■「新たけべの彩時季」
8月、夏休みも残りわずか。宿題は終わったかい?「いえ、まだ何にも・・・」
そんな心配抱えて迎えた18日、日曜日、ここ岡山市環境学習センター「めだかの学校」主催、第2回サマースクールが建部「友愛の丘」キャンプ場で開かれた。
いつから始めただろう、古老スタッフの古本さんに聞く。
「もう15年、うんにゃ、もっと前からじゃったろう・・・」記憶が薄れるほど前から。
記者がここに移り住んで15年、その間、手伝いをしていたから多分そうだろう。
午前9時半、「今日も暑くなるぞー」と観念して開会式に臨む。今回の参加者は市内からの10家族30名、実行委員長、松田さんのあいさつ。
「今日は自然の森の中での探索やうどん打ちなど色々な体験を用意しています、親子で楽しい思い出を持ち帰ってください」
まず午前の部は森の探索「ネーチャーワーク」と家族で作る「うどん打ち」の2班に分かれての活動。
「ネーチャーワーク」の講師は「フンコロガシ」こと山崎ヒカル先生。「うどん打ち」はこの道、うん十年の古本師匠と一番弟子の佐藤さん。
ネーチャーチームはさっそくゾロゾロと森の探索へ。
山中は谷筋からの冷えた風で意外や涼しい。
以下、フンコロガシ先生と子どもたちとの問答紹介。
「この木、なんだかわかる?」(子ども)「イチョウ!」
「そうだね、じゃあ、これどんな実がなる?」「ギンナン!」
「じゃあ、この木は?」「サルスベリ!」
「そうだね、幹がスベスベして猿も滑りそうだから名前が付いたんだけど、紅い花は長く咲くので”百日紅”って漢字で書くんだよ」
さすがに進んで参加しただけあって、子どもたちは「ものしり博士」が多い。
そのうちセミがやって来た。
「あっセミ、捕まえてみたいー」
(子ども)「トンボも見つけたよ!」
(先生)「これは、ミヤマアカネ、こうやって羽を指で挟んで持ってやるんだ」
「先生、ここにカナブンがいる!」次々、見つけるのは大人より子ども。
例年だと「ミーミーミー」「ジージージージー」山はうるさいほどのセミの合唱が聞こえるのだが、今年は「ミーー」と薄く鳴くだけ。蜂も少ない、ヘビも見ない、暑すぎるせいだろうか。
森の探索隊は辺りを一周、その間、いくつもの植物について学び、ほどほど汗もかき、帰還。
一方、「うどん打ち」体験チームでは古本師匠の指導の下、粉まみれでの挑戦が繰り広げられていた。
(古本)「今日のうどんの粉はオーストラリアから届いた小麦です、日本政府がオーストラリアにうどん用に特別に栽培してもらっています」
粉に対して54%の水を混ぜる、水には師匠秘伝の隠し味が・・・。
「指を立てて素早く混ぜるんだよ!」
煉(ね)れた後は「踏み込み」。
両足に体重をかけて、しっかりとグルテンをもみだすように踏んで、踏んで・・・重しが足りないので下の子をおんぶ(笑)
そうして次は、麺棒で「伸ばし」
「グイグイ、グイグイ」「ゴロ、ゴロ・・・」
(師匠)「早くしないと、伸びなくなるよー」
「もう疲れたー、お母さん代わってー」
伸ばした生地を四角い包丁で切る。細く均等に・・・でも、太いの細いの色々ありも、またご愛敬。
12時を過ぎ、本部棟ではスタッフが大釜2台に湯を沸かし、参加者の到着を今や遅しと待ち受ける。
テーブルにも各家族用の湯が沸き立っている、自分たちで打ったうどんを家族で食べる、うまいも、まずいも、自己責任(笑)
「あ~、おなかすいた!」子どもたちの到着と同時にうどんを鍋に入れる、湯で時間は約15分。
食し方は「ぶっかけ」、生卵、青ネギにキミセ醤油、名物、即席キャベツ漬けは箸休めに(これが大人気)
湯だった所から随時、食べ始め。
「どうだい?」(子ども)「サイコー、うう、うまいー」
「お代わりいる人、あるよー」「ぼく、おかわり―ください」
腹も満腹となり休憩後は午後の部「工作の時間」
朝、一番で撮った家族の写真を入れるお手製フォトフレーム作り。
絵柄は自由だよ。
夢中で取り組むのはお父さん、お母さん(笑)、いえいえ、子どももインスピレーションを働かせての手作りフレーム。
出来上がりはどれ一つとっても個性あふれる仕上がりに、中に納まる「家族の笑顔」
フォトフレーム作りを終え、最後にスペシャル体験「アイスクリーム作り」が待っていた。
砂糖、牛乳、生クリームを混ぜジプロックへ、それを塩の入った氷の中に入れて「せっせ、せっせ」と揺すること10分、「完成!手作りアイスクリームだ」
これまたお味は?「う、う、、冷たい!」「甘い!」「うう、うま~い!最高!」
午後3時過ぎ、閉会式。誰か感想を言える人?
