おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し



 秋  11月  「学芸会(がくげいかい)」


 2学期は運動会があって、その後は学芸会があった。
 毎年11月の末頃になったら開かれて、講堂の上で学年ごとに劇をするんじゃ。
 朝から午後までかかって、父兄らはお弁当を持って観に来て大変じゃった。 始まる前には誰が何という劇で、どの役で出るとか話してな。
 練習は放課後に毎日あって、主役の子らが残ってやるけど、私らちょい役は練習も何もなかった。
 今でも覚えとるのは「ぽんぽこタヌキ」の劇でタヌキになったこと。お寺の和尚さんやきれいなお姫様も出るんじゃけど。
 先生からシッポの取れたぬいぐるみを渡されて、タヌキの人は家で直してもらって来なさいって。
 お母さんがシッポを糸で縫いながら「あんたはタヌキかな、もっとええ役がもらえなかったん?」とガッカリしてた顔が忘られんなあ。   


ぽんぽこタヌキ






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