おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し



 春  4月  「登下校」


 「初めて学校に通うようになったときはありゃあ、幼稚園が最初じゃった。
 みんなが集まる場所が下の町中にあって、そこまで行くのが大変じゃった。
 と言うんがなあ、その途中に大きな犬を飼っとる家があって、その前を通るたんびに  飛びかかってくるんじゃ」

 「そうそう、私もなあ、恐ええおばあさんがおって、そん人がいっつも道に立っとるんじゃ。
 せえで、遅う歩く子を見るとなあ、どなるんじゃ、”早うせられえ!”言うて」
 「学校までは4キロはあったから、夏やこう途中でのどが渇いて、水を飲ませてもらう家を決めとったなあ」

 「そう言えば、川沿いをずっと歩いて帰っとったんじゃけど、川の向こうにいる子らとなあ、石を投げ合ったり、いっつもケンカして帰っとった。
 届かんのじゃけどなあ、なんであんなにケンカばあしょうたんかなあ、ようわからん」 


登下校






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