■「新たけべの彩時季」
県内、感染者総数1200人超え。コロナで開け、コロナで年を越すこととなった2020年もあと残り三日。
一年、振り返れば、突然に”今までとは違う生活スタイル”を求められ、てんやわんや。
今に至っても、まだ”違うスタイル”を見出せない人が多いのでは。
さて、この年末年始はどう過ごしますか?人が集中する場所には出向かず近場で楽しむ。それこそ、子どものころ遊んだ公園、近くの神社やお寺を訪ねるのも良策。
記者(グルメレポーター)のおススメは生きものとのスキンシップ。建部は動物と暮らすには格好の場所で、我家には目下、ヤギ2頭、猫2匹が住んでいる、
そこへ先週、近所の爺ちゃんが飼っている犬がやってきた。爺ちゃんが入院することになってのホームステイ
。
一番困惑したのは猫たちで、今まで家で主人の愛情を独り占めしていたのが、朝から夜までワンちゃん時間が占有。
ヤギたちはというと犬の登場に少々驚いたが、無視することにしたらしい。こうして台所の床にダンボールを敷きつめて、犬、猫、人の共同生活。
この生きものたちは、人間なくしては生きていけない。それゆえに信頼しきった目で人を見る、この眼差しを裏切ることは決してできない。
今日は元気になって退院してきた爺ちゃんが、正月飾りを綯っているのをみんなで見学。
(爺ちゃん)「もう、ホンマに犬でもネコでもかわいいもんでぇ、人間みてえに金をくれとは言わんもんなあ」
(記者)「そりゃあ人間みたいに人を騙したりしないよ、コロナにもかからないし」
それを聞いて、(ネコ)「ミャー、ニャーニャー(そうは言っても野良の生活もたいへんでぇ)」
(犬)「ワンッ!(ワシもそう思う!)」
そんな会話を想像して時間を過ごすのも、これからのゆとりある”新ライフスタイル”
なのかなあー。
最後に今年1年、いろんなことがありました。でも「たけべ新聞」、皆さまのあたたかいご支援をいただき、どうにか続けられました。感謝!
岡山市でもクラスターが発生したとのニュース、県内感染者は900人を超えた。ゴーツーも停止、「だから、そんなことやるべきじゃなかった」「いや、そんなこと言ったって、広まるものは広まる」混迷する社会。
ここは一先ず落ちついて、音楽でも聴いて気持ちをリラックス。建部町公民館で開かれたこの時期、恒例「クリスマスコンサート」今年は無理かなと諦めていたら、開催するとのこと。嬉しくなってマスク、手洗い実行で赴く。
出演は昨年も来館の弦楽四重奏「ルヴァンデスト(Le vent d'est)」(フランス語で”東から吹く風”)。バイオリン1
・2 チェロ、ビオラによる構成。
演奏会に訪れた「建部大学」「みんなの喫茶室」のメンバー20名(全員が65歳以上)は最前席を開け、ディスタンスを保っての聴講。
1曲目「日本の四季より」ビバルディ風に日本の唱歌でまずはウォーミングアップ。
2曲目「坂本 九 メドレー」おなじみの「明日があるさ」「見上げてごらん・・・」「上を向いて・・・」で
、思わず口ずさみそうになったが、歌は自粛。
3曲目、映画音楽から「踊り明かそう(マイフェアレディ)」「エデンの東」「80日間世界一周」「星に願いを(ピノキオ)」
ジェームス・ディーンの列車に乗って行くラストが脳裏に浮かぶ(懐かしいー)
最後はクリスマスソング メドレー
「きよしこの夜」「ホワイトクリスマス」弦の響きは眠りを誘い、この頃には聴衆の8割は夢の世界(笑)。
正味1時間のミニコンサート。窓の外はどんよりと冷え込むばかりの曇り空。それでも参加者は明るい顔で会場を後にする。
”音楽は希望をつれてやって来る”の言葉どおりに。
(レポート・写真 三宅 優)
何ごとも始めるのは簡単だが、それを維持していくのは難しい。
昨年の暮れに開かれた岡山市環境学習センター「めだかの学校」での「めだかクラブ交流会」に於いて、
「お客様が子どもさんと来られて、池を覗かれて”濁ってよく観えないね”と言われるのがつらいです」
と沖指導員からのお話。
そう言えば、前回に池の掃除をしたのは6年ほど前になるか、それも外の小川の部分だけ。館内にあるヒョウタン池となると・・・記者がクラブ員になって10年、
一度もない。
「それは、やったほうがいい」となったが、いつ、だれが、どんな方法で?
