七夕が済むとすぐに盆だね。今もこのとき
親せきが、お墓のある本家に集まるだろう。
八月十三日がご先祖様がお墓から帰って
来られる日なんだ。これを温かく大事に
お迎えしようと、どんなに忙しい家でも
ていねいに準備をしておいたんだよ。
ご先祖様が道に迷わないように迎え火を
焚いたり、燈ろうで明るくしたんだ。
亡くなったばかりの仏さまのいる家では
お墓から家まで百八燈の火をともし、
はじめての道を照らしてあげるんだよ。
家に迎えたら、ごちそうをお出しして、
みんなで過ごし、お送りする日は麦わらの
舟に団子やお菓子、くだもの、お花を乗せて
川に流してお送りしたんだ。子どもらは
泳いで、その団子やスイカをもらって
食べたんだよ。そうすると、夏負けしない
よって言われてたからね。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。