おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し





 12月  「ネコ(2)」


 せえがじゃ、建部の山の上からここ(町中)に移ることになってな。
 みんな外に働きに出とったし、家にネコの出入り口を付けるわけにいかんで、どうしようかとなったんじゃ。
 でもな、山の上にひーおばあさんが元気じゃって、あたしが、面倒見たげる言うてくれて、そんかわり、週に一度、顔を見に行くことになってな。
 お母さんは一人でバスに乗って毎週日曜には、山に通(かよう)っとたわ。ポケットに魚の骨やパンの耳やらを入れてな。

 ネコが死んだのはだいぶ後で、下の竹藪に、ひーばあさんと埋めて”ミーちゃんの墓”と書いた杓文字を立ててな、手を合わせとったわ。



ネコ



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