「ハーイ、自分で作ったうどんがおいしかったです!」
「アイスクリームがおいしかった、でも、もっと甘い方がよかったです」(笑)
最後に実行副委員長の森本さんの閉会の言葉。
「みなさん、今日はこの自然豊かな環境の中で思い切り活動ができましたか?この日のことは大人になっても良い経験として残ることと思います、また建部に遊びに来てくださいね」
陽はまだ強く、遊び足りない子どもらが木々の中を追いかけっこ、セミが別れを惜しんでか、急に声高に鳴き始める。
無事、スクールが終わりスタッフもホッと一安心、記者もイスに座り「ボッー」とセミの抜けがらになる。
(レポート・写真 三宅 優 )
まさに異常を超えて、地球の「新熱亜紀」突入とも言えるこの暑さ、一方、北にに行くと1時間100mmの雨。南海トラフ地震注意警報も出てこの夏の行方は、まったくもって予測不可能。そんな最中(8月11日)での建部町納涼花火大会の実施。
「えっ、ほんまにやるの?」電話での問い合わせ。
「やりますよー、まちがいなく、お金も集めたし」
当日、夕方5時、会場となる建部町文化センター前、旭川河川敷、通称「親水公園」に出動。午前中には町の道路中に「進入禁止」「駐車禁止」な看板を立てまくった(笑)
すでに本部テントでは役員らが集まり最終準備に余念がない、われら予備役は持ち帰り用ゴミ袋の配布が任じられている。
去年は見事なばかりのクリーン作戦で「飛ぶ鳥まったく跡を濁さず」今年はどうだろう。
去年よりも控えめな屋台陣、しかし目にキツイほどの赤・黄・黒のテントの看板文字、「オムソバ」「フランクフルト」「レモネード」「豚焼き」「チョコバナナ」
食欲よりも「どんな物か見てみたいムード」満点。
配布ゴミ袋も底をつき始めたころ、わが町、建部の輩出芸人、リンクアップとっしーのマイクアナウンスで、いよいよオープニング。
垣本実行委員長の開会宣言「今年は50年と言うこともあり、大きな催しをと考えまして、幸いにも去年に引き続き、地元企業、朝日(株)さんより多大な寄付を頂き、
今日はそれが観えるかと思います、最後まで楽しみにしてください」
どうやら3部構成での打ち上げ、相当、力が入っとると見た。
アトラクションは「建部はっぽね太鼓」すでに何十にも人の輪。乗りに乗った後はさらにノリノリ「ヒップホップダンス」、こんな若い人が町のどこに隠れておったんじゃと、
首をかしげる本部席のお年寄り(笑)
合間を縫って、なんと、わざわざ岡山市本庁から大森市長が来てのスピーチ、50回も続く花火大会に賭ける建部の人の強い熱意と団結を感じると称賛頂く。
そんな建部の50年の歴史をくぐり抜けて登場したのは建部公民館・盆踊りチームのお姐さんたち、お揃いの白い浴衣が目にまばゆい。
曲目は「建部よいとこ」、一度は消えたと言われ見事に復活を遂げた旧建部町時代の名曲?だ。
「ちゃんチャチャ、チャチャちゃん、チャチャチャチャちゃん・・・」老いも、そう若くない人も、みんなで踊る”建部音頭”
午後8時、最初の1発が上がる、「ド~ン!」それから次々に、息をする暇もなく、「ババババーバーン!バリバリーバリーン!」「ズドーーン!」
両方を山に挟まれた会場、音が、とにかく音が凄い、思わず手にしたビール缶を落としそうになるほど。
確か2回の休憩を挟んでの打ち上げだったのだが、誰もそんな記憶があまりない、「すごいね!」「ワ~、スゴイ」「もう、めちゃ、スゴイ!」
「スゴイ!」「すごい!」の連続で一気にフィナーレへと突っ走った。
翌朝、7時、会場の親水公園、関係者、中学生ボランティアによるゴミ拾い。去年ほどではないにしても(今年はタバコの吸い殻が目立った)、芝生は、ほぼグリーンを保ち合格点。
終わってみると、暑かった準備作業も過ぎた夏の1ページ、また来年もきっとやるのだろうなあと、一人、思う。
(レポート 三宅優 写真・勝部公平 松下泰成)