おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し



 6月  「おやつ」


 そうだねえ、あの頃はいつもお腹がすいてて、
 食べれる物なら何でも口にしたねえ。
  兄弟が五人六人当たり前で、おやつをもらっても
 分けあうのも大変だったからねえ。
  クワの実、シャジンゴ(イタドリ)、そこらに生えてる
 ものを見つけてはクチャクチャ。
  クワの実や山なすびは口の中が紫色になってね。
  おばあさんからもらうおやつは、蒸かしイモ、ナンバ、
 ゆでた空豆。ハッタイ粉はあわてて食べると、むせって
 鼻から吹き出すんだよ。
  干し柿、氷餅、どちらも好きだった。
  ときどき、リヤカーに大きな鉄缶を乗せて
 「パンパン菓子」がやってきてね。少しのお米と砂糖を
 持って行くといっぱいになってもどってきた。
  「パンッ」と音がしたらできあがってるんだよ。

おやつ




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 *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
 平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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