■「新たけべの彩時季」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
第20回は福渡保育園の愛育会会長でがんばる田渕 陽祐さん。
(プロフィール)
田渕 陽祐(ようすけ)昭和59年建部町品田に生まれる。
福渡第一保育園、福小、建中、福高と進み、
高梁にある福祉の短大を卒業。卒業後、
特別養護老人ホーム「宇甘川荘(うかいがわそう)」
にて介護福祉士として勤務。
また今年から二人の子が通う福渡保育園の
保護者会、愛育会会長を務める。
趣味のバス釣りは小学生の頃から。
2児の父。福渡中田在住、33歳。
(聞き手 三宅優) ご自分もこの保育園からスタートしたわけで、子どもの頃ってどんなでしたか?
「まず、遊んでしかいなかったです、宿題せずに釣りに行って。そうですね、部活して、釣りして、その繰り返しみたいな」
悪ガキだったんですか?
「いえ、ただの馬鹿ガキです、勉強できないだけの(笑)」
部活は何をされてました?
「軟式テニスです、福高でもそれでした。大きな大会に出るというほどではなく、まあ広く浅くやってました。もっぱら釣りの方に夢中でしたかね」
バス釣りにハマったわけは?
「当時、僕らが小学生の頃、バス釣りがすごいブームになったんですよね、漫画やテレビになって」
それがいまだに続いている、その魅力ってどんなところですか
「いや、こんなこと言うと、あいつ何を偉そうなことをと言われそうなんですが(笑)やはり、引きとやり取りですかね。もちろん、
そう言うこととは別に、あくまでスポーツフィッシングとして職場のチームでも楽しんでやっています」
職場は御津の特別養護老人ホーム「宇甘川荘(うかいがわそう)」ということですが、
そちらに勤められるきっかけというか、そもそもに介護福祉士になろうとした、そのあたりについて詳しく教えてください
「あれは、中学生だったと思うんですが、学校の職場体験でほのぼの荘に行ったことが大きかったですかね、自分もなろうと。
で、福高には福祉のコースがあったのでそれを取りました。でもそれは卒業してもホームヘルパー3級程度でしたから、
そうしたら仲の良い友達が高梁の福祉の短大に行くというので。それでじゃあ俺もということで3人でそこに入学しました。
今、一人はほのぼの荘、もう一人は旭水荘で働いています」
初めて知りました、福渡高校に福祉のコースがあったなんて。その上、きっかけが建中の職場体験だったとは。
「いや、福渡高校に行ったのは、建部町民は少し優遇されて入りやすいと聞かされたのもあったんです(大笑)」
それから10数年、今は二人のお子さんを保育園に通わせる身になったわけですが、親としての心境はどうですか
「特別に変わりはないと思いますが、よくニュースとかで子どもが事故や事件に巻き込まれたことが流されると、自分の子の顔がすぐに浮かんで、
照らし合わせることが増えました。それは他の生きものなんかでも同じで、子が犠牲になる、そんなものを見るのが切なくなりました」
お子さんにはどのように育ってほしいですか
「引きこもりにならなければいいなと思います、ゲームとかやって。僕らの子どもの頃って、水着の跡がくっきりと残るくらい外で遊んだ。
今、あれくらい遊ぶことってないでしょう、錆びついた公園しかなくて。なるべく自然と触れ合うほうがじょうぶに育つ、空気清浄器のある
きれいすぎる所での生活ではむつかしい」
今回、成り手が少ない中で保育園の愛育会会長を引き受けられましたね
「それは、前会長(榎本さん)から、大丈夫、できるできると言われて。まあ、副会長としても残ってくれたので。
それに、うちは二人で動いていて、奥さんが実務をやってくれて僕は会長と呼ばれているだけですから(笑)」
それでも、皆さん大変喜んでいらっしゃいますよ。最後に、この建部に対する思いとかあればお聞かせください
「やはりこの建部には長く生活してきた土地勘があるということですかね。それと親の近くにいるという何ごとにも代えられない安心感。
