■「新たけべの彩時季」
今や年配者の代表的スポーツとなったグラウンドゴルフ、なんでも発祥地は鳥取県泊村だそうで、昭和57年に始まってからもう40年、
そのルールの簡単さと、ゴルフのようにお金がかからないことでたちまち全国に普及。
なにしろ場所さえあれば、1人でも100人でもプレーできるのだから、言うことない。
で、場所の問題。比較的平らな土地で広ければ広いに越したことはない、そんな都合のいい場所が・・・、見つかりました。
記者の住む建部町福渡地区にある旧中学校のグランド。日本全国、中山間の町や村では、過疎、少子化で廃校となり、使われなくなった公園や運動場が、ごまんとある。
残っているのは年寄りだけ、となれば健康維持、相互のコミュニケーションも図りながらの土地有効利用、「グラウンドゴルフ」が超おススメ!なのだ。
週末の午前、「グラウンドゴルフ体験会」の案内回覧板を読み、急ぎ旧中学校運動場へ向かう。すでに15名ばかりのお年寄り。目を引いたのは男の人が多いこと。
「いやあ、OさんとTさん(共に男性)はプレー歴○十年の超ベテランです」主催者の窪藪代表が紹介。
さっそく、Oさんから、クラブの持ち方、コースの回り方の説明を受け、「何はともあれ、一度打ってみるのが一番じゃ」
「スカーン」(よく飛んでいった)「スコッ」(頭をなでただけ)それぞれの音を響かせながらの初挑戦。
グランドは真砂土が敷かれているとはいえ、まっ平らでもなく、草も生えている、それを見越しながらボールを打つ。
この日、設定されたのは50mを最長に4ホールで、これを6回廻る。1ホールが3打を基準にアンダーとオーバーを数える。
観るのも手にするのも初めてと言う女性、こわごわとクラブを構え、「スコ~ン」
ボールは一直線にホール手前まで向かう。「おお、見事!」(記者)
「まあ、私にもできたわー(笑)」
次の日、今年一番の暑さとなった午後、「何もこんな時に出かけなくてもいいんじゃない?」と不平を口にする妻を連れ、運動場へ。
さすがに、プレーする人影はない、昨日、教わったことをチョロリ説明して、即、開始。
一番ホール50m、一打、「スコ~ン」と30m。続いて美恵子、一打「スカッ」、2打、10mほどフラフラッと。
「手元を見て、地面を叩くように打つんだって」昨日、Oさんから教わったアドバイスを伝える。
3打、今度は勢いがつき過ぎてフェンスの方に暴走。4打、ロングショットでまさかのビギナーズラッキー。
これで味を占めたかどうかは分からないが、「あー、今でグランドゴルフ運、全部使い果たしちゃった」とは妻の感想。
窪藪代表は「この福渡のグランドゴルフ練習場を地区の愛好家で整備を進めながら、一年を通して楽しめる交流の場としていきたい」とのこと。
晴れた朝、「スカ~ン!」という音で目が覚める日がやって来そうだ。
(レポート/三宅優 三宅 美恵子)
夏日が予報されている5月19日午前8時30分、地域のシルバーメンバー15名が建部中学校に集合しました。
この日は「建部中学校シルバーの会」総会と「第1回環境整備」の活動の日です。
最初に「シルバーの会」会長の本田義章さんの挨拶。
「今年も新しいメンバーが増え、この校内整備が行われることで学習環境の向上に大変役だっていることに感謝申し上げます。
校内授業で建部のことを学ぶ「建部部」や地域の伝統芸能なども学習に取り入れられ、地域との連携も進んでおります」
続いて國富聖子校長先生から「多くのシルバーの皆さんの協力に大変感謝いたしております。これからもよろしくお願いします、ありがとうございます」のお言葉あり、いよいよ活動開始です。
今回の活動は、春頃から校内一体に繁茂している草の除去が目的で、さっそく、あちこちから「ブーン、ブーン」と言う草刈り機の音が鳴り響きます。
中庭では、乗用の草刈り機で瞬く間に刈り取りが進みます。1本1本、手で草を抜く人、熊手で刈り取られた草をかき集める人、またたく間に見ちがえるような校内に変わりました。
作業を終え振りかえると、学校でも家庭でも”教育は環境から”の言葉が脳裏に刻まれる一日でした。
なお今後の活動日程ですが8月21日(日)、11月10日(木)、来年3月9日(木)に予定しています。少しでも、自分ができる範囲で参加したいと言う方を常時、募集していますので、建部中学校まで問合せください!
