おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し



 夏  8月     「花火大会」


 旭川の花火大会は今でも盛大に行われてるけど、
 以前のそれはもう、岡山、津山に限らず、
 ずっと遠くからも人が来て、福渡駅などは
 あふれんばかりだった。
 そのための臨時の汽車が何便も出てね。
  川の土手はこれまたどこまでつながって
 いるんだろうというぐらいの人でね。
 ドドッと音がするたびに「うわー!」って
 声が上がるんだけど小さな子は、人の頭で
 よく見えないから弟と妹とかわりばんこに
 お父さんに肩車をしてもらって、やっと見たよ。
  夜店もズラーと出てねえ、私らはもうそっちを
 見たくて見たくて。
  かき氷、ぎょうせん、ラムネ、お面、ビー玉、
 風船、輪投げ、金魚すくい・・・。
  夜遅くまで歩きまわって、帰るころには弟らは
 寝てしまって、私も歩いて家に着くまでが
 長かったねえ。

花火大会





 前月のお話しを聞く

 これまでのお話し目次へ

  *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
   平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


トップページへ戻る