他の街とか、岡山市中心部にも行きたいとはあまり思わないです。そんなところですかね」
どうもありがとうございました
(記者感想)
毎年、立志に行われる建部中学校の「夢と希望を語る会」で、今年も何人かの生徒が介護福祉士になる夢を語った。きっかけは田渕さんと同じ、
職場体験で建部にある「ほのぼの荘」などの施設に行ったこと。今、かつての建部町はなくなったが、こうしてその時の種が
大きく実を結び一線で活躍していることを知ると、やはりこうした環境こそが子どもを育てるんだなと強く認識。
また話の中で田渕さんの三人の同級生、実はその一人が先日、記者が「介護のきほん」を教わった旭水荘の介護職員、佐藤文俊さんである
と知り、我ながら見えていなかった建部っ子のしっかりと地元に根を下ろした働きに、改めてこの建部が好きになった。
最初、松下りえ記者の推薦で取材を申し込んだとき「えっ?ホント俺なんかで良いんですか?」と言われ、正直こちらも不安になったが、
とりこし苦労だった。
それにしても、子どもの時に夢中になった趣味に今も変わらず熱中していられるのは何とも幸せなことだ。
またまた、やってくれました、「たけべおこしプロジェクト」
今度はJRの依頼で岡山駅地下通路広場ショーケース(桃太郎観光センター前の展示スペース)にたけべの紹介パネルを出すことに。
スタッフはそのために寝ずの夜を過ごす日々。そして昨日1日より、いよいよその展示が始まった。
全長6メートル、高さ2メートルのショーウインドウにはびっしりと建部の魅力が。
まず駅を背に右側通路には「TAKEBE」の文字、その文字を色取るのは数々の建部の行事、風物、祭事。
その横には鉄橋を渡る電車の風景と俳人、荒瀬秋圃(故)さんの一句
「この町が好き一輌の初電車」泣けてきます。
左側通路には「あの、たけべが いま、アツい」と題して、スポット紹介、体験、グルメ、特産
、おみやげ紹介、イベント案内、そして素敵な建部のお年寄りの笑顔が並ぶ。
いやあ、よくここまで仕上げました。スタッフの”たけべ愛”がびっしりと詰まった感動のステージ。
みなさんこの夏、是非、津山線に乗って岡山駅地下通路に「建部観光」に出かけてみませんか。
展示は8月31日まで。
「ああ、いいなあ」。
いつもこの日を迎えるたびに、今年も来れて良かったと思う。「福渡盆踊り」。
特別養護老人ホーム「旭水荘」で毎年、行われている夏祭り。
入所者、家族、全スタッフと地域の子どもからお年寄りまでもがそろって祭りを楽しむ。
会場となった施設の駐車場には職員、地元ボランティアによるさまざまな夜店。
かき氷屋さん、ダーツ屋さん、ヨーヨー釣り、輪投げ、タコ焼き、焼きそば、野菜カレー、フランクフルト、
綿菓子・・・。子どもらは夢中になって駆け回る。
やぐらのテーマはカッと見栄をきった写楽絵。その下で「彩響」太鼓が鳴り響く。車椅子のまま体をゆすって
応えるご老人、目がきりっと前を見つめる。
盆踊りは昔ながらの変わらぬ踊り。大人は忘れてても、子どもらがしっかり踊る「炭坑節」。
”月がー出たでた 月がー出たー、よいよい・・・”両手ですくう所作がスコップで石炭を掘ることとは
何も知らない。こんな、そんながどれも見ていて楽しい。
フィナーレは昨年も当新聞のトップを飾り、むろん今夜も見事に挙がった旭水荘職員熱意の結集「ナイアガラ」花火。
帰る人たちの口から「ああ、今年もいい盆踊りじゃったなあ」との声がそこかしこから聞こえて来た。
(取材 三宅優 松下りえ)
台風目前の日曜日。旭川河川敷では花火大会に向けての早朝の草刈り。親水公園では「バス釣り大会」。
そして53号線沿い吉田では景山建設さんが「夏休み木工教室&夏マルシェ」を開催。
駐車場のテントではお馴染みの「サニーデイコーヒー」さんや「ニコパン」さん、夏野菜にカブトムシ、フリマ、
新しく手作り小物のお店も並んで、かわいらしいマルシェが出現。では、まずは人だかりのする屋内へ。
「おお、なんともいい匂い、癒されるねー」それもそのはず、桧風呂ならぬヒノキ玉風呂が置かれている。
