■「新たけべの彩時季」
「三寒四温」昔の人はこの季節をうまく言い表している。先日まで、もうストーブはいらないと感じるほどの温かさ。それが今朝は岡山市が推進する「クリーン作戦」実施中もゴミを拾う手がかじかむ冷え込みで、河川敷の桜もまだ固いツボミ。
そんな中、ここ建部にある岡山市環境学習センター「めだかの学校」では久しぶりに朝から賑やかな家族連れの声。
恒例となっている環境学習「巣箱作り」、これまで富沢の里山で開かれていたが、今回は6家族15名の少人数で学校敷地内広場で行うことに。
参加者の中には学校の体験学習にこれまでに何度も参加された方が。
「まあ三宅さん、お久しぶりです、もう今年で最後、この子も卒業です」
そう言われて振りかえれば、小さかった頃から色々な体験をいっしょにやって来た事が思い出された。
今日の講師は、そんな私より更に先輩の当新聞編集長の勝部、それと環境学習センター指導員の沖さん、職員の安田さん。
沖指導員から製作手順の説明を受け、参加者はあらかじめ
用意された巣箱キットを手にさっそくに各テーブルで作業に入る。
「まず背板の下から4センチのところに線を引く」お母さんが手順書を読上げると
「えっ、下から4センチって?」子どもの戸惑う顔。
定規、エンピツを板に当て、親子で相談「これで、いいんじゃない?」
少しづつ形が出来てくる。しかし材料はキットと言っても規格化された市販品ではなく、あくまでも手作り。形も大きさも、ソリもあってマチマチ。
「先生、すみません、底板が大きくて横板が出っ張るんですが」
「じゃあ、底板の方を少しノコで切ってみたらどうでしょう」こんな臨機応変、その時その状況で解決を見い出していくのが、体験型学習の面白さ。
「トントントン」「グルルルルー」金づちのはずむ音、電動ドライバーの振動音、野外での作業が着々と進む。
シジュウカラ、ヤマガラ、これから5月にかけて巣箱を探しにやって来ることを頭に描きながらの親子共同モノ作り。
いつの間にかお日様も照り始め、朝方の寒さも一段落。
そして、いよいよ完成。
「やったー、すごいじゃん!」思いがけないほど見事な出来栄えに満足なお父さん。
「これなら、トリさんたちもぜったいやって来るヨ!」とお母さん。
「ウン、ウン」と手ごたえ十分にうなずく子。
わずか2時間、でも学んだことはいっぱい。
「金づちは叩き過ぎると板が割れる(笑)」「木ねじはドライバーがすべると頭がダメになる」「キリは両手で下に押しながらこすらないと穴が開かない」
記念写真は水族館入り口前、また次回の出会いを願って。
(取材・ 勝部公平 三宅 優)
東日本大震災から11年、今年も晴れの追悼日となった。世界では新しい戦争が始まりコロナを克服するうちに、もっと恐ろしい人間同士の諍いが広がるのか。
夕刻、1年分の牛乳パックを並べる。10個で11のサークルを作る。
水を入れたパックの一つづつに灯したキャンドルを浮かべる。
2012年、2013年、2014年・・・これまでの11年の時間が巡って行く・・・。
(レポート・三宅 美恵子 写真・ 三宅 優)
先月の専門学校生たちによる「JR福渡駅」の掃除、たくさんの方から「感激
した!」のコメント。
それでと言うわけじゃないが今度は地元の大人たちが、
「じゃあ、わしらだって人まかせにせず、できることをしよう!」と立ち上がった。
「しあわせ橋」は昭和60年代に旧建部町時代の夢のシンボルとして作られた、言わば「肝いり」の建造物。何度も流されたが、その度に行政の支援で復旧。ここから「かならず戻って来る、しあわせの橋」と言われるまでに。
ところが復旧して喜んだのだが、その後の維持が・・・。一番は川に発生するウスバカゲロウなどの昆虫の残骸、クモの巣、緑ゴケなど。これが、白い欄干をひときわ汚く見せている。
こうなると通行人は見ないふりで、手を体にくっつけ、できるだけ触れないように前だけ見て歩く。せっかく川とのふれあいを味わうために作られたのに・・・。
「お役所に言って何とかしてもらえない?」「だれか、やれないの?」嘆く声はいっぱい。
「なら、自分らでやろう!」
「わしらの町だもの、わしらの力でキレイにしよう!」
こうして集まった両岸の地区、福渡と建部上の”老々若男女”13名のボランティア。年齢性別、関係ないよ、大切なのは「❤(ハート)」
参加者はバケツ、タワシ、雑巾持参で、ゴム手袋に長靴で駆けつけてくれた。「いざ、しあわせを磨けー!」
とは言え、全長120m、スパン6mが20スパン。左と右で240m。「ゴシゴシゴシ」、「ジャブジャブ」
1年こびりついた垢をここぞとばかり擦り落とすのだが、すぐにバケツは緑ゴケでまっ茶色。10数個のバケツをフル稼働し、川水を一輪車で汲んでは運び、ロープで直接、汲み上げたり。
開始1時間、両岸から攻めているが、まだ遠い。
「こんなに,汚れているとは思わなかった」
「いやあ、自分の車を洗うのでも、ここまでせんわー(笑)」
用事で通りかかった歩行者の方も
「まあ、気になっていましたが、ありがとうございます。次はやりますので声をかけてください」
これだけの長さ、やはり人海戦術なくしては終わらない。
そうして開始2時間、双方からの掃除人が中央でドッキング。
「やっったー!」
「きもちいい~~」
「そう、ピッカピッカだよね」
いつしか太陽も南に移動し、陽に照らされた「しあわせの橋」は、竣工当時の真珠のような白い輝きを取り戻した。
(取材・三宅 美恵子 写真・ 三宅 優)