おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し


 秋  10月   「建部まつり」


    たけべの1年で最もにぎやかなのは、この時だねえ。
   笛や鐘が聞こえてくると、「ああ、お祭りが近い」と
   ワクワクしたもんだよ。

    特に今でも続いている七社八幡のおみこしがくり出す
   「建部まつり」は、昔はたくさんの大人がぶつかりあって、
   すごい勢いで坂をかけあがって、そりゃあ大変な
   もんだった。
    子どもたちは危ないのでそばに寄れないくらいだよ。
   終いの頃になると、いっせいに「オー!」と言う声が
   上がって、おみこしが高くかかげられてねえ。
    どこよりも高く上げようと、つま先で立ったり、
   指の先で支えるまでして、競ったんだよ。

    獅子舞と棒つかいが出ると、こわくてねえ。
    棒を打ちあう音がコーン、コーンとひびいて、本当に
   戦っているようだったねえ。


建部まつり




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  *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
   平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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