記者も子どもたちから「きもちいいよー」と言われてさっそく飛び込むが、けっこう足裏に効く。
子どもは平気らしい。大人は疲れがたまってるのだなあと実感。
別のコーナーでは若い職人さんを前に親子がカンナで何かを削っている。「ヒノキのマイ箸」作りだ。
ハシ製作箱に木片をセット、子どもでも簡単に使えるミニチュアカンナでシュッシュッ。仕上げの塗りを
ほどこすと自分だけのオリジナル箸、完成。
長い夏休み、こうした地元でちょっとした体験を提供してくれる、さすが地域密着企業の「かげやま」さん。
このあと、子どもらは「これからお菓子なげだよー」との声に、いっせいに大きな袋を手に外へと駆け出した。(取材・写真 三宅優)
知らないだけで田舎はずっとずっと楽しい、過疎化が懸念される山頂の村々でも。
そののんびり感、豊かさを知ってほしいと、地域おこし協力隊の頼元徹さんと長尾地区の人たちで
来月9日から1泊2日の「山の上の農村体験」と銘打ったプログラムが予定されている。
参加対象者は「人と触れ合うことを大切に感じる方」
(特に若い学生さんやこれから子どもを田舎で育てたいとお考えのファミリー)
澄み切った空気と緑豊かな自然、どこまでも見渡せるかなたに、
あなたは自分の未来を見つけるやも知れません。
開催日:H29年9月9日(土)〜10日(日)(雨天中止)
場所:岡山市北区建部町長尾活性化センター
参加者:定員15名
参加費:3000円(3食、保険代、温泉入浴付き)
内容:稲刈り、羽釜のご飯炊き、コンニャクづくりなど
主催:岡山市北区建部町長尾町内会・岡山市地域おこし協力隊区
問合せ:070-6551-9931(岡山市地域おこし協力隊 頼元)
(取材 勝部公平)
今日だけは特別な日、1年の憂さも忘れ、このひと時、大輪に酔う。どこから観ても良い、どんな格好で見ても良し、席取りなんて必要ない。
あれほど強かった陽ざしが少しづつ影を落とし、会場前の広場では
オープニングアトラクションの太鼓が鳴り響く。
いったい、どこからやって来たのだろう、親水公園に集まった人々。親子連れ、家族中総出の人、若者たち。
この町の過疎化の心配はどこに行った?
一人一人の顔が刻々と迫りくる打ち上げ開始に胸はずませて、緊張と笑いに包まれて迎えた8時、いよいよ
最初の花火が夜空に昇った。
わずか40分、1200発の大輪。この間、隣にいる人も、後ろに座っている人も共に「おー!」の歓声を
上げ、その感動がふたたび輪になって夜空を覆う。
「よかったねー」「また来年も来ようねー」「たけべ最高!(子ども)」
そんな言葉をいっぱい今年も貰って、この夜、建部町民は鼻高々で眠りにつくことができただろう。(取材 三宅優 写真 花房功基)
建部町の中でも、ひときわ過疎化と高齢化が顕著な鶴田の長尾地区。
とは言え、当新聞でも幾度か取り上げた「やまゆりの会」に見られるように、
元気いっぱいのお年寄りが今もこの地区をしっかりと守っている。
お盆の真只中の今日は、そんなお年寄りが朝早くからセンターに集まり、
子や孫たちとの会食の準備をした。
毎年14日に必ず開かれる「長尾地区三世代交流会」、今年はどんな顔が
見られるかな、並んだ赤飯のおむすびもワクワク出番を待っている。
午前11時開宴宣言、しかし「まだ到着しておらんのが多い」との意見でもう少し後にすることに。
そのうちに1組2組と若い親子連れがやって来た。気がつくと、長ーい炭焼きU字溝を囲んで50数名、いつもの3倍の人口。
鶴田出身の森田市議会議員ご夫妻、地域おこし協力隊の頼本さん家族の顔も。
下原さんご家族にお聞きしました。「娘は四国から戻ってきました、孫とその孫で四世代14人います。皆、おばあちゃん家
に行くのがうれしいと言うてくれて・・・」
「昨日から全員で泊まっています。中2の娘も今日はおにぎりを手伝って、宿題ボランティアを済ませました(笑)」
地元、中3の岸田君とお姉さん、「毎年この焼肉が楽しみです!」
