■「新たけべの彩時季」
こんな広い空間なら思う存分、話し合っても大丈夫、コロナも通り過ぎてしまうだろう。
昨日(25日)開かれた「たけべ中学生だっぴ」、建部中学2年生と大学生、そして大人を交えた交流イベント。
今回で4回目を迎えるが、記者が取材したのは3年前、第1回「だっぴ」。
あれから記者のアナログ受信機が機能せず取材から遠のいていたが、久しぶり出かけることに。
この日、参加したのは建中2年生24名、大学生を中心とした「だっぴ」メンバー9名、建部に住む大人8名(平田、江田、岸本、大塚、杉山、雨宮、トッシー、森本さん)。
午後1時、体育館に集まった40名はそれぞれ均等に7チームに分散、司会者の説明に従い会を始める。
まずは「ジェスチャーゲーム」袋から取り出した題目をいくつジェスチャーで伝えられるか
いくぶん打ち解けた後はフリップを見せながらの自己紹介。
ニックネームの由来は?、その趣味ってどんなことするの?
話し手よりも聞き手が興奮、ついつい時間延長。
ここまで来ると心も体もホグレてスタンバイOK。
そしていよいよ本番スタート。司会者の上げるテーマにそってチームごとに全員が回答し発表する。
最初のテーマは『今、はまっていること』
生徒たちは当然、ゲームやアニメ、音楽、ダンス。大学生もアニメに映画、旅行など。
大人はというとお菓子作り、サイクリング、テレビドラマ。共通に好きなゲームだとわかった途端、学生と生徒の話がはずむ。
第2問 『初対面のときに大事にしていること』
意外や中学生は日常の基本的なマナーである挨拶や礼儀といったことを大事にしている。
それを知って大人たちも一安心。大人になってもそれはとっても大事だよと応じる。
第3問『次の一歩を選ぶとき大切にすること』
これは大人でも難解、全員が「ウーム」と腕を抱えてしばし考えを巡らせる。結果はみんな「これかなあ」と出しただけあって
意味深い回答が続出。それぞれが「なるほど」と相槌を打つシーンが広がる。
第4『自分の好きなところを教えてください』
自分の得意なことから、性格のこと、おっちょこちょいも気に入ってる。
いろんなことが自分の魅力になるとわかってきた。
休憩を挟んで、後半はメンバーチェンジしての語り合い。
問5『今だから言える、やっちまった話』
もうこれは年齢関係なく、誰もが「ある、ある、わたしも」の失敗談。
「なーんだ、大人でもそんな失敗やっているんだ」生徒の顔がマスクの下で微笑んでいる。
6問目『10年後の自分は何してる?』
キビシイ質問。将来をこれから向かえる人、ある程度、道が見えてきた人、しっかり道が定まってきた人。
でも現実を見つめながらも、それぞれがこれからの自分を思いっきり描いてみよう。
「ヨーシ、○○になるぞ!」”夢は大きく、人にできないことはない”
最終問『今日の感想を』
中学生たちの反応は?「初めてだったけど楽しく話し合えた」「いろんな大人の人がいることがわかった」「失敗してもいいと知った」「大学生の声が聞けて良かった」
「自分がけっこうしゃべれて楽しかった」
(記者感想)
振り返ると出だしは、生徒たちの”身構え”が強かった。それが大学生たちの今の自分への素直な感想、大人たちは自分がこれまで生きてきことのみっともなさを照れることなく伝える、そのことで次第に”打ち解け”につながった。
終わってみれば、生徒たちのホッとした表情、学生たちの満ち足りた顔、大人たちのメッチャ嬉しい顔。
さあ”大いなるだっぴ”に向け、明日から「スタート!」
(レポート・写真 三宅 優)
コロナはジワリと町中を増殖中、気も休まらない毎日だが、台風シーズンはどうにか時季を越しそうで、そちらの心配はひとまず小休止。こんな時は防災を整える絶好の機会、3密に注意しつつもやっておいた方がいい。