(レポート・写真 勝部 公平)
朝のうちはいく分どんよりした天候だったのに、お昼近くになると、ここ建部の旭川、一ノ口井堰の水門前は予報通りの真夏日を思わせる陽射し。
年に一度、用水の水門を開けて溜まった土砂やゴミを撤去するのに合わせて行う「大井手用水の魚とり」、記者が関わってからもう10回を数える。
今では岡山市環境学習センター「めだかの学校」が主催する人気プログラムで、今年もコロナ禍に配慮し参加人数を限定しての実施。
スタート1時間前には記者らスタッフで水抜きを開始、毎年のことながら「いるかなあ」「どうかなあ」と気を揉みながら川底を見つめる。
例年だとナマズの群れが水しぶきを上げて姿を現すが、今日は音沙汰なし。「う~ん、先日大雨だったし、今年はダメかなー」
そうこうしている中、6家族14名の参加者が到着。さっそく「早くサカナ取りたいよー」「下りたいよー」と子どもたちの声。
先陣で水路下流から魚の追い出しに回っていた「岡山アスエコ」の指導員、柏さんが何やら大物を手に帰還。「ぎょえー!」直径50センチはあろうかというスッポン。
それを合図に背後から水を求めてフナやナマズ、ウナギまでが続々、出現。こうなったら、もう子どもらが我慢ができるわけがない?
めだかの学校武藤館長から「お話がチャンと聞けない子は魚取りはできませんよと諭されて、シブシブ(笑)、注意点について耳を傾ける。
水深20センチほどになった用水は、あっという間に子どもらに占領され、濁った水に見え隠れする魚影が
いたるところで動き回る。
はち切れそうな網を持ち上げた男の子、「ナマズがとれたよー」「わたしはカニだよー」「ボクも、見て―」
親子で総力挙げての大捕り物、そんな騒ぎを空の上から眺めているのは、いつの間にかやって来たトビ。魚の姿は空中からでもよく見えるに違いない。 水路の一隅には川トンボのシルエット。生き物たちにとっての豊かな環境が広がっている。
「お~い、もう上がってー」やがて終了を知らせるスタッフの声。
「ねえ、これなあに?
」
まだまだ飽きない発見を追い求める子どもたち。「もう、上がりなさい!」
こうして1年に一度の建部での手づかみ魚とりは終盤へ。
成果!ウナギ、ギギ、フナ、ヨシノボリ、ムギツク、アカザ、ドンコ、サワガニ、モズクガニ・・・。アスエコ指導員の渡辺さん親子が解説。
「今日一番の収穫はこのアブラボテです。実はこのアブラボテ、この貝(5㎝位のカラス貝
)に卵を産みます。そしてこの貝はこのヨシノボリのヒレにタマゴを産みつけます。だから、これらが一つでもいなくなると、この生きものは絶えてしまいます」
「な~るほど」今日一番、神妙にうなずく子どもたち。
「さあ、後は元へ戻してあげましょう」
ナマズ、フナ、カニ、ギギ、ドンコたちが、子どもたちの手で元の水に放たれる。最後まで残されていた”スッポン君”も、「おぉー、自由じゃー」とダイビング。
明日、スタッフの手で再びねぐらを仕掛けた後は来年まで、寝て待つことにしましょう・・・。
(レポート・ 三宅 優 / 写真・三宅 美恵子)