おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し



   9月  「鯖ずし」


  お祭りが近づくと魚の行商が回ってきて、
 塩サバを「今年は十本」とか「二十本」と言って、
 注文してたねえ。
  木桶に頭ごとの鯖ずしを並べ、何日かおくと
 味が馴染んでおいしくなってるんだよ。
  このお祭りには大勢お客が来るからねえ、
 食べてもらったり、お土産でことづけたり、
 どこの家のがおいしいとか言って。でも、
 うちのおばあさんの作ったのが一番だったよ。

  *鯖ずしの作り方
 塩ぬきした鯖を甘酢に半日つけ、骨を取り、すし飯をつめる。
 箱にすきまなく並べ、押しぶたをして一日おく。
 お祭りのとき鯖ずしではなく、ばらずしをつくる家、ツナシを使う家もあったよ。

鯖寿司  それとお祭りにつきものだったのは甘酒だね。大鍋にいっぱい作っておいて、毎日、腹がふくれるほど飲んだよ。

  *甘酒の作り方
 やわらかめにご飯を炊き、熱いうちに麹(こうじ)をまぜ、そのままねかす。トロトロになるといい。米と麹は同じ位の量が目安だよ。


 



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 *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
 平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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