今年4月の交流会でも再度「生きものが住む状態ではない、本来の環境に戻したい」と提案がなされ、本年度中の実施が決まったのだが、
「どんな方法でやるかなあ」
学校職員の頭を悩ます。
沖指導員から「12月にやります」と連絡があったのは夏も終わりに近づいた頃。
「今年は中のヒョウタン池にしぼってやります、水を抜いてドロを引き上げます」
こりゃあ、人手がいるなあ、前の小川の清掃時も5~6人がかりで泥まみれになった。
12月になって準備は着々と進められた。実施日は15日となったが、それ以前に職員だけで水を抜きヘドロを干上しする作業に入った。
そして当日、学校職員、臨時職員、記者の5名で作業に入る。人手が少ないようだが、これまでの作業段階で水抜き後の泥撤去より、水を攪乱して泥水を排出するのが
効率的と判断、少人数での実施となった。
排水ポンプを入れ、一斉に池の底の泥をレーキで搔き回す。たしかに泥が粘土質ではなくアク状なので、干上がらせても固まらない。
とは言え、結構くたびれる。そのうち、ポンプ一機ではらちが明かないと判断、3名はバケツ汲み出し方式に変え、フル回転。
水が引くにつれ露わになった石積みを高圧洗浄機で洗う。底面が見え始めたら後はコツコツ、チリトリですくい取る。
いつの間にか正午過ぎ、今日は昼からとくべつ寒くなるとの予報。早く飯食って、いっきに終わらせねば。
再び川水を入れる。まだ濁りが納まらないので透明度はしばらくしないと出てこない。
しかし、あれだけの泥水を撤去して、以前に比べ環境は大幅に改善したに相違ない。
疎開していた鯉が放たれる。「どうだい、あたらしい水気分は?」
「バシャ!(最高!)」と言ってくれたかどうか、生きもののみぞ知る(笑)。
次回の「春の小川クリーン大作戦」は〇年〇月、まだ未定。でも我々の手できっとやる。
(レポート・写真 三宅 優)
コロナの猛威に日本中が苦戦をする中、気がつけば師走。ここ「里山建部」でも本年最後となる共同作業が2日間に分けて行われた。
先月リフォームした新しい炭窯では、どんな炭が出来上がっているだろう。メンバーの一翼を担う当新聞編集長(勝部)も気が気でない。
日曜、朝9時、駆けつけた13名らがそれぞれ受け持ち作業に取り掛かる。
軽トラ、フル運転、何にしても山ではブル(トーザー)と軽トラが無ければ用をなさない。早い速い、男たちの運転は踏み込み強く、さばきが巧み。
あっという間に、マキの大群を移動。
炭焼き窯の蓋が開く、薄暗い中に懐中電灯の光が入る。こんもり盛り上った灰の山、その下から現れるのは「優」の炭?「良」「可」?
編集長、自ら窯入りするという。大人がかがんでやっとの入口、閉所恐怖症の記者は想像するだけでパニック。
両膝ついて勝部がノソリ、ノソリ、窯に消えること5分。「じゃあ、運び出すからトレイをよこしてー」
トレイが送られ返されるまでに「うん、まあまあ、完成しているなあ」
ズルズルっと現れ出でたり青黒の備長炭。「オオ、いいじゃない」と歓声が。
何往復もして小屋に積まれた「優」の炭、使われ先はどこだろう。焼き鳥、焼肉屋のジュウジュウ焼ける肉の下?
