七夕は子どもらが楽しみにしてたお祭りだよ。
歳が上の男の子が山で竹を切ってきて、家の前に
くくりつけてくれてね。
朝の間にすくっておいた里芋と稲の葉の露で
墨を摺って、それで短冊に願いごとを書いたんだよ。
半紙でこよりを作って短冊に結んで、笹に飾って。
それと、キュウリとナスで馬と牛の形を作って、
七夕団子をこしらえて縁側にお供えをしたね。
そうするとね、晩になって子どもがこっそり、
その団子を盗みに来るんだ。縁の下にもぐりこんで、
そっと手を伸ばしてねえ。家の人も見ないふりして
笑ってるんだよ。
だれにも見つからずに団子を食べると元気で
いられると言われたんだ。この日だけは盗みを
しても怒られなかぅたんだよ。
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*このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。