Asagaya Parkside Gallerie
喫茶室
（百戦錬磨）
モロッコでこの皿を買ったとき、店主のおじさんに
店の前で一緒に撮った写真を送るように頼まれた。
でも送らなかった。こんなこと一度もない。
すでに幾枚もの日本の旅行者の写真を持っていて
「これ、友達。安心、高くない」と言って、客引きで
使っていたから。私の顔を見て、
「うん、こんな純朴な女性が薦めるなら大丈夫」と
信じる日本人がいないとも限らないし・・（いないか）。
第一、お薦めもしてないのだから。
実際、手にするまでに長い時間をかけて、やっと
半値近くで交渉成立。(と言ってもこっちでは短い位)
いやあ、くたびれたのなんのって。
皿の上に乗り丈夫さをパフォーマンスしてみたり、
首を切って大赤字だと悲しい顔をして見せたり、
付き合わされてるだけで疲れてしまった。
こんな百戦錬磨のおじさんの店に引き込まれた
日本のツアー客は３倍高い値段で買わされるに
決まってる。
でもこの皿、手描きの味が何とも言えなく良いんだよ。
使ってるうちどんどん愛着がわいてくる。
今では夕食の盛り付けに絶対欠かせない。
そう考えるとやっぱりちょっと値切りすぎたかなあ・・。
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