夏は旭川に泳ぎに行ったねえ。
今も福渡の川沿いにある大きなイチョウの木
(公孫樹=こうそんじゅ)の根元が着替え場で、
そこからみんなで向こうのお題目岩まで泳ぐんだよ。
男の子らは水中メガネをつけて潜ってヤスで魚を
突いたりしてね。
普段も川でよーく遊んだ。平たい丸い石を飛ばして
いくつ水を跳ねるか競争したり、岸を駆けまわって
鬼ごっこをしたりね。
川舟に乗って鉄橋の真下に行って汽車が上を
通るとき「あああー!」と友だちと大声を上げた
こともあった。
時々、筏(いかだ)が川に下ってくると、
舟頭さんが「ころぶなよ〜はまるなよ〜」って、
大きな声で歌うように言っては通って行ったねえ。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。