建部の最新ニュース

  2023年3月

   ■「新たけべの彩時季」

3月の彩時季

(左上から右へ)

 *2日発信 みそづくり  *2日発信 麹入れ  *2日発信 投げ入れ
 *4日発信 環境フォーラム  *4日発信 花炭づくり  *4日発信 in田地子
      *11日発信 3.11追悼の灯  *25日発信 巣箱作り  *28日発信 めだかの学校





   「巣箱づくり」にみんな集まれー! 

 
 2023年3月25日発信

巣箱づくり

 快晴の岡山市環境学習センター「めだかの学校」、花が咲き始め、木々には小鳥のさえずり、魚たちがスイスイ泳ぎ、待ちわびた春がやってきました。
 今日は、「小鳥さんの巣箱づくり」、岡山市内から4組の家族、おじいさんとお孫さん、兄弟も一緒に、家族みんなで、自然を楽しみたい人たちがやってきました。


巣箱づくり

巣箱づくり

 参加メンバーの皆さんやスタッフの紹介、道具の使い方などの説明が終わると、早速、家族ごとに工作に取りかかる。
 「大人は最小限のサポート、主役は子供さんですよー」「みんなで協力して完成させましょう」とのスタッフの指導。あらかじめカットしてある杉板の組み立てを全員で作っていく、板を支える人、金づちで釘を打つ人、止まり木を準備するひと、まるで家を建てる大工さんのようです。

巣箱づくり

巣箱づくり

巣箱づくり

 止まり木は、桜の小枝を自由に選択、家族でデザインして取り付ける。最後は、実際取り付ける木を想像しながら、穴をあけ針金を通します。
 親子で力を合わせて作った巣箱、「釘打ちが大変だったけれど、完成したらうれしかった」「これからも、こんな体験にチャレンジしてみたい」など、子供はいろいろな体験で成長していくものですね。

巣箱づくり

 (レポート・勝部 公平 ) 







   今年も静かに「3.11追悼」

 
 2023年3月11日発信

3.11追悼

 コロナ禍が吹き荒れて、それまでの過去を忘れてしまいそうなこの3年。ようやく落ち着きを取り戻しつつあるが、もう3年前に帰ることはないだろう。
 何かを学び、何かを失った、失ったものの方がはるかに大きいのかもしれない。  

3.11追悼

 今日、3月11日、土曜日、ガレージギャラリーに届けられた牛乳パックを並べる。今年も夫婦二人で追悼。

3.11追悼


 午後6時、12個のサークルに点火。


3.11追悼

火はこのまま0時過ぎまで灯り続け、多くの犠牲者の霊が弔われることを願う。

 (追伸)ささやかな催しではありますが、皆さまから牛乳パック、お志しを頂き心より感謝申し上げます。  これからも命ある限り続けていきたいと思います、ありがとうございました。

 (レポート・三宅 優 ) 






   自然と遊ぼう!「環境フォーラム in 田地子」

 
 2023年3月4日発信

 立春を過ぎたとは言え、朝方は霜が降りたり、まだまだ寒い建部平野。そんな中でもそれよりさらに1~2度、気温が低いのではと感じる建部町田地子地区。「たけべの森公園」を有する、山間の40軒ほどの集落だ。
 ここで毎年開かれて来た岡山市環境学習センター「めだかの学校」主催による「環境フォーラムin田地子」。昨年はコロナで中止となったが、今年は定員を20名に絞り開催にこぎつけた。
 午前9時、田地子にある多自枯鴨神社に参加者(親子)20名と地元ボランティア、スタッフ、計40名ほどが集合。600年代に出来たとされる神社の境内には、近年切られたばかりの直径2Mもの御神木の根元が残る。


環境フォーラム

 実行委員長(記者)の開会の言葉。
 この日の参加者の半数は福渡小学校の児童家族、この田地子を訪れるのが初めての人も多い。地元に居て、地元を知らないで過ごすことが普通となっている現況は、恐らく日本国中の中山間地域で起きていることだろう。人々が外に目を向け、故郷に愛着を得る機会が失われている。そういう中での、こうした体験学習は意味深い。


