■「新たけべの彩時季」
当新聞の「特集記事」にも掲載している建部中学1年生による「避難所開設体験学習」が今年も開かれた。
この学習の際立った点は地域の住民が”避難者”として参加すること、それも様々な役柄に扮して。
例えば、日本語のわからない外国人、身体が不自由な人、子供が行方不明の人、ホームレスの人などなど。
13時30分、中学校の武道館に集まった地域の方たちは20数人ほど。校長先生より説明を受けた後、役柄を示す「役割カード」
を配られる。
一応に「ムムムー・・・」と役の難しさに戸惑い気味。
13時50分、避難者全員が2階体育館に設けられた避難所へ移動。
入り口でまず検温。
続いて、受付テーブルで名簿に記入。
すると「私は3人で来たことになってるけど、どの名前書く?」
「私は4歳の子だから字が書けないと思う」
避難者からの質問。避難所で名簿にいかに詳しく書いてもらうかは重要なポイント。
生徒たちは避難者が抱える様々な状況の受け止めに、まずつまずく。
「これ、どこに書いたらいいの?」
「なんて書けばいいのかなあ?」
受付を終えた人が首にかけた「役割カード」をもとに、生徒たちにより避難場所へ案内される。ある人はベッドのあるテントへ、別の人はマットが敷かれただけの場所へ。
マットは健常者で、テントは要配慮者との振り分け。
避難者の数だけ要望がある・・・?
「私は看護師なので、何かやれることがあったら言ってください」
「ワシは家も無く身寄りも無いホームレスで、食事がもらえると聞いて来たので、マットの上でも大丈夫です(笑)」
「私はネコと一緒にいたいんじゃが、そうしてもらえんか」
「僕は自閉症の子どもを連れた母親の役で、実際の自分もツエがないと歩けんで、どうにかしてくれ(笑)」
「私は車イスだからテントに入ると同居者に迷惑がかかるけど・・・いい?」
役に徹した避難者のさまざまな問いかけに、生徒たちは「う~ん」と腕組。
受付から避難場所への誘導まで、わずかな想定の中にいくつもの課題が生まれ、生徒たちは、その”混乱”の洗礼を受たようだ。
30分後、終了、全員での振り返り。
参加してくれた地域の人たち一人一人が感想を述べる。
「受付が混雑したので、テーブルを増やす必要を感じた」
「子どもが行方不明となっていたので、親身に対応してもらいたかった」
「喘息だったが対応もしてもらい、窓を開けましょうかと言われ、気遣いがあった」
「年寄りが多いので、大きい声で話してほしい」
「受付で書く名簿の文字が小さくて読みづらい」
「困ったことはないですかと声かけしてくれ、スリッパを勧められたのも良かった」
「一人暮らし、高齢者で認知症、検温時、盛んに咳をしましたが気づいてもらえませんでした(笑)」
「テントに案内してもらったが、テントの敷居の段差がけっぱ躓いた、でも声掛けはうれしかった」
「薬が無いと話したら、”えっ、どうしよう?”と答えたのは避難者が不安になると思う」
「子どもを別に見守る人もいた方がいい、ところでリハーサルは何回ですか?」
(1回です)
「それは、よくできました(笑)」
最後に指導企画された講師の方からのまとめとして。
「私も学区での避難所運営など多く携わってきました。その上で言えるのは避難所はホテルではなく、そこでは避難者と皆が協力し合うことが大切だと言うことです。今日の学習でそのことが学べたのではないかと思います」
<記者感想>
昨年より時間が短縮されたようだった。でも課題はしっかり噴出したのではないだろうか。参加した地域の人の感想にも厳しい注文が見られた。
恐らく実際の避難所ではこれの何十倍もの問題が起こるだろう。そのことへの想像体験を得られたことが、この学習の大きな成果だったと思う。
(レポート 写真・三宅 優)
建部町、福渡の河川敷に停められた車は「建部物産販売所」下から鉄橋まで延びている。
今日はカヌー全国大会開催の日、選手と家族、関係者、そして応援者が幸せ橋を中心に
競技の始まりを待っている。
鉄橋には津山線の赤い電車が通り過ぎる。何度も観た光景が、今日は特別、輝いて見える。
開会式、選手宣誓の後、デモンストレーション。選手たちが陸に並びコースの状況をしっかりと確かめる。
10時、フォアランに続き「たけべcupスラローム」。
空からは真夏を思わせる陽の光、2日間にかけての戦いが幕を落とした。
(レポート 写真・三宅 優)
建部小学校1〜2年生でサツマイモの苗「紅はるか」を4月30日に50本植えました。
秋の収穫とおイモのパーティを楽しみにしながら水やりや雑草とりをこれからやるそうです。
(レポート 写真・勝部 公平)