「でもなぁ、今、ホント、食べ物屋がタイヘンだものなあ」いっしょに炭出しに精を出していた佐藤誠さんのつぶやきも、
行きつくところは”コロナ”。
翌日も別メンバーが加わりベースキャンプの大整理、シイタケ栽培用、マキ用の原木を軽トラ満載で運び出す。
今年から参加の近藤奈緒さん(黄色い毛糸帽)に一年を振り返って感想を聞く。
「やってみて、そうですねえ、少しサバイバル力が上がったかな(笑)。
山でキャンプしたことはあっても、こうしたことってなかったので新しい経験でした。
皆さんからもパワーをもらいました。来年は草刈り機をマスターしたいです」
何のなんの、その皆さんの評価は「いやあ、近藤さんは元気だねえー」「ホント、力あるよなあ」べた褒め。
都市部では人との密が常に気がかりだが、ここ山間地、建部では新鮮な空気が吹き抜ける。
この里山が止まることなく続けられたことに感謝する。
(レポート・写真 三宅 優 写真 勝部志乃)
「牛歩」(ゆっくりと進む)「牛耳る」(組織を思うままにする)「牛に引かれて善光寺参り」(自分の意志ではなく行ったのが良いことにつながる)「牛のよだれ」(だらーっと長く続く)「暗がりから牛」(判別がつかない)「喰って寝ると牛になる」(食後すぐに寝るのはよくない)・・・。
あなたはいくつ、牛(丑)の諺(ことわざ)を知っていますか。
牛の喩え(たとえ)が多いのはそれだけ牛が人に身近な存在だという証し。子(ねずみ)から始まって来年の干支は丑(うし)。これにちなんで岡山市環境学習センター「めだかの学校」内にある「おもちゃの宿」展示室では今年も暮れから来年にかけて「干支展」を開催。
故・赤枝郁郎先生が集められた日本全国の郷土玩具数千点の中から「うし」にまつわる作品を展示。紙や木、土、鉄、ワラなどの素材を使って、さまざまな牛が表現されています。
では記者(グルメレポーター)のおススメウシ君を紹介。
一番目はやはり牛の玩具といえば「赤べこ 張子」首をユサユサ、その動きが本物の牛にそっくり。ちなみに「べこ」とはウシの鳴き声「べー」と「子(こ)」が合わさったものだとか。わんこ(犬)と同じ。
2番目は「牛 土鈴」牛のドデカイ頭に鈴が入っている。怖いもの聞きたさに振ってみると「リンリン」かわいい鈴の音。
この土鈴シリーズはウシの表情が実にユニークでユーモアたっぷりなのが見どころ。小さな作品に込められた作者の茶目っ気が伝わります。
3番目「牛のり天神」天神様は学問の神様、菅原道真公を祀ったお社。その中で大宰府天満宮に鎮座する御神牛像は有名です。道真公と牛がどのようなつながりかは諸説あって不明(生まれた年が丑年だった。遺体を運ぶ牛車がこの地にとどまった・・・等)
この「牛のリ天神」は人間国宝「宮内フサ」さんの手によるもの。手描きのぬくもりが伝わる、ほのぼのとした作品です。
さて、いかがでしたか。日本の誇る民芸の世界、その奥深さをあなたの目で確かめてみませんか?きっと「の~んびり」良い年が送れますよ。
(レポート・写真 三宅 美恵子)
開催期間:令和2年12月10日から令和3年3月末
会場 :岡山市環境学習センター
「めだかの学校」おもちゃの宿
開館時間:9時~17時
入場料:大人310円 子ども100円
定休日:毎週火曜日(年末年始)
お問合せ:086-722-1231
知人の市場さんから電話で「日曜日、女性何人かで建部に行くんだけど、どこか歩ける山ご存じない?」
「ん?」と来れば法寿山、建部古道。
「あるけど、案内がいないと、ちょっと登りにくいかも」
