■「新たけべの彩時季」
前々日までの予報では降水確率80%曇り時々雨、「もう駄目だろうなあー」」誰もが、諦めきっていたこの週末。なんと、奇跡の大逆転、快晴2重丸。
「だからわからないって言ったんだよ、その日になってみなきゃあってね」(記者の独り言)
20日、日曜、「建部町文化祭」の開かれている文化センター前の親水公園は、まさに風ひとつなくスカイブルーに染まる。
朝9時、公園広場では「たけべマルシェ」の出店者たちの嬉しそうな顔ではちきれんばかり。
コロナ以来、中止となっていた分、スタッフの今回に賭ける意気込みが空気を伝いヒシヒシと感じ取れる。
本部も大人本部と子どもサブ本部(中学生が担当)を用意、
これなら、大人の気づかないサポートにも対応できる。
出店者のテントでは初めてのブースが目につく。話題の「田渕商店」さん、ビーズ刺繍アクセサリー「miel」さん、水引アクセサリーの「nunnun」さんなどなど。
ちょっと、買ってみたい、食べてみたい、覗いてみたい、好奇心をそそる構成となっている。
体験ブースを見ると、「新聞バッグづくり」「ヒンメリづくり」「凧作り」(これは6年ぶりに記者が復活)。
子どもの開く「こどもちっちゃ市」も、なんだか楽しそう。自分で作った小物を並べてのお店屋さん。
「いらっしゃい、いらっしゃい、いかがですかー」
「うんうん、これなら、10年後のマルシェも安泰だ」
本部前には「未来ポスト」5年後の自分に届く、手紙配達サービス。何でもすぐに届く時代に、のんびりと未来を浮べて話しかけてみる、若いって未知だからね。
老人(記者)は恐くて書けそうにない、受取人の自分がいなかったら、代わりに受け取った人が困るだろう(笑)
午前11時、凧作りで、取材どころではない記者、まったくほかの状況がどうなっているのか、皆目わからない。ただ、ただ、
数えきれないほどのお客さん。
どこから来たの、誰と来たの、聞きたいけど。目立つのは、若い人の子ども連れ、平常の建部ではめったに見られない光景が広がっている。
笛と鐘、太鼓の音が聞こえてきて、いよいよ始まるアトラクション、今しがた文化祭に出演したばかりの「福渡八幡神社神楽保存会」の獅子舞の登場だ。
この日のために、大人も子どもも演舞指導に振り合わせ。コロナで祭りがずっと出来なかった、そんな中でのイベント参加、これまでになく観る側も気持ちが高ぶる。
晴舞台を得た獅子たちが、観客の座る石段を次々と飛び跳ねる、思わぬ縁起物の到来に大人もこどもも、ビックリ!
「三宅さん、福渡は、やるのう」そう言われて、鼻高々の町内会長(記者)であった(笑)
〆るのは、もちろん「建部はっぽね太鼓」。この大空の下、鳴り響く太鼓の音はいつ聞いても「ええのうー」
メンバーらの変わらぬバチさばきは、建部に「はっぽね太鼓」あり。
食べ物ブースではどこもかしこも長い行列。気がつけばもうお昼、カレーのいい匂いが漂って来る。
水も飲まずに、ただただ凧作り。終えたと思ったら、次の注文で休むことなし。
作業中も耳だけは働いていて、「あっ、久しぶりー」「えっ、もうこんなに(子どもが)大きくなったの?」「わー、会えてうれしいー」「もう、めっちゃ、今日、最高!」
若い世代の会話から、待ち望まれていたのは、こんな出会いのある開放感あふれるイベントなのだと改めて知ることとなる。
時刻は2時、そろそろ閉幕となる。未来ポストに預けられた自分あての手紙がテーブルに山のように
積まれていた。
これから5年後を夢描く人たちが、これだけ大勢、訪れたってことはすごい。
最後に参加者全員で記念撮影。そして、これだけのイベントをやり遂げたスタッフの皆さんにありがとう。
(取材・写真 三宅優 写真 松下りえ)
毎度、同じことを話してしまうが、コロナの影響で今年も各地の文化祭は低調な趣き。ここ建部町も発表数が少ないと聞き、「それも仕方ないな」と頭でつぶやきながら出かける。
受付で記名、消毒を済ませ、ロビーの書道展示を観る。子どもたちの元気いっぱいの文字が並ぶ。この1年の頑張りが伝わり、まずは安堵。
メイン会場の小ホールに足を向ける。「おおー」これまでと変わらぬ数の展示パネル、場内に活気が感じられる。
一つずつ観ていくと、様々な工夫がされたコーナーが目につく。
今年の賑やかな話題となった「たけべ福渡しプロジェクト」の映像と写真による発表。
福渡とゆかりのある蘭学医「石坂桑亀」を紹介するコーナーを手掛けたのは公民館。他にも洋画家、佐藤定さんにもスポット。
建部川柳社の「川柳カルタ」は観ているだけで楽しい。平田慎一さんの「ストローアート」は力作がズラリ。
常連の「たけべ八幡彫り」も圧巻。老人施設の利用者さんの手作りパネルも健在だ。
