おばあちゃん聞かせて 「たけべのお話し」
ねえねえ、おばあちゃん聞かせて、子どもの頃のたけべのお話し


 1月  「とんど 1月15日」

とんど

  15日は、とんど。
 これで正月も終わりだなあって。
 朝早くに近くのT字路のそばの空き地で、
 組の人らでたき火をするんだよ。
 自分の家のお飾りやお供えの鏡餅を持ち寄って、
 書きぞめなんかも燃やしたねえ。
  誰かの書きぞめが火にあおられて空高く
とんど  舞うと、誰ちゃんは字がじょうずになるよって、
 みんなで言ってくれてねえ。

  焼けた餅を食べると夏負けせんよ、
 この灰を眉につけると風邪をひかんよ、
 焼いた竹は家の屋根に刺せば雷が落ちんよ、
 年寄りの人がよくそう言って教えてくれたねえ。
 このあと学校に行くと、たいがいの子は顔に
 黒い炭がついてたよ。



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  *このお話は地元のおばあちゃん達からお聞きした内容を基に
   平成25年に発行された「たけべのお話」(タネピリカ編集)より抜粋しています。


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