雨の日、風の日、毎日、歩いて通ったよ。
一時間くらいかかる子がほとんどで、それでも
遅刻して来る子はいなかったねえ。
給食がまだなかったから、アルミの弁当箱を持ってねえ。
冬は朝着くとすぐに、薪ストーブの上に乗せておくんだよ。
そうしたら授業中、プーンといいにおいがしてねえ。
中身は麦ごはんと梅干し、そんなんが多かったけどねえ。
たまに竹輪やこんにゃくの煮たのが入ってると、
「うゎーごちそうだ」って。
弁当を持ってこれない子だっていたからねえ。
そんな子はお昼になると、すっといなくなり、
外のブランコで遊んでたりしてたねえ。
履き物はまだワラぞうりがふつうだったから、
帰ると明日のを自分で編むんだよ。
一日ですり切れるからねえ。
私は親がしてくれてたけど、皆、自分で
編んでたんじゃないかねえ。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。