福渡ではこの日(11月19日)北区保健センター2階を借りて「お年寄りのための防災教室」が開かれた。
福渡町内会ではこの春に自主防災組織「福渡みんなの防災団」を立ち上げ活動を開始。災害危険地区を対象に避難計画を立て、必要備品の購入や新規避難所の提携を進めてきた。ただ避難訓練はコロナの影響で学区の「防災キャンプ」も中止になり、町内での初訓練も難しい状況。
そんな折、今月、町内の老人会「すずらん教室」で防災をテーマにすることが決まり、急遽「ミニ防災キャンプ」を開くこととなった。
講師は記者(三宅)に命じられたので、さっそく岡山市危機管理室に備蓄品の供出を依頼、
アルファ化米、長期保存水40セットを先日「岡山市防災まちづくり学校」に参加した際に頂いてきた。
キャンプの流れは、①「自分の住んでいる場所のハザードマップを知ろう」「一昨年の7月豪雨を振返ろう」
②「災害の危険が迫った時、自分の取る行動を確認しよう(マイタイムライン作成)」③「避難所生活を模擬体験しよう」
の3部構成とした。
この日集まったのは町内のお年寄り、役員含め30名弱。栄養委員さんも応援に駆けつけてくれた。
窪藪防災団長が「自分の家は大丈夫と思われているかもしれませんが、何が起きてもおかしくない時代です。皆で防災について学んでおくことが大切です」と挨拶。
記者はスライドを映しながらハザードマップ、避難場所の確認。一昨年、7月豪雨での建部町での状況を説明。続いて『浸水と土砂災の危険が高まる中、あなたはどうしますか?』の問い。「避難するひと」「避難しない人」それぞれのチェックシート(PDF)に記入してもらった。
『・・・する人』には「いつ」「どこへ」「誰と」「どんな方法で」「何を持って」。
『・・・しない人』には「何故しないか」「家のどこに避難するか」「停電・断水時の対応は」
人数は「避難する人」3分の1「しない人」3分の2の割合。
「しない」理由は「家が一番安心だから」
『する人』の避難先は「コミュニティ」「公民館」、やはり身近な所が選ばれる。
『子供の住む家に避難したら?』
(ボソッと)「やっぱり、子どもには迷惑はかけられん」オイオイ、そんなことでどうするの??
『誰と』は、当然、「一人で」「近所の人」。
『避難する人でペットを飼っている方はどうしますか?』この質問には、さすがに親身。
「そうよねぇ、どうしようかなぁー」
『持出品、防災品の用意をしていますか?』
「している」がなんとわずか2人、「雨の時期が来たらする」「家の中には色々あるから」・・・ますます不安。
休憩をはさんで避難所模擬体験。まずは防災キャンプの定番「アルファ化米」「長期保存水」「缶詰パン」の説明。
『食べたことある人?えっ、お一人だけ?パンは今日、食べて頂くとして、ご飯は持ち帰ってぜひ食べてみてください、けっこうおいしいですよ』
会場後ろに設営された避難所キャンプ。段ボールの間仕切りに銀マットが敷かれた仮眠スペース。
『実際に寝てみましょう』
「おお、これはけっこう寝れるよ、マットが温(あった)かい」
『水、食料、懐中電灯などが入った持出リュックの重さを確かめてみましょう』
「へー、けっこう重い、こんなに背負えんなあ」
『あなたは一日どれくらいおシッコをすると思いますか』当新聞グルメレポーターが液体の入ったペットボトルを振りかざしながら、あやしい質問。
『私、自分で試してみて一回で250㏄、一日8回だったので、2リットルも・・・』
それからバケツやダンボール、ゴミ袋を使った簡易トイレの作り方、処理方法へと進む。
女性陣がひときわ関心を持ったのは、避難所で使う新聞紙で作るスリッパ。
「へえー、こんなんでできるんじゃなあ」「まあ、ホントに」
そろそろ時間はお昼、前のテーブルに用意された4種類の缶詰パン「イチゴ味」「ミルク味」「チョコレート味」「キャラメル味」、さてお味の方は?