焼いもづくり

焼いもづくり

 いよいよ開始、まずは焼いもの用意。煙突からモクモクと煙、周りりに盛られたスクモの中に濡れ新聞紙とアルミホイルで包んだサツマイモを差し込んでいく。食べ頃は1時間後。
 「早く、食べたいなあー」「僕は、この大きいやつ」(入れたら誰のだかわからなくなるのよー)


花ズミ説明

花ズミ木の実

花ズミ缶

 続いては、花炭(はなずみ)作り。センベイの入っていた空き缶に、松ぼっくり、ツバキの実、栗のイガ、桐、フジの種、楓(かえで)の実、お好きなものをチョイスして、スクモを敷いて蓋をする。蓋に書かれたアルファベットを覚えておこう。
 火の熾(おこ)ったU字溝の上に載せて、蓋に開けた空気穴から煙が出なくなるまで燃やし、紙粘土で穴をふさいで冷めるまで置いて、帰る頃に完成。仕掛けは万端、後のお楽しみ。


竹でっぽう説明

くす玉探し

くす玉

 じゃあ、今から竹でっぽう、ヤジロベーを作るぞー。
 竹でっぽうは1本のシノ竹から作る。根元の太い部分の一節(ひとふし)を使う。それで「鞘(さや)」と「持ち手」を作り、次に先の細い部分を切り、持ち手に差して「押し出し棒」を作る。
 鞘に収まるのにちょうど良い太さを見きわめるのがポイント。玉は細かくちぎって濡らした新聞紙を丸めて詰める。
 「先生が子どもの頃はこんな実をつめて、玉にしてたんだよー」
 「え?なに、それ」「あっ、見たことある」
 「じゃあ、どこにあるか探してみよう」
 鳥居のそばの石垣にモサモサと緑の草束、「リュウノヒゲって言うんだよ、ここをかき分けていくと・・・」
 「あっ、あったー」


竹でっぽう作り環境フォーラム

環境フォーラム

環境フォーラム

「ムム、うまく、竹が中に入らない」「じゃあ、おとうさんもやってみよう」
 「撃つときは空に向かってやるんだよ」「スポーン!」
 「わぁ、いい音がしたよー」


ヤジロベー

環境フォーラム

環境フォーラム

 ヤジロベーも大人気。
 「ねえ、なんで、これって、倒れないんの?」不思議でしょうがない男の子。次々とドングリに穴開けの注文が入り、工作担当のおじさんたちも大忙し。
 「私のはちゃんと立たないのですが?」とお母さん。
 「それは竹ひごがカーブしてないから、火の上であぶって曲げるんよ」
 「へぇー、そうなんだ」


焼いも

環境フォーラム

 そのうち「お~い、ヤキイモが焼けたぞー」いっせいに駆け出す子どもら。
 「うん、うん、ウマい、ウマい」自然の中で焼いたヤキイモは香りが立って最高だよね。


丸太切り

火吹き

松ぼっくりアレンジメント

 工作のできた子は丸太切りに挑戦。ノコを引く手が段々にうまくなり「あと、もう少しだ、がんばれ!」
 「やったー」と最後まで自分で切った満足感。
 松ぼっくりのオーナメントは地元区長の本田さんの奥様が製作。「わ~、かわいいー」「持って帰って、飾ってね」
 花炭の方はスタッフが生焼けの無いように懸命の火起こし。「もう、肺がくたびれたわー(笑)」


餅焼き環境フォーラム

餅食べ環境フォーラム

おにぎり環境フォーラム

 ほぼ煙が出なくなった花炭を下ろし、さてどうしよう?「そうだ、竹串に餅を刺して、この上で焼いてみよう」
 手に手に餅を刺した竹串、だんだんといい感じに膨らんできて、お醬油に付けて・・・。
 「ああー、ぼく、ホントーに来てよかった!」(おお、それは、何よりうれしい感想)
 昼食のおにぎりも食べ、大満足の午前の部。


