おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し


 夏  6月  「代満(しろみて)」


    お百姓の家に嫁いできたお嫁さんは、入梅のこの日が
   待ち遠しかったろうねえ。
    大変だった田植えが終わると、村のお偉いさんから
   休みのお触れが回るんだ。全部の家でその日は仕事を
   しないんだよ。来て間もないお嫁さんは「足洗い」と
   言って、数日、実家に帰ることができる。
   「そりゃあ、あん時はたのしみじゃった」遠くから嫁いだ
   おばあさんは未だにそう言ってるよ。
    朝早く、おみやげのぼたもちと買った番傘を持って、
   長い道を歩いて実家へ帰ってった。バスも電車も
   なかったからねえ。

    この日は各家ではお寿司や赤飯、ぼたもち、ミョウガ餅など
   ごちそうを作ってくつろいだんだよ。そうそう「しろみてダコ」
   と言って、よくタコをゆでて食べてたねえ。

代満(しろみて)




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  *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
   平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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