「あら、おいしい、全部ひと通り食べてみたいわ」「キャラメルが気に入ったわ」「うん、これで今日の昼めしはいらん」「避難所もこんななら、一日ぐらいは、ええかもなあ」
終りは自分でチェックしたタイムライン表、保存水、アルファ化米、ホッカイロをおみやげにして、
明日からの備えに向かって元気な足どりで解散となりました。
「子どもに遠慮することなく堂々避難すべし、老人よ!」
(レポート・写真 三宅 優 写真・井手誠二)
市が進める自主防災組織の普及100%を目指した取組み、その一つとして町づくり防災教室が今年3回の日程(1回目はコロナで中止)で今日、最終回が開かれた。
午前9時、中区桑野にある消防教育センターでは消防音楽隊のトランペットのチューニング音が響く。前回は地域における防災組織の課題と要配慮者の支援について学んだが、
今回は具体的な避難支援体制づくりについてステップを追って市の担当者の方から説明を受けた。
要配慮者には寝たきり老人や病気を抱える要介護者だけでなく幼児や言葉の分からない外国人も含まれる。その人たちをサマリーして把握する、かなり難度の高い仕事だ。
「無理をしない程度に、それでもできるだけ根気よく」(行政からのアドバイス)とは言え個人情報との絡みがあり,、一町内会の者が踏み込むのは双方共に抵抗がある。
結局のところ、日頃からコツコツ声掛けしたりして人間関係をつくるしかないようだ。
最後に前回、参加者から提起された課題についての回答もなされた。
(課題)「避難所が少ない、遠い」→(回答)「家の2階に避難するのも良い」「隣接する学区の避難所もある」「地域にある工場、専門学校、施設と協定を結ぶ」
「避難勧告の範囲が広すぎる」→「細かい地域単位での対応を今年から進めている」
「要配慮者の把握の仕方が分からない」→「市の名簿(安全安心ネットワークが保有)をベースにする」「自治会等、最小単位で聞き取りを推進する」
「支援者はどこまでやると決めたらいいのか」→「できる範囲で最小の支援を」「電話をかけるだけでも良い」
「支援者の担い手がいない(老々介護)」→「家族を中心に支援をするのが前提」「協力団体に相談」
「町内会未加入者の対応(市内入会率80%)」→「要配慮者を優先する」「無理強いしない」
この日は2部として東岡山に位置する千種学区連合町内会、会長の是永さんの講演があった。千種連合町内会は人口4100人、1600世帯、12町内会から成り立っている。
平成25年に防災組織の準備に入り、翌年に組織を結成、以来、活動を続けてきた。
そんな中、一昨年の7月豪雨では吉井川が9mという最高水位に達っし、町内を流れる砂川が氾濫し弓削地区が浸水した。避難者は万富公民館で80数名、他の施設にも多くが避難、しかし家屋への浸水はあったものの一人の死者も出さずに事なきを得る。これまでの活動が活かされるかたちとなった。
昨年は防災キャンプを実施。実際に公民館に一泊するという企画に30代~40代の家族が参加し、つらい体験を共有することで世代間を超えたつながりができたそうだ。
是永さんが、今、取り組んでいるのは要支援者の個別避難計画。全世帯にアンケートを取り、要配慮者の洗い出しを行い、個別にどう手を差しのべるかを検討している。
「一人の死者も出さない、そのために災害を恐れても、防災活動をやることを恐れてはいけない」是永会長の言葉が心に残った。
3部はグループワーク。①「若い人にバトンタッチ、引き込むには」②「高齢者、要配慮者とどうコミュニケーションをとるか」③「訓練や研修のマンネリが続かなくするには」という課題にそれぞれがアイデアを書きだす。
①については「若い人の会に町内会予算を付ける」「ラインで防災連絡会をつくる」(記者)
②について「毎月100円カフェを行い話の場をつくる」「防災通信を作り回覧」(記者)
③について「マンネリにすら至ってない(笑)」「体験者の話を聞く」など。
どのグループも積極的に付箋にアイデアを書きつける参加者の姿が印象的だった。
(研修に参加しての感想として)
先月の「北区防災交流会」含めて3回の研修を終えた。感想として、参加者が高齢者であることに配慮された?のか、広く浅い感じの内容だった。
もっと危機管理担当者、防災組織を担う人との真剣な意見交換、協力関係づくりを期待していただけに残念。
講義とファシリテーターによるワークショップ。「話を聞き、後で皆でちょっとだけ考える」
冒頭の課題に対する行政側の回答にもどかしさを感じるのは記者だけだろうか?
