今日こそは違うものを注文しようと思って出かけても、結局、頼んでしまう「ハンバーグ」。それほど、また食べたい味。
倉敷から遊びに来る姉夫婦も初めて行った時「ほんまおいしいなあ」と感激。それ以来、我が家に来る楽しみがもうひとつ増えた。
確かにおいしいのだ。肉がというか、ソースがというかその絶妙のコンビネーション。見習いシェフ並みに最後のソースを指でなめたくなるほど。
つけ合わせのポテトサラダと小鉢料理もこれも又うまい。これで850円なんて、そりゃあ安いと毎回だけど感心してしまう。
そんなお店を今回、直撃取材しました。お聞きしたのは、オーナーシェフの山田 篤史さん(36歳)。
すぐ隣で古くから地元に親しまれている「山田精肉店」の息子さんです。お店のこれまでについてお話いただきました。
「開店してからこの7月で11年になります。その前、東総社のサンドイッチで有名な「オールウェイズ」で2年ほど働いていたのですが、
そこでのことがとてもいい経験になりました。こっちに戻ってから、簡単な肉料理ですが自分の店の肉を生かした惣菜を作りたいと考えて、
それで始めたんです。
肉はすべて国産で香辛料などを使わなくても、うまみそのものを味わえる良い肉を使っています。ハンバーグも通常は赤身の安い肉を使うのですが、うちは
いい部位を使って、入れるのも塩麹、卵、パン粉の3種類だけです。ソースも牛骨ベースで、すべて手作りです。市販のデミグラでは味が出来過ぎていて
肉が引き立たないからです。材料は毎日、仕込んでいます。ソースも3日に1度は作ります。冷凍や作り置きはしませんね、それが肉屋直営のレストランの強みだと思います」
休日のお昼時ともなれば、決まってお店の外にお客様の行列。カウンター席が5つ、テーブル席が12と限られていることもあるけど、そもそも料理はオーダーを聞いてから、
ハンバーグもその都度フライパンでじっくりと焼いているのだからなおさらのこと。
「そうですね、お客様には申し訳ないんですけど、厨房も2人なので今はこれでやっていくしかないですね」
それでも待つだけの価値がある。ちなみに人気メニューベスト5。
*1番 「デミグラソース ハンバーグ」 850円
*2番 「和風ハンバーグ」 850円
*3番 「チーズ焼きハンバーグ」 900円
*4番 「牛ロース焼肉」 1150円
*5番 「特選和牛ハラミの塩だれ丼」 1250円
食後のデザートも魅力的だ。ケーキケースには大きくカットしたボリュームたっぷりの抹茶レアチーズケーキやイチゴのタルトが。こちらは実のお姉さんの手作り。
「まあ家族にはいろいろ助けられてます。いそがしい時は隣でパン粉をつけてもらったり」(笑)
そういえば先日も事前撮影に来たとき、次々とくる客の車を誘導するお父さんの姿がありました。やはり家族はありがたいですね。
では最後にこれからのことについては何かお考えですか。
「今まで休日も週1日と忙しかったし、あまり外のこともできなかったのですが、”たけべおこし”とか地域のことなどにも協力していけたらいいなと思います」
どうもありがとうございました。
(記者感想)
こんなにおいしいのだから、てっきりどこかで長い修行をしたに違いないと思っていたら2年ほどの経験ですぐに始めたと聞き、やはり創作とは才能なのだと痛感。
あの料理人を描いた名作「チャングムの誓い」から言葉を借りれば、いわゆる「味が描ける人」なのだ。それにしても寂れる福渡に行列をつくりだした店、その功績は大きい。 (三宅 美恵子)
「Yamada deli」
定休日: 水曜日(祝 翌日)
営業時間: 11時〜18時
アクセス: JR津山線 福渡駅下車すぐ
車/国道53号福渡交差点入ってすぐ
地図を見る(←クリック)
〒709-3111 岡山市北区建部町福渡494-1
п@086-722-0105
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