小学校も高学年になると勉強が大変になって来る。
塾に行く子なんかも出てきて。
いつだったか、友達といっしょに勉強しようってなって、
学校から帰って、その子の家に行ってドリルを始めた。
二人で「もう、後、何ページやろうな」って夢中になって、気がついたら外は真っ暗だった。
家の人の声で「もう遅いから、夕ご飯食べてもらう?」
と言ってるのが聞こえて、慌てて「帰る!」って靴を引っかけて出た。
友達が追いかけてきて、「〇〇ちゃん、ゴメンな、これ食べながら帰って」
渡されたのは、新聞紙に包まれたホッカホカのサツマイモのてんぷらじゃった。
暗い道を歩きながら、てんぷらを口に頬張った日のことは、今も忘られんなあ。