です。
活動はこうしたお弁当配りだけでなく、ご近所の一人暮らしの方からの多岐にわたる要望(電球交換やゴミ出し・買い物代行など様々)に対応している
そうで、このような活動が地域を守る大きな力となっています。
建部ボランティアは20年ほど前にはじまり、一人暮らしの方への弁当(たけべの絆弁当)のお届けも10年になるそうです。
今は女性が中心ですが、男性にも自分たちのできる地域でのボランティア活動への参加を呼びかけていきたいものです。
(取材・写真 勝部公平)
早いものでもう松飾を下ろすとき。今年も1年の健康を願って「とんど」の火に当たろう。
旭水荘の駐車場、午前10時には近所の人らが一堂に。「あけまして・・・」から「本年も・・・」の挨拶が方々で交わされた。
次々、火にくべられるのは燃すのがもったいないほどのしめ縄。日本文化の持つ潔(いさぎよ)さ。
今日からがスタートと自らに言い聞かす。
火にたっぷりあたった後は、施設が用意してくれたお汁粉とカフェラテでホットミーティング。
テント下のテーブル囲んで久々の会話がはずむ。
「足が痛うてなあ、やっと出て来たんよ。たまちゃん元気?」(たまちゃん?)
「ああ、元気よ。新聞紙をちぎってそこに丸まって寝とるよ」(なんだ猫ちゃんか)
「まあ、ちょっと見てー、泡がハートになっとるわ」(カフェラテの表面に)
「あれホント、手でハートを作っとるみてえ、幸せが来るいうことじゃが」(そのとおり)
平成30年1月15日、月曜、朝11時、陽もぬくもり始めた福渡町、旭水荘の「とんど」会場での一コマ。
(取材・写真 三宅優)
久しぶりに冷たい雨に覆われた建部平野。この様子だと午前の作業中止で、すぐに本会議との予測通り
「里山建部」の新年会合は8日(祝)早々に始まった。
総勢20余名。まずは重本会長の「がんばれるだけやり続ける」の宣言。
続いて来賓の大塚愛 県議会議員の挨拶。
「議員になる前から家族でずっと、この里山で楽しんできて、その度に元気と励ましをもらった。
これからも中山間に生きる人のために出来る限りのことをしたい」
森田卓志市議会議員も駆けつけた。「里山は建部の希望。この宝を何としても活かし後世に残す、
そのことに全力を傾けたい」今どき珍しい政治家、言葉に偽りのない両議員からの励ましにメンバーも勇気百倍。
昨年度の報告、新年度計画の発表を終え、親睦会へ突入。思えば、記者は長くこのグループと交わらせて頂き、今はさすがに皆(記者自身も)年老いて来た。
なのに、変わらないのはその酒豪ぶり。本人たちは「いやー、めっきり、量が減った」と仰るが何のその、
新しく加わった若手メンバーもタジタジ。
それぞれのスピーチでは「あと、何年生きられるかわからんが・・・」とか
「70歳を超えた途端、未知の世界、どう生きるか手探りじゃ」の本音とも弱音とも取れる発言多々。いいではないか、そんな心境を分かち合える仲間がいて。
「里山建部」の閉会は1本指に始まり2本、3本、4本そして両手で「シャン・シャン・シャン」と締めくくられた。
(取材・写真 勝部公平 三宅優)
「新世紀の建部町民の皆さんへ」
オレンジ色の球体の側面に書かれた文字。30年前、当時の建部町町民が今の私たちに伝え残そうとしたメッセージ。
そのタイムカプセル、愛称「たけべのこだま」が本日、実行委員会(委員長 平田慎一)
により岡山市北区役所建部支所の前庭から掘り起こされた。
建部町制施行20周年記念行事のフィナーレとして、30年後の建部町の発展の願いと期待を込めて埋められた
カプセルを今まさに目の当たりにする不思議感。
埋められた時のまま、今にも当時の人たちのざわめきが聞こえてきそうな滑らかな表面。
掘り起こしの式場には当時を知る人や子どもだったのであまり記憶にないと言う人、そして生まれてもいなかった人たち。
すでに亡くなった人のことや、若かりし自分、さまざまに思う。
誰もがこの時間を超えた対面に”不思議な興奮”に駆られる。
愛称「たけべのこだま」の名付け親、谷進さんもその一人。
「通勤の途中じゃった、カプセルの名前・・・、そうじゃ、この建部の自然、
オーイと叫んだら響いて返って来る、30年先に呼びかけが戻って来るのじゃったら、”こだま”がいい。
それを今日、自分が受け止めることができるなんて、何とも有難いこと
です」
当時、カプセル埋設に直接たずさわった敷田さんが偶然この場を訪れた。
「いやー、懐かしいなあ、企画開発課にいたのでよく覚えてます。2017年に開けるので2017点入れたと思います。
その日の新聞各紙の朝刊やすべてのリストも・・・」
その1つづつのメモリーは2月11日、開封式を待つとしよう。
当日の式典には市議会議員の森田さんの尽力もあり、大森岡山市長も参列されるという。建部の30年前の人々の思い、
次は我々が30年先の人たちに伝える時が来た。
「タイムカプセル開封式」は2月11日(日)13:00〜 建部町文化センターにて
*それまでの間、タイムカプセルは建部町公民館にて保管されているのでご覧あれ。
(取材・写真 三宅優)
福渡病院待望の常勤勤務のお医者さん2人態勢ができました!
