■「新たけべの彩時季」
JR福渡駅に、どこからともなくやって来た正義の軍団、その名も「建部おもてなし隊」(笑)
この春から運行を始めたJR「SAKU美SAKU楽」列車の乗客を福渡駅で歓迎しようというボランティアグループだ。
顔ぶれは「建部を何とか盛り上げよう」と言うAさん、Eさん、Kさん、Sさん、Mさん「町のことなら手助けするぞ」と言うHさん、Nさん、Tさん。
他にも「頼まれたからにゃあ断れん」Fさん夫妻、「せっかくだから私らも楽しみましょう」Eさん夫妻、「ワシらの駅じゃけん(協力するのは)当然じゃ」と言う町内会の人たち。
その数1ダース以上。
彼らは毎週、土日午前11時30分には駅に集まる。顔ぶれが欠けていると「おや、今日はどうしたんじゃろうか、体調でも悪いのかな」と心配顔。
やがて遅れてその人がやって来る「ごめんごめん、うっかりしとって・・・」「おう、おう、あんたがおらんと、始まらんで(笑)」
他でもない、今ではメンバーは互いの顔を見るのが楽しみに。
11時38分、この日もピンクに頬を染めた「サクサク」(津山行)が1番線にゆっくり入線。小旗が振られ、シャボン玉が舞う。車内からこの光景を見た乗客の驚くさまが見て取れる。
「いらっしゃーい、いらっしゃい、ようこそー」
まずは七福神の駅名の前で記念撮影、「アテンダントさんもいっしょにお願いできますか?」
シャッター係りはボランティアのHさん。
この日は駅舎内に「キシモトケーキ」「建部ヨーグルト」がスタンバイ。
短い10分程度の停車時間だが、冷たいソフト、お土産のスイーツを求め次々と列ができる。
この間、ボランティアたちは「どこから来られたんですか」
「横浜です」(乗客)
「まあ、わざわざ遠くまでよう来られました」と会話を交わす。
「♪カラン、カラン」と出発3分前の鐘が鳴る。
アイスを手に慌てて車内に戻ろうとする乗客、「大丈夫ですよー、まだ3分ありますよー」
こう呼びかけるのもボランティアの役目。
やがてボランティアたちはそろってホームの先頭へと移動。
サクサクのドアが閉まり、「ガタン」と列車が動き出す。いっせいに小旗が揺れる、車内からもいっぱいのお返しの手。来たときは知らない者同士、別れる時は旧知の間。
「よかった、よかった、みんな喜んでおられたけん、それが一番じゃ」満足げにボランティアのNじいちゃんがつぶやく。
合言葉は「じゃあ、また来週!」建部おもてなし隊は今日も笑顔で去って行く。
『終わり』(笑)
7月の「福ふく市」開催予定。
7月16日(日)10時から
(レポート・三宅 優 )
6月中盤に入った日曜日、昨日は今年最高の気温34度、今日も暑くなるぞーと身構えていたら、意外と朝から曇り空でややムシムシする程度。ホッとして長靴履いて、岡山市環境学習センター「めだかの学校」へ向かう。
本日のカリキュラムは「田地子川で魚とり」、なんと岡山市内から11家族36名が参加すると言う、コロナからの解放感が伝わる。
午前10時、武藤館長の説明を受けた一行はそれぞれの車に乗り目的地、田地子川へと移動。10台もの車が数珠つなぎで進むのは、まさしくコロナ発生前以来、あの頃は20台もの列が出来た。田植えを終え、水を見に来た地元の人らも”久しぶりに何事かな”と手を止め、戻って来た活気を味わう。
いつもの「たけべ認定こども園」前の川原が今日の教室、事前に地域の方が草刈をして下さっている。
講師はアユモドキの生態に詳しい小林一郎先生。
(小林先生)「じゃあ、これから魚を捕る上での注意点を言います。まずは草むらを歩くときはマムシに用心して、素足だと嚙まれます」
「次に魚を捕るやり方ですが、こうして網を置いて上流から足で追います、手でやると私も経験があるのですが、釣り針が刺さることがあります。あと流れが速い所、じゃっかん深くなっている場所もあるので気を付けて」
今日は濁りもなく川底が透け、絶好のコンディションだ。
開口一番は「キェーXXX!」解読不明。
「ヒェー、つめてー」どうやら水の冷たさに驚いたようだ。
そうして「網を置き、足で・・・」ところが先ほど聞いたばかりの話はどこへ?
