旭川の花火大会は今でも盛大に行われてるけど、
以前のそれはもう、岡山、津山に限らず、
ずっと遠くからも人が来て、福渡駅などは
あふれんばかりだった。
そのための臨時の汽車が何便も出てね。
川の土手はこれまたどこまでつながって
いるんだろうというぐらいの人でね。
ドドッと音がするたびに「うわー!」って
声が上がるんだけど小さな子は、人の頭で
よく見えないから弟と妹とかわりばんこに
お父さんに肩車をしてもらって、やっと見たよ。
夜店もズラーと出てねえ、私らはもうそっちを
見たくて見たくて。
かき氷、ぎょうせん、ラムネ、お面、ビー玉、
風船、輪投げ、金魚すくい・・・。
夜遅くまで歩きまわって、帰るころには弟らは
寝てしまって、私も歩いて家に着くまでが
長かったねえ。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。