再び、ロビーに出るとはがきサイズのカードが無数に貼られたパネル。この数年、中止となっている「ふふふ祭り実行委員会」の「あなたのちょっと良かったことを教えてください」に投稿した人たちの
メッセージだ。
一枚一枚、人の数だけ幸せがある、そんな暖かい気持ちを起こさせる優れた企画だ。
大ホールでは、ステージ発表真っ最中、コブシの効いた歌声が響き渡る。森田市議も熱唱されたようだ。
2階の水彩画展示を回り、今日のところは終える。明日は福渡八幡神社の神楽演舞が発表される。そして
記者も出店する「たけべマルシェ」。
天気が気になる~。
(取材・三宅優 写真 井手誠二)
11月6日早朝、建部町竹枝小学校前の旭川からユンボのキャタピラの音が聞こえてきます。
今日は第15回となる「旭川かいぼり調査2022」の開催日、天を見上げると真っ青な秋空、集合場所の雑木林も色づき始め、かいぼりの好天日です。
まだまだ続いているコロナ下での開催にスタッフ・地元地域ボランティアの面々は、手の消毒液・マスク・検温など用意、本部テントの設営や、かいぼり会場の点検を済ませ、参加者を待ちます。
午前9時、2台で駆けつけた岡山理科大学理学部の学生の面々が到着。10時の開会式では200名以上の参加者・スタッフで本部テント周りの河川敷は熱気ムンムン。
開会式が終わると、本部テントを境に大学生グループ、一般参加者グループの2組のゾーンに分かれ会場へ、早速あちこちから甲高い声。
「あっ、カジカ!」「アカザ見つけた!」
こんな感動の声が響き渡るのが、この調査の魅力のひとつなのでしょう。
(ここまで勝部 公平)
(以降、めだかの学校館長、武藤 邦夫レポート)
水が引いた川で、みんな黙々と石を持ち上げながら、下に潜む生き物たちを見つけて行きます。子ども園や低学年の子らも、網ですくった魚を上手にバケツに入れています。
この間、約1時間。その後「川を耕す」作業に入りました。
「川を耕す」とは石をもう一度ひっくり返すことで、溜まった土や泥を流し、川床を柔らかくして変化を作ってやることで、魚が産卵しやすくなったり、水生昆虫が石の間に住みやすくなるそうです。
最後に水槽やミルソーやトレーに入った魚や水生昆虫の説明会が開かれました。お話をして下さったのは淡水魚研究会の柏さんと野生生物調査会の吉鷹さんです。
捕獲できた生き物は、アカザ・カジカをはじめ、ムギツク・オヤニラミ・ドンコ・ナマズ・ウナギ・オオシマドジョウなど25種類の魚類。
水生昆虫はトビゲラ・カワゲラ・ミズカマキリ・ゲンジボタル・カワニナなど27種類です。
数年前は千匹以上、捕れていたアカザは、今年は360匹でした。2018年の豪雨で川の状況が大きく変わってから減少傾向が続いているそうです。
参加者は先生の話に最後まで真剣に耳を傾けていました。
私が面白かったのは「チチブ」と言う魚の名前の由来です、お知りになりたい方は調べてみてはいかがでしょう(笑)
(取材・写真 勝部 公平 武藤 邦夫 )
岡山市で推進している地域の防災団の結成、建部町でもいくつかの町内会で組織が作られた。
記者のいる福渡でも3年前に結成、この間、コロナ禍なのに豪雨による被害は激しくなるばかり、
ここ福渡でも2年前のお盆の真っ最中、公民館に10名ほどが避難した。もう、ここは大丈夫とか言っていられない、線状降水帯がドローン兵器のように空から襲ってくる。安全な場所などどこにもない。
ましてや福渡地区はすぐ前には旭川、後ろには土砂災害の危険性のある山々を抱えている。上流の旭川ダムの放流量が毎秒800トンを超えてくると町のシンボル幸せ橋が
浸り始める、まさに災害の危険と隣り合わせに暮らしている。
この日(11月6日)開かれた福渡みんなの防災団による「防災体験学習会」は、町内全体で行う初めての防災訓練となった。
会場となった建部町保健センターには子どもからお年寄りまで、約60名が参加。
まずはおなじみの「岡山市民体操」で体をほぐす。
開会式は防災団長(記者)の開催あいさつの後、共催を担って頂いた建部町公民館長より「公民館が地域の防災のかなめとなることは大変重要だと思います」の言葉があり
、
続いて、この10月に新しく赴任された福渡駐在所の石﨑巡査部長から「私も真備の災害で警備にあたり、被害の実情に接しました。日頃から隣の人同士で、つながりを持つことが大切だと感じました」との話がなされた。
開会式に続いての講演は、東日本大震災で岡山へ避難し、移住された方や自然災害の被災者支援を行っている「ほっと岡山」(一般社団法人)代表理事、はっとり いくよ氏の
お話があった。