環境フォーラム

環境フォーラム

環境フォーラム

 午後からは、腹ごなしに里山散策。
 「この家は大きいだろう、何階建て?昔はこんなふうに家を造ってたんだよー」「壁の板が黒く焼けてるのは、こうすると虫が付かなくて長持ちするからだよ」
 ヤギを見つけ走り出す子。大人たちはもう到底、追いつかない(笑)。


お話し

環境フォーラム

環境フォーラム

環境フォーラム

 戻ってからは本田区長さんによる、この地域の昔の暮らし方のお話。
 「昔は今のように電気も水道もなかったから、こうして山にあるモノを使って生活してたんだよ。これは炭のコタツ、これは木で出来た水桶、ワラは縄にしたり、畳にした・・・」
 神輿(みこし)蔵の子ども神輿を覗いてみよう。回りに描かれた絵は「アラレちゃん」と「ドラえもん」もいる。
 「アラレちゃん!アラレちゃん!」連呼して子ども神輿が駆け巡る。
 地元の子どもによる、お祭りで行う「棒遣い(ぼうつかい)」の演舞。そして大人の演舞。
 「こうして大人から子どもへと受け継いでいるんだよ」


花ズミ取り出し環境フォーラム

環境フォーラム

環境フォーラム

環境フォーラム

 そろそろ、花炭もできたかな?自分のアルファベットの缶をそっと開く・・・。
 「あー、きれいー」「お母さん、観て、これ」「ステキ!」
 どうやら、スタッフの火吹きが功を奏したようで、ほぼ、ほぼの完成度に胸なでおろす


閉会環境フォーラム

環境フォーラム

 閉会の言葉、勝部 副委員長。
 「人が生きていくためには、知識だけではダメなのです、体験がもっとも重要です。今日のことが、 これから先において力になって来ることを願っています」


 (レポート・三宅 優  写真・松下りえ) 






   里山のSDGs手作り味噌づくり

 
 2023年3月2日発信

味噌づくり

 まもなく春を迎えようとしている里山の寒中、朝早くに昨夜から冷たい水に浸していた大豆をゆだっている大釜に入れる作業が始まりました。杉本久典さん宅の冬の風物詩の始まりです。

 
味噌づくり

 杉本さんの家で、おじいさんおばあさんが60年以上も毎年守って来た味噌づくり。昔の農村部では当たり前の風景でしたが、近年ではほとんど見かけなくなってきました。
 春に蒔いた豆は秋に収穫・乾燥を経て黄金色になり原料となります。
 庭先でモウモウと湯気をあげている大釜、山からとってきているマキを燃料として使用、久典さんは時々大豆をすくって指先でつぶすような仕草、豆の煮えぐあいを確かめる作業です。これが大事な作業なのです。適当な柔らかさになったら急いで火を止め、徐々に冷まして行きます。

味噌づくり

味噌づくり

味噌づくり

 二日目の朝、いよいよ味噌づくりのスタートです。今年は、手を負傷した奥さんにかわって近所に住んでいる娘さんが手伝いに来ています。
 杉本家では、田んぼの苗代づくり、田植え、稲刈りは子供さんの家族もやってきて皆で作業をします。

味噌づくり

味噌づくり

味噌づくり

味噌づくり

 昨夜に炊いた大豆を大鍋からすくいあげ、水を切り、こうじ菌、塩をまぜながら味噌づくりの機械に投入。
 摺りあがるとすぐに保存用の樽に入れる作業、大きなおにぎりのような丸いだんご「味噌玉」を作り、樽の底へ投げつけていきます。 これは摺った大豆の間に空気が入るとカビが生えやすいのでこんな作業をするのです。
 こうして樽詰めした味噌は、味噌蔵と呼ばれる、漬物や味噌専用の蔵に一年間寝かされ、おいしい味噌ができあがっていきます。 里山で息づくこんな文化、守っていきたいですね。


味噌づくり

味噌づくり


 (レポート・勝部 公平 ) 





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