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 建部中学1年生の「避難所開設体験」に密着 2024年5月15日発信


建部中学
校長先生によるガイダンス

 当新聞の「特集記事」にも掲載している建部中学1年生による「避難所開設体験学習」が今年も開かれた。
 この学習の際立った点は地域の住民が”避難者”として参加すること、それも様々な役柄に扮して。
 例えば、日本語のわからない外国人、身体が不自由な人、子供が行方不明の人、ホームレスの人などなど。
 13時30分、中学校の武道館に集まった地域の方たちは20数人ほど。校長先生より説明を受けた後、役柄を示す「役割カード」 を配られる。
 一応に「ムムムー・・・」と役の難しさに戸惑い気味。

建部中学
検温「ゴホゴホ」咳をしましたが・・・

建部中学
ハーイ、こちらで受付してください

建部中学
名簿に記入、でもどう書くの?

建部中学
私は外国人のボブ・クラークです

13時50分、避難者全員が2階体育館に設けられた避難所へ移動。
 入り口でまず検温。
 続いて、受付テーブルで名簿に記入。
 すると「私は3人で来たことになってるけど、どの名前書く?」
 「私は4歳の子だから字が書けないと思う」
 避難者からの質問。避難所で名簿にいかに詳しく書いてもらうかは重要なポイント。
 生徒たちは避難者が抱える様々な状況の受け止めに、まずつまずく。
 「これ、どこに書いたらいいの?」
 「なんて書けばいいのかなあ?」


建部中学
どこへ行けばいいですか?

建部中学
「ワシはどこへ行くんじゃ」「そっち、空いている?」

 受付を終えた人が首にかけた「役割カード」をもとに、生徒たちにより避難場所へ案内される。ある人はベッドのあるテントへ、別の人はマットが敷かれただけの場所へ。
 マットは健常者で、テントは要配慮者との振り分け。


建部中学
「食事がもらえるんで来た」

建部中学
マットだけの場所は健常者用

建部中学
猫と一緒がええ

建部中学
希望がかなって、ええ対応じゃ

建部中学
僕は自閉症の子どもを持つ母親で・・・

建部中学
自分も足が悪いので、困っとるんじゃ

建部中学
車イスなので一緒は無理かも

 避難者の数だけ要望がある・・・?

 「私は看護師なので、何かやれることがあったら言ってください」
 「ワシは家も無く身寄りも無いホームレスで、食事がもらえると聞いて来たので、マットの上でも大丈夫です(笑)」
 「私はネコと一緒にいたいんじゃが、そうしてもらえんか」
 「僕は自閉症の子どもを連れた母親の役で、実際の自分もツエがないと歩けんで、どうにかしてくれ(笑)」
 「私は車イスだからテントに入ると同居者に迷惑がかかるけど・・・いい?」

 役に徹した避難者のさまざまな問いかけに、生徒たちは「う~ん」と腕組。
 受付から避難場所への誘導まで、わずかな想定の中にいくつもの課題が生まれ、生徒たちは、その”混乱”の洗礼を受たようだ。
 


建部中学
混乱冷めやらぬ生徒たち

建部中学
感想を述べる参加者

 30分後、終了、全員での振り返り。
 参加してくれた地域の人たち一人一人が感想を述べる。

 「受付が混雑したので、テーブルを増やす必要を感じた」
 「子どもが行方不明となっていたので、親身に対応してもらいたかった」
 「喘息だったが対応もしてもらい、窓を開けましょうかと言われ、気遣いがあった」
 「年寄りが多いので、大きい声で話してほしい」
 「受付で書く名簿の文字が小さくて読みづらい」
 「困ったことはないですかと声かけしてくれ、スリッパを勧められたのも良かった」
 「一人暮らし、高齢者で認知症、検温時、盛んに咳をしましたが気づいてもらえませんでした(笑)」
 「テントに案内してもらったが、テントの敷居の段差がけっぱ躓いた、でも声掛けはうれしかった」
 「薬が無いと話したら、”えっ、どうしよう?”と答えたのは避難者が不安になると思う」
 「子どもを別に見守る人もいた方がいい、ところでリハーサルは何回ですか?」
 (1回です)
 「それは、よくできました(笑)」


 最後に指導企画された講師の方からのまとめとして。

 「私も学区での避難所運営など多く携わってきました。その上で言えるのは避難所はホテルではなく、そこでは避難者と皆が協力し合うことが大切だと言うことです。今日の学習でそのことが学べたのではないかと思います」


建部中学
最後に全員で「ありがとうございました」

<記者感想>
 昨年より時間が短縮されたようだった。でも課題はしっかり噴出したのではないだろうか。参加した地域の人の感想にも厳しい注文が見られた。
 恐らく実際の避難所ではこれの何十倍もの問題が起こるだろう。そのことへの想像体験を得られたことが、この学習の大きな成果だったと思う。
 



 (レポート 写真・三宅 優) 




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