いきなりバッシャ、バッシャと手当たり次第に水面を叩く。
さすがに先生を伺うと「こん何でいいんですよ、(最初は)こんなんで」と至って達観(笑)
始めは「エビが取れたー」「あっ、ヤゴだ」、「また、小っちゃいエビ」「もう、ヤゴばっかりだ」
だったのが、「ママー、バケツ、バケツ、早く持ってきてー、魚が取れた」
覗くと10センチほどのカワムツ。
上流で漁をしていた子どもの一団から「ワッ!」「ワッワッ!」のどよめき。「コイ!」「鯉がいたー」
ゆっくりと水中を移動するのは体長40センチほどの錦鯉。どこかの家から逃げたのか、飼えなくなって放たれたのか、無理くり子どもらの網に捕獲される。
弱り切っていた紅色錦鯉さんも無事解放され、そそくさと旭川へと下る。
胴長に身を固めたお父さんらもいて、気合の入れようが違う。他にも子どもに劣らず夢中の親たち、次々と収穫が明らかになる。
「先生これは何ですか?」女の子が川石の下から見つけたと言う黄色い粒々。
(先生)「うっ、うっ、これは何の卵じゃろう・・・う~ん、初めて見る、ギギかな?先生もわからん」
先生もわからないなら飼育して何になるのか確かめようと、めだかの学校でしばらく飼うことに。
1時間ばかりで活動終了。子どもらはプールよろしく全身水中に浸かる子もいれば、裸で飛び回る子もいる。カミキリムシを追う子、トンボを捕まえた子。
「ハグロトンボ、手で捕まえたんだ、これ、僕を離れないんだよ」
手に止まった切り、
飛び立つ気配のない漆黒の羽を持つトンボ。
先生の解説。
「今日はビックリするぐらい、いっぱいとれましたねえ。まずは貴重なものから紹介します。ドンコです、大きくてミルソーに入りません、ハゼの仲間です。
ドジョウ、これはマドジョウ。アカザが2匹とれました、絶滅危惧Ⅱ類ですかね。ギギもいます、そしてなんとオヤニラミです。
他にも、きれいなスジを持つムギツク、これはアブラボテ、どこに卵を産むかしってる?」
(手を挙げた子)「貝(二枚貝)の中です」
今日はコイも入れて11種の魚、オニヤンマ、コヤマトンボのヤゴ、ミナミヌマエビ、ザリガニが。
ミルソーを手に取り食い入るように見る子どもたち。さすが参加を申し込んだだけあって関心度が違う。自分たちで捕った魚に喜びもひとしお。
(先生)「いやあ、ここは、この川の環境がいいですねえ、流れがあって浅瀬になって、草むらがあり、魚が住みやすい、実にいい」
先生に評価を頂き、わが町の誇りがまた高まった。
時間は正午過ぎ、解散と言ったものの、まだまだ遊び足らない?子どもたち、再び川へと。
その様子は、記者が子どもだった昭和から平成、令和と時代が移っても何ら変わらない子どもの姿に違いない。
<参加者の感想>
「この川にこんなに色々いてビックリした」
「ザリガニがいっぱいとれて楽しい」
「もっと長くやりたかった」
「だれがたくさんとれるか大会をしたい」
「普段できないことができた」
「説明が聞けて初心者にもよかった」
今年から「めだかの学校」指導員として勤務されている竹竝(たけなみ)敬子さんの感想。
「私、実は魚とり大好きなんです。子どもの頃は、普通にその辺の川で釣りをしていました。この田地子川には初めて入りました、流れがあって結構、急なのに驚きました。今日はエビくらいしか獲れなかったので、次回は魚を獲りたいです」
(レポート・三宅 優 )