■「新たけべの彩時季」
事の発端は今年2月、JR観光列車「SAKU美SAKU楽」歓迎の打合せを「たけべ福渡しプロジェクト」とJR担当者とでした折り、期間について「8月までで9月はできないのでは」と担当者から話が出たのが始まり。
プロジェクトの藤原(福渡学区連合町内会長)が訊ねると「9月から改修工事が始まると聞いている」とのこと。
駅改修工事計画は2年前から話が上がり、そのシンプル化計画(こ線橋を残し駅舎建物すべてを取り壊す)について支所とも話合いを重ね、藤原と我々(記者含め福渡町内会役員)で去年3月JR支社に直接赴き、こちらの要望(十分な収容を持つ駅舎、2番線ホームの待合所の維持等)を伝えてきた、それが返答をもらうことなく工事スケジュールだけが進んでいると聞かされた。
JRのシンプル化がやむなしとしても、我々としては2番線岡山行きホームの待合所だけは残してほしい。乗客は圧倒的に岡山に行く人で、特に年寄りは陸橋をやっとこさ渡り、
早めにベンチに腰掛けて待つ、ましてや雨の時など傘をさして立っているしかない。
藤原の呼びかけで急遽、会議が持たれた。
「どうにもならんにしても、言うことは言わんといけまあが」(藤原)
支所とも連携し署名活動をすることが決まった。
4月14日、朝6時半、福渡駅にて駅頭署名を実施、慌ただしい中、それもわずかの時間でおよそ70名ばかりが署名に応じてくれた。
「まあ、そんなことになったら不便だわ」「屋根がないと傘を開くのにも濡れてしまう」「年寄りはイスがないと困るよね」
皆、口々に2番線待合所の必要を述べた。
署名は福渡学区(福渡、川口、下神目、久具、鶴田)で行われ、各自治会、多くの研修生が駅に降り立つ「友愛の丘ゼンセン」にも呼びかけ、活動が広がった。その数、1266名。
5月22日(木)、要望書と署名簿を持ち、藤原、三宅(記者)、支所長他、計6名でJR岡山支社へ行き、提出。
当日は先の福渡駅で開催された「福ふく市」に来てこのことを知った山陽新聞社が取材に入った。
話し合いの中では、こちら側から「待合所の重要性」や
「こ線橋を渡る大変さ」「岡山行きを1番線に変更できないか」「シンプル化で町の顔がなくなる」ことを力説した。
JR側からはこれからの生産性人口の減少を考えた上でシンプル化せざるを得ないこと、こ線橋撤去やホーム変更には莫大な費用が掛かることの説明がなされたが、
併せて2番線待合所に代わる手立てがないか検討するとの回答があり期待を感じた。
この度の「署名活動」を振り返り、藤原会長が話したのは「この活動で成果が得られなかったとしても、この地域がここまで一体となって動いたことに意味がある」
まさにそうかも知れない。
(レポート・写真 三宅 優)