稲刈り、お祭り、大きな行事や仕事が終わっても、
家では次々、休む間もなくやることがあってね。
特にこれから冬に向けての支度をしておくのが
大切なことだったんだよ。
味噌仕込みに欠かせない、大豆の収穫と選別。
野菜がなくなることを考え、漬物にしたり切り干しに
したり。大根の漬物はどこの家でも必ずしていて、
タクワンにして樽で漬けてたよ。大根葉だって塩漬けに
して、酸っぱくなるまで食べてたからねえ。
マキ集めは女と子どもの大事な役目で、よく
「山へ行って拾って来ねえ」と言われてたよ。
家によっては炭にしておくことも多かったね。
たいていの人はわら仕事ができて、おじいさんなんか
1日に何枚もムシロを打ったり、草鞋を編んだり。
みんな、じっとしてることはなかったねえ。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。