おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し


 春  3月   「二つのお国」


  お侍さんがいた江戸時代のことだよ。
 建部は旭川を挟んで東と西にお国がわかれていたんだ。
 西は岡山、備前(びぜん)の国、東は津山、美作(みまさか)の国。
 二つの国はそれぞれ違う文化や生活習慣を持って、
 長く暮して来たんだよ。
  二つのお城のある所からここまでは、ほぼ三十キロでね、
 ちょうど真ん中。
  朝、出発して歩いてくるとここで夜。舟で下ると
 お昼頃になる。水が少ないとやはりここで泊まることになった。
  「行こか岡山 戻ろか津山 ここが思案(しあん)の
 の深か渡し(ふかわたし=福渡)」って唄われたんだ。

  それとね、ダムのある鶴田地区も鶴田藩という
 一つのお国だったんだよ。今でもお城のあった
 「城山(しろやま)」という山が残っているよ。


春の味





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  *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
   平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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