建部の最新ニュース

  2021年5月

   ■「新たけべの彩時季」

5月の彩時季

(左上から右へ)

 *2日発信 鯉のぼり上がる  *2日発信   *2日発信 町中のツツジロード  
 *8日発信 用水の魚とり  *8日発信 大物ブラックバス  *8日発信 ナマズが獲れた
 *アヤメ咲く  *ヤギと犬のフクちゃん  *サボテンの花



 年に一度、アッという間の60分
 
 2021年5月9日発信

魚とり

 水門が閉じられ行き場を失った魚たちが、右に左にすばやく動きまわる。
 田植えの準備に入るこの時期に、おそらく数百年前から行われていただろう建部を縦断する旭川の水を田に引き入れるための用水路の大掃除。
 数キロに渡り延々と流れるこの用水に堆積した土砂やゴミで自然と水の流れが悪くなる。そこで、年に一度、水をせき止め、各地区住民総出のクリーン大作戦。
 


魚とり

 岡山市環境学習センター「めだかの学校」が主催する大井手用水の魚とり、記者が関わってから10年も経つだろうか。 昨年は中止し、今年はコロナの影響を考え半数の定員で募集したが、ものの1時間で満員御礼、キャンセル待ちが9家族も。
 その人気ぶりは、一度体験した人には忘れられない魚とのダイナミックな対峙にあるらしい。


魚とり

 この日の参加者も「ずっと昔に、上の娘を連れてきたことがあって、そのとき大きな鯉が何匹も捕れたのを覚えていて、インターネットで調べて応募しました」
 他にも「かいぼり調査によく参加していて、家族全員、魚、大好きなので、人から話を聞いて来ました」
 さらに嬉しいことに、これまでこの授業に何度か参加し、今ではお父さんが岡山アスエコ指導員の資格を取り、中学生になったお子さんもその道を目指すまでになったWさん親子。今回はスタッフの助手として後輩の面倒をみる立場(あんなに夢中に魚を追いかけ回していたのに、すっかり大きくなって、早いもんだなあー)  


魚とり

 正午過ぎ、用水口に集合した5家族17名は武藤館長、世話役の井口さんから説明を受け、さっそく、水の引いた水路に足を入れる。
 水底には昨年、仕掛けたヤナ(魚の宿)が10数か所置かれてある。まずは、子どもらにヤナの筒をそっと持ち上げ、大網にドッと傾けてもらう。
 いました、うなぎとナマズ。もうこうなると、興奮しきりの参加者はあっちでバシャバシャ、こっちでザブザブ。


魚とり

 50センチ級の大物3匹はブラックバス。外来種のバスがここで獲れるのは初めて、そのせいか、いつもは集団で見られるフナなどの小魚が少ない。
 ナマズたちは今年も健在だ、一人が一匹、獲れるほどの数。
 「あっ、お父さん、カニがいた!」女の子の網にはモクズガニ。
 「この赤いのなんですか?」手で捕まえようとしたのは、刺されると痛い、絶滅危惧種のアカザ。  


魚とり

 こうして、少人数精鋭部隊による魚とりは、ちょうど1時間で終了。さすが自ら応募するだけあって、どの子も果敢に魚に挑む姿が印象的だ。
 岡山市アスエコの指導員、柏さんによる「魚の学習」を受ける。


魚とり
魚とり

 「今日獲れた中で外来種が2種、ブラックバスとミシシッピアカミミガメ があります。この外来種、どうして悪いか、 わかりますか、ブラックバス は?」
 「小魚を食べるから」(子どもたち)
 「そうだね、じゃあ、このミシシッピアカミミガメ は何を食べる?」
 「レタス」(子ども)
 「いや、レタスとちょっと違って、水草の新芽をぜんぶ食べつくす、だからいけないんです」
 「へ~、そうなんだ」(親たち)


