冬
12月
「日々のいとなみ」
中田や福渡といった町以外でも各集落にはいくつか店があってね、
砂糖や塩、紙など自給できないものはそこで買っていたんだよ。
ずっと奥まった集落には「あきんどさん(行商)」と言われてた人が、
背中に行李(こうり)を背負い、薬や化粧品、呉服、乾物を売りにきた。
買うときは「節季勘定(せっきかんじょう)」といって、
日頃お金を持つことのないお百姓にあわせて盆と暮れにまとめて
払う習わしだった。
そのため商いをするお店とかは「お通帳(かよいちょう)」というのに
書き付けておいて、あとで集金したんだよ。
支払いを済ませた家では、「これで安心して正月が迎えられる」と
ホッとしてねえ。大晦日に切ったソバを食べるのは「借金を切る」と
いう意味だと言われてるよ。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。
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