(レポート・写真 三宅 優 )
建部上にある七社八幡様の境内ではこの日、地区の「芋煮会」が予定されていて、町内のご婦人たちが芋煮汁の準備に余念がない。時間があるので久しぶりに山に上った。我が家の後ろもすぐ山なのだが、それさえもめったに上がらない。
法寿山、その古道は木洩れ日の下、落ち葉を踏みながら一歩ずつ。昨日の雨で滑りやすくなっているが、足裏に伝わる柔らかい感触がたまらなく気持ちいい。
昔の妙見様、今は高齢者が増えここまで来るのが大変とのことで下に移設。60年代の若者たちのデートスポットだったのは遠い昔。
そこからさらに上へ、右手に折れる道を進むと阿弥陀様。高さ2.7m、周囲7.2mの巨石に掘られた仏様、パワースポットは今もご健在。
前に目を向けると旭川と福渡町が眼下に広がる、以前は多くの人がお弁当持参で眺めを楽しんだそうだ。
芋煮会に参加して、山を下りて来た年配者の方たち。
「まあ、遠かったわ、思ってたより今はずっと」「もう、やっとじゃなあ、上がるのも」スティックを手にそれでもしっかり自分の肢で降りられた。記者もUターン、境内の手前まで戻ると芋煮のいい匂いが漂って来た。
広い境内には余裕で敷かれたブルーシート、これなら「密」の心配なし。子どもの数は少ないけどちゃんと3世代が勢ぞろい。すでに40名くらいの人が好きな場所に座って芋煮汁をすする。
「三宅さ~ん、食べてってー」忙しく切り盛りする栄養委員さんから嬉しい声がけ。「ありがとーうございます」
丼ぶりに盛られた芋煮には里芋、サツマイモ、ゴボウ、人参、ネギ、なめこ、コンニャク、油揚げが。真っ白いおにぎりと揚げたてカボチャコロッケも。
先に頂いていたオニビジョンさんも「いやぁ、ウマイっすねえ」
おばあちゃんたちも、「おにぎりがおいしいなあ、新米じゃけん」「外で皆と食べるとなおさらじゃなあ」
子どもらの会話はと言うと「これ(芋煮)ユズが入ってる、オレ、ユズ好きだよ、ジャムにしたのとか」「オレは一番好きなのはパスタだなあ」「そりゃあ、オレだってピザとか」
そばで聞いていたお母さんも感心する?ばかり(笑)
会を企画した井口松治、町内会長さんにオニビジョンさんが聞く、「どういった主旨で催されましたか」
(井口)「やはり我々はここで神様に守られているわけでなあ、こうして感謝して皆で集まる機会が必要じゃと思うて、とくにこういう時代になったから、
なおさら顔を合わせることが大切じゃないかなあ」
確かに密を恐れるあまり、心のふれあいをなくしてしまうのは愚か。
幸い建部には開放的な集まれる場所が至る所にある。
「さあ、外に出て自然の中で人と出会おう」そんな時代がやって来た。
(レポート・写真 三宅 優 )
世界はここ数日、アメリカ大統領選挙の結果に目が離せない。特に昨夜はフロリダを制したトランプ氏有利の速報が流れ、「そうか、やっぱりマスコミの予想は今回もはずれたか」と思いつつ寝る。
が、今朝になってバイデン氏がミシガン州を押さえ264人を獲得、王手をかけたとテロップ。う~む、2転3転、今の世の中どうなるか最後まで予測がつかない。
そんな荒れ狂うアメリカとはうって変わって、ここ建部町海洋センターB&Gのスポーツグラウンドでは朝から陽の光を十分に受けながら、人々がクラブを手に右に左にと動き回る。
御津と建部合同の「グラウンドゴルフ」の開催があると聞いて駆けつけたが、我が建部のチームがどこにいるか広すぎて皆目わからない。
なにしろ百名以上はいると思われる参加者が何チームかであっちこっち(8ホール?)「コーン、コーン」と音を立てているのが見えるだけ。
「ちょっと、避けててよー、どこに飛んで行くかわからんよー」ご婦人の打ち出したボールはその通り、離れて控えていたチームメイトの足元すれすれにころがる。
奥のコースでもクラブが振られ、ボールがスタートマットを発進、するとボールはホールポストに見事に”トマリ”(カップイン)。「おおー」いっせいに拍手、ホールインワンとなる。達成した年配男性の嬉しそうな背中。