宴を囲み、帰省した人の顔も今までの喧騒を忘れてホッとした表情。
この地を離れても、還っていく所はやっぱりここだよね、そんな思いが滲んでいました。
*さてこの9月9日、地域おこし協力隊の頼本さんを中心にここで「山の上農村体験」と題して企画が組まれています。
田舎の良さを感じてほしいと若者、ニューファミリーに呼びかけていますので、お知り合い、友だち、お子さん、関心のありそうな方が
おられましたらお声がけください。
(取材・写真 勝部公平 三宅優)
11日「建部町納涼花火大会」は大盛況でしたね。その日、岡山市内中心部から
若者と親子連れ20数名が里山建部で、お昼前からレクレーションやバーベキューを
楽しんだあと、花火観賞に出かけていきました。
花火終了後は八幡温泉に浸かりゆっくり体を癒し、
解散。皆、建部をことのほか気に入って帰りました。
この”建部の過ごし方”を企画した若者グループの楽しみ方を少し紹介すると。
里山の施設の炉端を囲んでのバーベキュー、持ち合った手作り料理とビール、ワインで
アウトドアパーティ。普段、街中ではかなわない野性味あふれる時間の過ごし方を
しておりました。
私が里山の素晴らしさ、キャンプで子どもを育てる大切さ、人間と生き物との共生
などについて話をすると、メンバーから「キャンプのボス」と称号を
もらい満更でもない一幕もありました。
また参加者の中に泊まり希望者がいたので、岡山県キャンプ協会のテント2張りをこの夜、
広場に設置。満天の星、初めてのテント泊、忘れられない一夜を過ごされました。今度、長尾地区で企画される「山の上農村宿泊体験」これらも含め、
”建部の魅力ある過ごし方”もっともっと広めていきたいものですね。
(取材・写真 勝部公平)
岡山市が主催する「ESD岡山アワード2017」岡山地域賞Web 投票が間もなく締め切られます。
建部からは「たけべおこし」が”たけべマルシェ”の取組みでエントリー。
投票の方法はウェブからのみ。我が建部の若者の取組みに、
多くの賛同が得られるよう皆で応援の投票をお願いしまーす。
建部町の魅力と言えば豊かな自然、そのなかでも旭川の存在は大きい。
これまでの歴史、文化、生活(災害も含め)、あらゆる側面に影響を及ぼしている。
その旭川について、私たちとのあるべき関りについて話し合おう、
そんなシンポジウムが20日午後、「めだかの学校」で開かれた。
主催したのは「旭川源流大学実行委員会」で、これまでさまざまな環境活動に携わってきた
有識者、学生らが参加した。まず会を企画した吉鷹一郎先生から
次のような基調提案がなされた。
「自然と触れ合うことが少なくなった昨今、虫がこわい、自然が嫌いという子どもの声を聴きます。今、みなさんの活動を振り返り、
これまでどんな10年だったでしょう。少なくとも私が学んだことは
@ふるさとの自然は自分たちで守る
A楽しみながら人と自然を愛しむ
B川を通じて友をつくる、だったと思います。その上でこれから先の10年の夢を語り合いたいと思います」
パネラーとして参加した山口雪子(岡山短期大学・准教授)先生からは「身近な自然をどんどん広げていくことで全国の自然とつながる。
障害者も健常者もどんな人も自然の恵みを享受できる社会にしていきたい」との夢が語られた。
同じくパネラーの宮内伸弥(高校教諭)先生は、これまで自らの学校で科学部を指導し生徒たちを育て送り出してきた経緯を語られた。
その卒業生、現高校生からも意見が述べられ、「子どもの頃、川で遊んだ思い出があったので今の活動を始める気になった」とほぼ共通の
思いが伝えられた。
建部からは竹枝の「かいぼり調査」にたずさわって来た佐藤康彦さん、「里山建部」を展開する当新聞編集長、勝部公平が出席し、
これまでの活動等について述べた。
最後に齋藤達昭(岡山理科大学准教授)から、竹枝の「かいぼり調査」は地元、学者、行政が一体となって取り組んだ
からできたきわめて珍しい成功例。これからは、子どもの時から自然と親しめる機会を増やす、川に興味を持っている人を長いスパンで