そう言ってガイド役を買って出た記者(三宅)。さっそく相棒の当新聞編集長(勝部)に連絡。共に建部案内人として今年8月「OHK・なんしょん?」にも登場、まさに”建部のことはワシらに任せろ”の請負人
(かなり誇張)。
日曜、朝9時、集合場所の「たけべ八幡温泉」駐車場に行く。すでに女性陣は到着、会話で盛り上がっている。
見るからに好奇心旺盛、歩くことに自信あり。
年齢は40代が1人、70歳前後が4人の計5名。
「どういうグループですか」と勝部。
「コロナ後に県内の山に限定して歩こうということでやっている仲間なの」(市場さん)
なるほど、わざわざ遠くまで出かけることはない、この機会に県内の山を歩いてみる、災禍をチャンスに取らえる発想。
さて簡単な自己紹介を終えて、いざ出発。が、歩き出してもおしゃべりは止まらない。
「ねえねえ、○○ちゃん最近どうしている?」「ええ、△△さんと元気に・・・」
「ああ、△△さんとは私もこの間ね・・・」そのうち「あら、あの家、変わっている何屋さん?」
「コーヒー豆の焙煎店です」(三宅)
「まあ、帰りに寄って帰りましょう」「ええ、そうしましょう」
とにかくあれも聞きたい、これも話したい。立ち止まって眺め、写真に撮って、またお喋り。
一行は建部上、法寿山麓にある「建部祭り」で有名な七社八幡宮に入る、ここの境内脇から上に山道を行く。
山の標高は212m、直線にして1km、40分程度の登山。
去年、葺き替えがなされた随神門をくぐり、広い境内を右へ。山の入口は上から引越したばかりの妙見様が目印。
「そうよねえ、もうみんな歳を取って、上がって行けないわよねえ」
「もう、そのうちお墓なんか作る人いなくなるんじゃない?」
「”ネットお墓参り”があるぐらいだものね」
ガサゴソ、湿った落葉を踏みしめ踏みしめ、先ほどの妙見様の居られた旧お社に出る。
「僕らの年代の人は、ここを若かりし頃のデートスポットにしてたそうです」
「へぇー、なるほどねー」同年代がすかさずリアクション(笑)。
さらに行く、水の流れ出る沢「法寿の水」。
「昔の人の知恵で山上に溜まった雨水を天水と呼んで、飲み水や用水として使ってきました」
勝部の解説に
「これって、今も飲めますか?」
(勝部)「えっ?・・・自己責任でどうぞ(笑)」
道の正面に広がってきた青空、左には巨大石。石に刻まれた「阿弥陀様」を背に旭川と福渡の町並みを一望する。
数百年も前から建部や近隣の多くの人がご利益を得ようと参拝をしてきた。一時は茶店、線香売りの小屋が立ち並ぶほどに賑わったらしい。
子どもの頃、ここでお弁当を拡げたと言う人も多いと聞く。
パワースポットでエネルギーを頂いた後は、傾斜面を一気に頂上へ。
さすがにこのあたりになると会話も途絶え、足元に神経集中。
少し下り坂になって来た所で右手に水面が現れる。『池の山池』の表札。
「まあ、おもしろい名前。前から読んでも、後ろから読んでも同じみたい」
変な名前と思っていたが、言われてみれば確かに・・・人って面白い、ずっと気になっても解けない者(記者)もいれば、すぐに言い当てる人もいる。
「第14号・15号古墳」標柱の後ろにはポッカリと穴の開いた石組の部屋。大化の改新(645年)の頃、造られたとされる豪族のお墓が斜面に出現。
「どうやって、この石を運んだかというと、丸太を並べてその上を滑らせて・・・権力者がやることだからねえ」(勝部)
そして遂に頂上「法寿山三角点」到達。登頂の証しを写真に収めたら、帰りは別のルートをひたすら下るだけ。
追記:昼食後、記者宅(ドレミファミリア)に再び、市場さんのお孫さんも加わりヤギ見学に来訪。当家ヤギたちも、パワー溢れる人たちにうれしくなって興奮しまくり。
(レポート・三宅 優 写真提供 市場恵子)