寝っころがって観る?建部の花火
暑い、暑い夏がやって来て、地元を離れた子どもや孫から電話。「今年も花火、やるん?」「いつが花火なん?」それを確かめていそいそと帰る準備。
「やっぱり、花火は建部じゃけん」
去年も数千人がこの花火大会にやって来た。まだ陽も明るい夕方6時頃にはぞろぞろと人が集まりはじめ、アトラクションの太鼓や踊りを楽しんでいた。
そうしていよいよ1発目の閃光が上がり「さあ、はじまったぞ」と全員がかたずをのんで上を見る。
”ドドーン!”。
花火の日が来るのを待ちのぞみ、その日の陽が暮れるのを待ちわびて、次にどんな花火か上がるのかをワクワクと待つ。
40年以上くり返されてきた、いつもながらの建部の花火。
今年はどんなシーンが待っているだろう。広々とした親水公園にゆったりと寝そべって花火を眺める?そんな光景はおそらくここ、たけべだけ・・・。
昭和44年、建部の花火が始まって以来、この催しに関わり見守り続けて来た「八幡モーテル」代表の景山和由さん(80歳)に当時の話をお聞きしました。
「そもそもどのような経緯で花火大会が開かれるようになったのですか」
「昭和42年に旧建部町と旧の福渡町が合併したんじゃけど、商工会は別々のままじゃった。それでいつまでもそういうんじゃあ
おえん言うんで青年部で何か一つになるようなことをやろうやあ言うことじゃった。当時わしの父親が花火が好きで、それをやらんか言うことになって
建部上に住んでた兄貴が向こうをまとめて、わしは福渡で話を進めて、昭和44年、前の、みずほ荘があった近くの田んぼの中で始めたのが最初じゃ。
その頃ラッキースタンプ会いうのが人気でそこから費用はもらえることになった。それと青年部で売店を出してそれを活動費にしようやあいうことになった。
3日間あって、1日目は演芸大会、唄を歌ったり手品をやったりした。2日目は盆踊り、炭坑節を皆で踊って、せえで3日目が花火じゃった。
そうじゃなあ3年か4年、そこでやったけど、花火のカスが田んぼに落ちて困るいうことがあって、それで川原でやろうやあいうことになった。
直径200m場所がありゃあできる言うんで、警察官に立ち合うてもらってわしと兄貴で川を測量して、やれるいうことになった」
「それから長い間花火大会の実行に当たられ、見守って来られたわけですが、最近の花火はいかがですか?」
「そりゃあ、昔は3尺玉以上の大きいのも上がったことがあったけど、事故があったりで今は2尺5寸止まりじゃろう。
かと言うて花火言うのは大きいだけがええんじゃねえからなあ。ツツッーと上がってパッときれいに、まん丸くはじけるのがええわけで。
それに同時打ちとか難しい打ち上げが成功するのを観るのもええんじゃ。花火も観ていくとだんだん深うなるんじゃ。
ただなあ、昔も今も変わらん、これは他所にはぜっていに負けんいうのが建部にはあるんじゃ。それが、”音”じゃ。
両方が山、盆地になって音が逃げない、これが迫力があるんじゃ」(写真記事は昭和44年の広報たけべ9月号より)
*上段「花火打ち上げ」の写真は昨年のフォトコンテスト優秀作。撮影者 齋藤 孝義さん
<取材協力> 景山和由さん 建部町観光協会 建部町公民館 ゼンセン
■開催日 8月13日(土)(雨天は14日に順延)
■会場 親水公園(メイン) 旭川河川敷福渡側(サブ)
*JR福渡駅⇔ライスセンター間 シャトルバス運行
■花火打ち上げ(2部構成) 午後8時〜午後9時
■オープニングイベント 午後6時〜
(問い合わせ先)建部町観光協会
岡山市北区建部町福渡465‐1
п@086-722-4052