新しく常勤の副院長として来町されましたのは松村隆先生(65歳)
これまで愛媛県の松山市にある済生会松山病院の副院長を務められ、ご専門は整形外科。
特に骨粗しょう症などの研究を長くやってこられました。
そもそも先生と建部の出会いは7年前、奥様と日帰りバスツアーで岡山を旅したことに始まります。
その折、四国に代表される石鎚山など奥深く切り立つような高い山々ではなく、小山と平野部が折り重なるような里山風景にまず心魅かれたとのこと。
特に平野を流れる大河、旭川、緑豊か自然、それと「たけべ八幡温泉」「めだかの学校」などの自然の特性を活をかした施設にも感心されたそうです。
そして交通の利便性の良さも気に入られ、建部町中田に家と自家農園のための畑を購入。昨年末、松山の病院を退職された後、
引っ越しを終えて、この1月から福渡病院に赴任されました。
整形外科学会や骨粗しょう症学会などの会合は東京などで開催されることが多いので、JR岡山駅まで4〜50分、新幹線で3時間半の日帰り出張にも
最適ですとのこと。(いやあ、外から来ると建部の良さがいくつもあるですね)
そんな建部での生活のスタート、町民みんなで応援していきたいものです。
ところで、この赴任をもっとも喜ばれたのは塩田院長先生ではないでしょうか。
今まで孤軍奮闘、地域住民のために医療と病院経営に邁進してこられました。これからは、院長、副院長、事務長のトロイカ体制が整い、
職員の皆さんと共に更なる充実した地域医療の提供が期待されます。
どうぞよろしくお願い致します。
(取材・写真 勝部公平)
新年に届いた年賀状はどれも犬の力作。中でも「ヘ―、こんなかわいい犬」と感心したのは服部翠園さんの賀状。
やっぱり腕のある人は違う、もっといっぱい観たいと自宅ギャラリーで開催中の「干支作品展」に出かける。
隣接する服部酒店の入り口にも見事な「謹賀新年」の文字。「おおー、すばらしい」(当たり前か?)
ギャラリーの戸を開けると、ありました、戌、戌、戌。一つとして同じ書体がない。
書に組み合わせれて描かれている犬もさまざま、ちなみに翠園さんがお気に入りなのはブルドッグ。
「わしも、腕に抱けるような小さなブルドッグを飼ってみたいなあ・・・」
干支作品以外にも新作が展示。そのカラフルで水墨画らしからぬ掛け軸に足が止まった。
「先生、これって水墨画じゃないみたいですが・・・」
「う〜ん、これは明治の頃の吉田博という人が描いた版画をまあ写してみたわけで・・・」
「どうしてまた?」
「いや、以前テレビで観て気に入って画集を取り寄せたんじゃ」
ほうー、さすが!枯れることのない制作意欲・・・恐れ入りました。
帰ろうとして読めない文字が気になった。”田”の横に”II”下に”二”と引かれている。「先生、何ていう字ですか?」
「うん、”耕す”という字なんじゃが、昔はそんな風に書いてたこともあるわけで。昔、お釈迦さんが弟子をつれて歩いていて、
百姓が見て、ブラブラしないで田でも耕したらどうじゃと言った。そうしたら、釈迦が私は自分の心を耕しています、と言ったそうな」
な〜るほど、私も新年始め「犬」を愛でつつ心も耕す、何と良いスタート。皆さんもぜひ”心を耕し”に出かけませんか?
服部翠園「干支作品展」は自宅ギャラリーにて今月15日まで。
(取材 三宅美恵子 写真 三宅優)