■「新たけべの彩時季」
まさに雲一つない秋晴れの10月18日、午前9時、建部小学校6年生、17名が「建部学習」の授業で「たけべ古道」のウオークチャレンジをしました。
今年、雑木の伐採や案内看板を新しくして再整備された法寿山遊歩道、地元では 「たけべ古道」と言われています。
まずは古道入口、妙浄寺脇に立つ案内看板に書かれた「たけべ古道」の由来について地元の江田さんから説明を受けた後、早速に標高211メートルの法寿山頂上へと向かいました。
道々のガイドは古道の整備に長く携わってきた本田、江田、須見、そして記者(勝部)が受持ちました。
落葉がカサカサと音を立てる中、各ガイドは子どもの頃の山での遊びや植物の特性など得意分野の話をしながら登山、生徒たちはしきりにメモを取っていました。
古道沿いに点在する建部古墳群では実際に中に入って様子を観察、その大きさに驚いていました。
頂上では3角地点を確認、全員で登頂達成の喜びを分かち合いました。
下山途中にある「阿弥陀様」の前では、きれいに伐採され見晴らしの良くなったビューポイントに立ち、前方の旭川、福渡の町のパノラマ光景をカメラ担当さんが写真に収めていました。
最終地は先日、1000人もの人で賑わった七社八幡宮、「建部歩こう会」会長の本田さんが今日、歩いてきた法寿山や阿弥陀様の由来や役割などを説明されました。
往復2時間の山歩きでしたが、自分たちの住んでいる場所に歴史ある遺跡があることの素晴らしさを生徒たちに十分伝えられたのではと思います。
建部学習第一回も無事終え、ホット安堵のガイド四人組、今夜は「おおいびき」で休めることでしょう(笑)。お疲れさまでした。
(レポート・写真 勝部 公平)
先日の建部祭りの大隆盛、そして旭川に在る一ノ口井堰の世界かんがい施設遺産への登録申請の動き、コロナ禍で熟成期間を経て、活気を取り戻し始めた建部。
そして10月14日(土)から岡山市環境学習センター「めだかの学校」で新しく4K動画映像機の設置とWEBを使った水槽解説ツールの導入という
これまでにない試みが始まった。
この日、そのオープニングセレモニーが開かれ、入館無料ということもあって、朝から市内から大勢の子ども連れ家族が来館。
午前10時からの開会式では岡山市・三宅教育長が「岡山市の教育方針である”やる気につながる好奇心の醸成”を目的に今回、新しい体験ツールを導入しました」と説明。
来賓の森田副議長からも祝福が添えられた。
武藤館長からは「めだかの学校」の歩みや館内施設の紹介がなされた。
各体験ポイントでは地元建部の小学生、中学生、岡山の大学生や関係スタッフが大勢参加し、プログラムの進行に当たった。
参加者はさっそく、人気の体験コーナーやクイズラリーにトライした。
中でも外を流れる「春の小川」で、釣り糸につけたスルメでおびき寄せるザリガニ取りは、時間待ちになるほど超人気。。
多い子は5匹、6匹とバケツに捕獲し、どうやらザリガニたちの受難の一日となったようだ(笑)
おもちゃの宿では、ボランティアによる「おさかなストーンペインティング」や「おさかな折り紙」、建部町図書館による分館「おさかな絵本」コーナーも用意された。
ストーンペインティングでは自分だけの魚を作ろうと、熱心にマーカーで描く姿があちこちで観られた。
水族館では「おさかな博士」による天然記念物「アユモドキ」の解説や、淡水魚の個性ある特徴についてのお話がなされた。このお話の中には「クイズラリー」の答えも 入っていて、用紙を手にした挑戦者は神妙に耳を傾けていた。
催しは午後2時には閉幕したが、帰路に着く親子の表情からは、いい一日だったことが伺えた。
旧建部町の頃、メダカの養殖販売からスタートした施設が岡山市に変わり、環境について学ぶ拠点となった。それは、昨今の地球温暖化を見るにつけても意義のある転換だった。
建部町には大河が流れ、緑豊かな自然がある、この特性を活かし、これからも発信をしようではないか。
最後に、今回の催しにご尽力頂いた関係者の皆さん、ボランティアの方に建部町民からお礼申します。
(レポート・写真 三宅 優)
建部祭り演舞の模様 (ユーチューブ動画 84秒・江田侑生 撮影 )
(たけべ福渡しプロジェクト 江田 陽子さん寄稿)
「町がざわついてる」
祭り前日の村回りの日に町外から来られた方が言われました。
「そうなんです。明日はここら辺のお祭りなんです」
4年振りのお祭りということで、町内のあちこちから神楽のお囃子が聞こえてきています。
やっと暗くなる頃に、一区切りつけて、明日は8時に集合ー!といわれ解散となりました。
翌朝、8時過ぎにはまた近所から鐘や笛、太鼓の音が響き、いよいよという雰囲気に。今年は昔のように馬場に参集し、神社に見物客も大勢いらっしゃいました。
無事、奉納ができると神様も喜ばれたのか、恵みの雨。天気もどうかなという予報でしたが、どうにか終わりまで持ちました。
「これが祭りよ!」だれの声か聞こえてきました。
本当にたくさんの方が準備から携わり伝統をつないでいく、毎晩のように練習を子どもも大人も一生懸命頑張りました。
お疲れ様でした、また来年。
(勝部 公平レポート)
建部の里山に笛や鐘の音色が聞こえて来ると人びとは、夏の猛暑を乗り越えて、実りの秋を実感するのです。
「備前建部郷秋季例大祭・建部祭り」は、こんな季節に各地域に鎮座する神々が一同に会して地域の安寧と豊作を祝う寄宮祭りなのです。
4年ぶりに開催された祭り!今年は建部駐車場ではなく、鳥居をくぐった馬場に参集、随神門をから参道をくぐり抜ける古式ゆかしく宮入りをしました。
境内の斜面を一気に駆け登り、各宮の神輿が鎮座するさまは7本の幟旗が風になびき「やっと、来たなー」との神々の声が聞こえてくるようです。
馬場では、獅子舞や棒使いの演技で祝いは盛りあがり、参加した皆から盛大な拍手。祭りのクライマックスは、神輿が仮屋から下りて一同に会して境内を練りまわり、最後、「高々」と呼ばれる神輿の競い合いです。
天に向かって白張衆の一致団結、渾身の力で神輿をあげる様は「今年も豊作になったぞー」との雄叫びに、天と神々の交信に聞こえてきます。
「高々」が終了すると「また来年も会いましょう!」と階段を整然と帰途に着きました。
八社協議会会長の井口さんも「今年は4年ぶりなのと、昔に戻した馬場集合の効果もあり、観客も例年の倍以上1000人は超えているのでは」と嬉しい感想。
関係者の皆さんお疲れさまでした、また来年も建部祭りを盛り上げてください!
(レポート・写真 江田侑生 勝部公平 江田陽子 井手誠二)