2018年8月発信
たけべ八幡温泉から旭川を北上、国道484号がカーブする辺、瀟洒な家並みの分譲住宅街が。
その中でも一際目を引く、緑に囲まれたテラスと「OPEN」のネオンの輝くコロニアル風建築。ここが、今回ご紹介する、パスタと季節料理の店
「デジャヴ」さん。建部の隠家的カフェレストランの魅力をお伝えします。
(取材・三宅美恵子 写真・三宅優)
夏のとある日、あいにく今日は雨。旭川を右に眺めながらの散歩。いつだったか、建中の生徒たちが作った「建部おすすめマップ」なるものに、このお店がイチオシと書かれてあった。
「へー、中学生ぐらいになると、行ってみたいお店になるんだ」と記憶に残った。
たけべおこしプロジェクト発行の冊子「たけべぐらし」にも掲載されている。なのに、行く機会がなかったのは、レストランと聞くと、
ナイフとフォークに緊張して身構えてしまう。
今回、そんな心配を払拭してくれたのが、気さくな店主の伊賀希世子さん。伊賀さんにお話をお聞きしました。
(聞き手 三宅美恵子)お店を始めたのはいつ頃ですか
「
20年ほど前になりますかね、ここが造られてすぐの頃です。・・・よく温泉に来てて、住まいここでもいいかなって。」
「デジャヴ」ってたまに聞くんですけど、どういう意味ですか
「”既視感”、初めての所なのに、前に来たことがあるような不思議な感覚と言うんですかね、最近では日本語で定着してきました」
どうして、このようなお店をしようと考えられたのですか
「主人がここを見つけてきて、お母さんは料理が上手だから、ここで店をやるといいよって言ったんです」
料理がお好きだったんですか
「いえ、結婚当初、超ボンビー(貧乏)だったので(笑)、安いもので工夫して、魚なんかも丸で一匹買ってさばいて、おいしいものを作るしかなかったんです。やはり、夫婦って、
そこから始まらないとダメですよね(大笑)」
お店の造りが、とってもこだわっているように見えますが
「主人が天満屋ハウジングさんと、ああしよう、こうしようって相談しながらつくりました」
壁に掛けているお皿とか絵は、ご自分で揃えたのですか
「そうですね。このボクネンさんの絵なんかは、私が展覧会で見て、すぐに気に入って買いました」
外国のアンティークも多いですが、向こうにはよく行かれるのですか
「イギリスが好きでロンドンにはよく行くんですよ。でも食事はあまりおいしくないですね(笑)」
ありがとうございました
〜私的・グルメレポート〜
特製ランチセットをお願いしました。厨房から「コン、コン、コン」と軽快な包丁の音。1皿目はキューリ、トマトの胡麻ドレッシングサラダ。
さっぱりとした夏野菜そのものの味を噛みしめながら、次を待つ。「ジュワーッ」と揚げ物をする音。
2皿目は、これも夏野菜、ズッキーニと玉ねぎの串揚げ。「はあー、こんなふうにするだけで、見事な一品になるんだねえ」
カリッと揚がった衣と、ジューシーな甘味の野菜のマッチング。「うん、おいしい!」
そして、カツレツ登場。イカリソースとマスタードがピッタリ。
ベーコンと野菜の炒まる香りがしてきて、いよいよ楽しみのパスタ。細身の麺の、湯で加減はアルデンテ、まさに私好み。
フー、すごいボリューム、なのにぺろり。
デザートはバニラアイスと淹れたてコーヒー。クラシックな食器が贅沢を感じさせる。
「ごちそうさまでした!」
これで、一人1500円は、誠、申し訳ない。おまけに、何時間も居座って・・・。
そう言えば、デジャブって、いつか来たことのあるホッとする空間、それってまさにここだったんだね。
(取材・三宅美恵子)
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