どんどん増やす、そのことが重要です」とのまとめがなされた。
記者の感想は手元に配られた「アンケート」の質問に答えるかたちで。
「この会を一言でいうと?」 川への思いが世代を超えて結ばれた会
「あなたのこれから10年は?」(たけべ新聞を)何げない人の営みを綴って、輝くアルバムにしたい。
(取材 三宅優)
*9月16日(土)「若手のための環境ミーティング2017」が、
めだかの学校周辺をフィールドに実施されます。関心のある方は
FBのページをご覧ください。
(取材 三宅優)
暑い暑い毎日。そんな中、背筋がひやー。
子どもの頃、市内のデパート屋上に設けられたおどろおどろしい見世物小屋に、
どれだけ興奮しただろう。今となっては、ただ懐かしい「お化け屋敷」
その体験を小学生の子どもたちに再びさせてあげよう、そんなプロジェクトが
建部町公民館の主催で開かれる。
会場づくりを任されたのはプロジェクトに応募した建部中学校の生徒たち。先月末にはプランを練り上げ、今月19日には
小道具製作に取りかかった。どの生徒もお化けづくりは初めてとあって試行錯誤。「えっ、それってこわいかなあ?」
「じゃあ、こうしたらどう?」と話し合いながら作業を進めた。
もっとも頭をひねったのは館内2階の会場となる部屋のルートづくり。各ポイントでスタンプを押しながら回るのだが
、その度に仕掛けが必要とあって、アイデアが行き詰まることも。
この「お化け屋敷」本番は8月26日(土)前半の13:30〜14:30と後半の
14:45〜15:45の2回が予定されている。今のところ「おばけ」を体験できるのは小学生のみだが、
当日の午前中はリハーサルに当てられているので、もしかしたら”怖〜い”光景に出会えるかも。お立ち寄りになってみては・・・。
(取材・写真 三宅優 三宅美恵子)
長い夏休み期間でも土・日・祝日を除いて、毎日開かれている学童保育。
朝早くから夕方6時過ぎまで子どもたちを預かってもらえ、共働き世帯の
力強い応援団となっています。
発足当初は12〜3人だったのが現在、多い時には50人を超える子どもたちが
利用。建部小学校全生徒の2人に1人が来ていることになります。
これを支えているのは地域の学校支援員の皆さんです。
安心、安全に気を配りながら放課後の学習指導、時には親御さんの相談相手と、
本当に頭が下がる思いがします。
そんな支援員のボランティア精神に触れ、記者も何かお手伝いできればと、
子どもたちと支援員の皆さんのストレス発散をはかるべく、
半日の時間、レクレーションを企画しました。
ゲーム方式で大声を出したり、笑ったり。いつのまにか参加者に励まされる場面も。
子どもは多様な体験をすることで視野が広まり、創造力が高まっていくのだなぁーと
、あらためて教えられました。
(取材。写真 勝部公平)
前回、旭川での体験を終えたサマースクール、第2回目のテーマは「森で学ぶ」。
とは言え、お腹だって空くのだから、みんなで本格手打ちうどんを作る。
楽しさてんこ盛りのカリキュラム。
26日(土)午前9時、体験場所となった「友愛の丘」施設には1回目に引き続いて、
岡山市内中心部から11家族が集合した。この日の天候は若干の曇りだが、気温はしっかりと高くなっている。
参加者はオリエンテーションを受けた後、さっそくに「うどん打ち」の教室となる、
森のログハウスへ移動。
講師は地元でこの道、数十年の古本博史さん。
各家族に渡された小麦粉は500グラム、これは大体、大人5人前の量となる。
この打ったうどんが自分たちの今日の昼食となるので、おのずと真剣にならざるを得ない。
丸めて、足でしっかりと踏み、麺棒でのばす、一連の動作に親子は交代で当たる。
初めての包丁だって、子どもたち自らが太さをにらみながら使っていく。
上出来だー。「自分でうどんが打てるなんて、信じられない」買って食べるのが当たり前だった
うどん、今日からは自分で作れるんだという考えが加わった。
「うどん打ち」の後は戸外に出て森の探検。講師は元鬼城山ビジターセンター指導員、脇本浩さん。
