おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し





 春  5月  「(兜)かぶと」


 私の小さい頃、「こどもの日」はあったけど、とくに何かしたことはなかった。 男の子のいる家では鯉のぼりを揚げる家もあったけど、村で一軒か二軒かだった。
 一番下の弟は鯉のぼりがほしいとか、兜(かぶと)をかぶりたいと親を困らせてた。 父親が新聞紙を折ってカブトを作ったら、頭にかぶって飛びまわって喜んだ。
 それで父親が「よっしゃ、それじゃあ、鯉のぼりも作ってみよう」と言って、広告の紙で1メートルくらいの鯉のぼりを2つ作った。
 竹ざおにヒモでくくって軒先に吊るしたら、風でパタパタ音を立てて泳ぎはじめた。 弟はそれを見て「おお、本物の鯉のぼりができたー」とまた喜んだ。
 それからは5月になると、弟は鯉のぼりも兜も自分で作るようになったんだよ。

かぶと



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