冒頭 「あなたにとって、失いたくないものを5つ書いて下さい」と問われ、それらを講師とのジャンケンで負けたら「家、健康、命、お金、子、
愛犬・・・」一つずつ消していくシミュレーションゲームが開始。
「ジャンケンポン、最初はグー!・・・」「えっー負けた!」
紙に書いた大事なものを見つめる聴衆。突然の出来事で、大切なものが次々と失われて行くことの虚脱感が襲う。
災害のもたらす真の怖さが誰の頭にも想像されて来る。
また「人は特性として嫌なことは避け、良い方に考えがちです、これを正常バイアスと言いいます。ですから災害も自分は大丈夫と思い、でもそれが逃げ遅れる一番の原因となります」
と言われ、確かに自分の中にある、都合の良いとらえ方に反省。
体験コーナーでは5年保存の缶詰パンの試食、「これ、おいしいわー、どこで売ってるの?いくらぐらいするの?」
グルメレポーター的には「オレンジの砂糖漬け入りがおすすめ」
20リットルの給水タンクの持ち上げは、なぜか子どもらがやりたがる。それを見てお年寄りは「まあ、子どもは元気じゃなあー」とほほ笑んで・・・。
防災品の点検、それをリュックに背負い、「ムム、ランドセルより軽いかな?」
救護テントは今年、防災団で購入した新兵器。「ワンタッチ、60秒で組み立てまーす」
威勢よくデモンストレーションを始めた防災委員(当新聞グルメレポーター)だが、「???、おかしいぞ、あれれ」いつの間にか自分がテントに飲み込まれて行方不明(笑)、心配して救出に向かうスタッフたち。
観客もハラハラ、ドキドキ(笑いあり)で、どうにか成功(拍手あり)、時間は2分弱。
この日、参加品として配られたのは岡山市危機管理室が備蓄している「5年保存の水」「アルファ化米」「クラッカー」、期限が近付くと防災訓練用に放出してくれる。
その「アルファ化米」の食べ方説明。
(栄養委員さん)「中のスプーンと脱酸素剤を取り出してから水を入れ1時間、お湯だと15分待ちます、でも水だとあまりおいしくないです」
あわてて「そんなこと言っても、避難時にぜいたくは言えません」と補足あり(笑)
最終プログラムは参加者全員のお楽しみ「ビンゴ!」
前面のテーブルには「ダイソー」「セリア」で厳選して買ってきた商品がズラリ、迷うこと間違いなし。
1等は3品、2番~5番は2品、後は順次1品がゲットできるとあって、子どもも、親も、年寄りも、カードを持って真剣なまなざし。
最初の「ビンゴ!」(なんと、運がいいい講師のはっとりさん)が出て、次々、「ビンゴ!」
ハズレなし全員が当選者となって「3世代交流ビンゴ」は終了。
閉会式、松下泰成副団長より閉会のあいさつ。
「僕は講演で言われた正常バイアスがすごくわかりました。仕事で真備の被災した家のリフォームを頼まれたことがあるのですが、また同じことが起きるのではと、お受けするのをか悩みました。でもお施主さんが、そうなったら、今度こそあきらめるよと言って下さり、気持ちが楽な方に傾きました。
それと今は、雨の様子やダムの放流量がスマホでわかる時代です、こういった日頃のチェックや準備、心構えが大切だと今日の会を通じて再確認しました」
*最後にアンケート回収結果(回収率90%)
「一人でも多くの人が聞かれた方がいいと思った」「講師のお話しがわかりやすかった」「ハザードマップの確認が大事だと思った」「防災を気にかけるようになった」「逃げる勇気が大切だ」・・・。
10点満点中、10点が半数、「ヤッター!」
(取材・三宅 優 写真・松下りえ)
秋晴れの10月28日建部小学校、校内の畑で、恒例になっています1、2年生による「焼き芋パーティー」が開催されました。
地域ボランティアの片山健次さん、市川正之さん、そして記者(勝部)が講師となり、春のさつま芋苗の植え付け、夏の水やりを経て、秋の芋ほりまで児童が通い続けた畑で、里山で暮らしている子供たちの生活体験をしてもらおうと企画です。
焚き付け材料は、松や杉なとの枯れ葉や枯れ枝を使い、秋の穫り入れ後にでる籾(もみ)殻が燃料です。資源の乏しい日本での持続可能な生活(ESD)、身の周りにある資源の活用(リユース)の大切さなどを学びながらの焼き芋づくり。
モクモクと上がる煙が、あっという間に黄金色のもみ殻が黒色に焼かれていきます。その中に、子供たちが一本一本、濡れ新聞紙、サンホイルで包んだお芋を投げ入れ、いよいよさつま芋の籾焼きです。
待つこと小一時間、真っ黒に焼けたもみ殻を拡げると、中からゴロゴロと銀色のホイルに包まれたお芋がでてきました。
「今年も大豊作、感謝のお芋パーティーの始まりー」「しっとり柔らかいよー」「ぷーんと甘い香りがしたぞー」
里山ならではの、建部小学校のハロウィン・焼き芋収穫祭でした。
(取材・写真 勝部公平)