まずは木の葉の匂いを嗅ぐ。「あっ、これハッカの匂い!」「そうだね、植物はそれぞれに匂いが違うよ」
次に手渡されたのはドングリの小枝。「これはこの森の地面にいくつも落ちているドングリの枝。
なぜ落ちてるか?それは、1匹のゾウムシがこのドングリの実に卵を産みつけて、そのままだと他のゾウムシが
産みに来るからそうならないように、産むとすぐに切り落とすからです」
そして周囲の森で葉のかたちの違う植物を採集し「マル」「三角」「ギザギザ」ごとにスクラップ。
「自然って知らなかったけど、いっぱい知恵があると知りました」(子ども)
待ちに待った昼食タイム。自分で打ったうどんを自分で茹でて頂くお味は?「うまい!」
午後からは森の木の実や植物を素材に作る「フォトフレーム」。朝のうちに撮った家族写真を収める。
慣れない手つきでノコを引く。タネを1粒1粒、輪にして花にする。お父さん、電動ドリルで見事に穴あけ。「すごい!パパ」
全家族が笑顔の写真立て完成。
本日最後のお楽しみ授業。「塩と氷で作るアイスクリーム」ジプロックに氷を入れ塩を加え、中に生乳と砂糖を入れた袋を入れ、
もみ込むこと10分。あーら不思議、出来ましたアイスクリーム。どうだい?
「お・い・し・い!」
こうして、長い夏休みの最後を飾る体験授業は大満足(満腹?)で終了した。
(取材・写真 三宅優)
夏休みも今日で終わり。「長かったなあー」「いや、あっという間だった」学生たちの思いもそれぞれ。でも大人たちにとっては
「とっても長くて、蒸し暑い」夏だった。
そんな猛暑の最中、旭川では幾度となく行き交うカヌーの姿。建部中学校カヌー部の朝練習を取材しました。
建中カヌー部の部員は目下7名。3年生が男子2人、女子1人、2年生が男子4人の構成だ。
この日は朝9時スタート、各一艇づつ、旭川を「なかよし橋」下から上流へ800mほどストロークし戻る。これを10往復。
伴走しながら指導に当たるのは地元を代表する選手、山根美千義さん。川岸で声を張り上げて生徒を叱咤激励するのは顧問の板野先生だ。
日は高く登り、川面には強烈な光が差している。それでも板野先生の「何やっとんじゃー、まっすぐ前を見て漕げー!」の厳しい声が飛ぶ。
「いや、これだけやったぐらいではとても全国レベルには及ばないのが現状なんです」先生の歯がゆさが伝わった。
午前11時、カヌーを背負い部員たちが上がって来た。相当、ハードだったことがわかる。それでも弱音を吐くでもなく艇の清掃に励む。
来年卒業となる3年生の岸田貴裕君、山谷拓磨君、斉木成実さんに聞きました。
「先月、国体出場をかけた中国ブロックの大会がありましたが、結果はどうでした?」
(山谷君)「岸田君とスプリントのフォアで出場しましたが2位でしたので国体は行けません。
でもあまり練習してなかったので、いい結果は得られたと思います」
(斉木さん)「私は高校生に混じってシングルで出て4位に終わりました」
「それぞれにカヌーをやりはじめたきっかけは何ですか」
(岸田君)「兄も姉もやっているので、僕もやっています」
(斉木さん)「私は従妹の江見さんがやっているのではじめました」
(山谷君)「僕も兄、姉が乗っているので(笑)」
「卒業してもカヌーを続けますか?」
(全員)「はい」
「では将来の夢は何ですか?」
(山谷君)「オリンピック選手になることです」
(斉木さん)「私は大会で優勝できるようになりたいです」
(岸田君)「僕は自衛官になるのが夢です」
質問も終えた後も部員たちには次なるメニューが待っていた。「補強」と呼ばれる筋肉トレーニングだ。
腕立て、腹筋、背筋、フリ、ランジ、けんすい、これらを順繰りにこなしていく。
タイムウォッチを手に指導に当たる山根選手の腕は、何万回とこのトレーニングをやってきた証しだ。
正午を過ぎ、みっちりと練習を済ませた部員たちが解散し、炎天の道を自転車で帰宅についた。
どの顔にもハードな時間を耐え抜いた自信がうかがえた。
(取材・写真 三宅優)