おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し





 春  3月  「卒業式」


 今でも3月には卒業式があるだろう?
 6年生になった子をみんなで送る、いつかは自分もそうなるんかなって思いながら。
 でも自分の番が来てみると、仲のいい友だちと離れるのが寂しいし、先生とももう会えないような気がして、うれしいなんてことはなかった。
 午前中に式が終わって、着物を着た母親といっしょに家まで歩いて帰った。
 「あんたも、もう4月から中学生よ、早えーなあ」母親もうれしそうではなかった。
 これから中学に上がるまで、小学生でも中学生でもなくてどこに遊びに行けばいいのかなって思った。
 もらった紅白まんじゅうも、ちっともおいしくなかった。
 夕方、自転車で小学校まで行ってみた。一番仲良しの子が来てて、うれしくて砂場の鉄棒に二人でぶら下がって、 陽が暮れるまで「ずっと友達でいようね」って話したんだよ・・・。


卒業式



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