魚とり

 「この魚はタナゴです、そしてこれが二枚貝、でもこの二枚貝がいないと、タナゴは生きていけません、なぜでしょう?」
 「タナゴが貝にタマゴを産むから」(ものしり子ども)
 「同じ、二枚貝にタマゴを産みつける、この赤い目の魚はオスのカワヒガイです、何で赤い目をしてる?ゴミが入ったわけじゃないよ」
 「???」
 「これは婚姻色と言って繁殖期になると、こうして目が赤くなります」
 「なるほどね~」(親たち)
 


魚とり

 つづいて、せっかくだからW先輩にも聞こう。
 「この虫はなんですか」
W君)「これは、コシボソヤンマのヤゴです、他にもコオニヤンマ、コヤマトンボなどがいました。あとこの小さい虫はナベブタムシと言って刺されるとメチャ痛いです」
 「ああ、私の足にさっき、かみついたわ」(お母さん)


魚とり

 本日の採取結果、魚12種類(ウナギ、ナマズ、ギギ、アカザ、ヌマチチブ、カマツカ、カワムツ、ムギツク・・・チュウガタスジシマドジョウ*外来除く)
 エビ・カニ類4種(モクズガニ、スジエビ・・・)他にスッポン、貝、ヤゴ類。
 コイ、フナ、サツキマス、ドンコ・・・今まで見かけた魚たちが見当たらないが、これも自然の中での変化なのか、来年を待つしかない。


魚とり

 勉強をひと通り終えて「じゃあ、みんなで手分けして、外来種は除いて、魚たちを川に戻しましょう」
 一匹、一匹、網から解き放たれる魚たちを「また会おうねと」子どもらの目が追いかけていた。


魚とり


 (記事・写真 三宅 優 写真提供・めだかの学校)





 どこにも出かけなくとも、建部の中で十分、楽しい時を・・・
 
 2021年5月5日発信

ゴールデンウイーク

 「どこにも出かけないで」と言われると、奇妙にも出かけたくなるのが人の心 ? 建部町を縦断する国道53号線でも、このゴールデンウイーク、車の数がグ~ンと増えている。
 南から北へ、西から東へ、何を求めて人は動く。町内のスーパーは見慣れぬ客のオンパレード、マスクをしていないことも気にかけない健康若者集団。
 「オイオイ、ここは高齢化率50%目前の建部町、君たちが大丈夫なのはわかるけど、年寄りは不安に生きているんだよ」と言いたい気もするが、 自分の若い時もこんなものだったと知っているので止める。
 空には鯉のぼり、いつもなら「ああ、もう5月か」と立ち止まり、幾方向からも写真に収めるのだが、コロナを身近に感じつつある中では気持ちも乗らない。

ゴールデンウイーク

 せめて、町内を散策する分にはいいだろう。久しく歩いていなかったが、ツツジが満開だ。ここの「ツツジロード」は手入れが行き届いていて、いつも”観せる”ツツジが並ぶ。
 近所の家では、毎年、大きなボタンを咲かせるのだが、行ってみると見事、特大サイズが花開いていた。楽しみに育てている90歳のお年寄りに聞く。
 「もうなあ、どうにか、今年も咲いてくれました。いつまで咲かせられるか、わからんけど、咲くとなあ、うれしいもんですよ」
 

ゴールデンウイーク

 新しい草刈り機を購入したので、試し運転。
 「いやー、今のはよく切れる、こんなんだったらもっと早く買い替えればよかった」11年前に、ここに移り住んでまず買ったのが、マウンテンバイク、薪ストーブ、それと草刈り機。10年、ホントによく働いてくれた、と言っても、修理してまだ頑張ってもらう予定だが。(笑)
 

ゴールデンウイーク

 石を裏山から拾ってきて、並べてみる。石ころだけで作品はできる、何よりも経費が掛からない、環境に優しい、自然に戻せる、残されて迷惑になることがない(笑)

ゴールデンウイーク

 振り向けば、南の空に虹。何もなくても、どこに行かなくても、人生は十分に楽しい・・・。

ゴールデンウイーク


 (記事・写真 三宅 優)





 


    先月の建部のニュースへ




 トップページへ戻る