グラウンドゴルフは高齢者の健康維持を目的に日本で作られたスポーツとかで、今日も少し足元がおぼつかない方を含め、ほぼ高齢者(遠目に)。このままグラウンドに下りて取材をと思ったが、夢中にプレーしている姿を見て、邪魔しないことにした。
スポーツの大半は観戦して楽しいものだが、こと「グラウンドゴルフ」に限って言えば、観ているだけではちっとも面白くない。やはり自分で楽しみながらやるスポーツなのだ。
人生の後半にそんな趣味に出会えた人は幸せだ。
(レポート・写真 三宅 優 )
5年というのは短いようで長い。たけべ新聞が創刊して今年で5年目、この間、幾度とない挫折、最大の壁はあきらめかけてしまう自分。
「サニーデイコーヒー」さんが開店したのは2015年11月2日。最初に耳にした時は
「こんな田舎町で本格焙煎コーヒ豆の専門店が成り立つのだろうか」と他人事ながら心配した。
それから、今日まで当新聞と歩みを同じくしてやってきた。結果は若い店主のたゆまぬ努力が実って、多くのお客様の支持を得るまでになった。
気づけば、当新聞はずっと後塵を行くばかり(笑)
記念すべき「5周年」に当新聞メンバー(松下りえ・トーコちゃんマン特派員 三宅グルメレポーター)でお祝いに伺う。外のベンチではご婦人4人の常連客?が歓談中。こんな光景ひとつ見ても、「気安さ」「温かさ」「信頼」が定着していることが伝わって来る。
いつもながらの心安らぐコーヒー豆の香ばしさに迎えられ、まずは江田ご夫婦にお祝いを述べる。
「おめでとう、ほんとうに、よくがんばってますね」折よく、お祝いに駆けつけた「キシモトケーキ」の岸本さんを交えての記念写真。
そして、晴れ渡った空の下、淹れたてブレンドを頂きながら、あらためて建部の自慢の一店となったことに敬意を抱きつつ休日のまったりとした時間を過ごす。
おみやげに頂いたのはパッケージに「旭川の風景」が印刷された5周年特製ドリップコーヒーと「建部獣皮有効活用研究所」の鹿皮のモバイルクリーナー。共に若い世代で連携を探っていることが何より嬉しいと感じた。
(レポート・写真 三宅 優 )
「11月1日は川の日」
「『いきいきごんぼ』=弱った魚を川にかえす時に『元気になってね』と思いを込めた地域のおまじないの言葉。
この行事の目的は、『旭川の環境を良くし、将来へと伝えていくこと』つまり『いきいきごんぼ旭川=旭川よげんきにな~れ』です。
そのため、川を干して川の環境を調べてきました。分ってきたのは、この川にはまだ多様な生きものがいること、川を干すことは一時的に生きものへの負担がかかっても、川の石を動かすことが、生きものがすめる空間を増やしていることです。みんなで川に入り、川を調べることで、川の環境が良くなる。そんな活動を続けています。ぜひご一緒しましょう」
こんな根カギリのメッセージが載せられた案内パンフ、さらに『岡山県での新型コロナウィルス感染症の発生状況によっては、中止になる場合があります』と記されている。「はて、さて、どうなるのだろう?」勝部編集長、自ら出向いての速攻レポートをお届け。(ここまで 三宅記者)
竹枝小学校前の河川敷は朝から吉田地区の皆さんが今日(11月1日)の「かいぼり調査」の会場づくりに懸命です。
テント張り、器材を設営する人、河原のゴミ拾いする人、ユンボに乗り川をせき止める人などなど、大勢が手際よい準備を進めていきます。
10時の開会を目指してスタッフのバスが到着。応募した29家族、約100名も河川敷に集合。
「未だコロナが日本中を駆け巡っている中、何回も会議や打ち合わせをおこない、紆余曲折ありましたが、こんな環境の中でも開催できる方法を模索し、今日の日にこぎつけました」実行委員長の入野誠町内会長のお話です。
ひとつは、募集案内では定員を100名限定、すぐにいっぱいになり、スタッフの岡山理科大学の学生さん、指導員の岡山野生生物調査会の皆さん、地域の皆さんあわせて100名総勢200名で実行しようと進めてこられたそうです。
運営も、受付での検温、アルコール消毒、マスクの着用などの励行、密にならないように、2つのグループごとに説明、まとめをおこない、開会閉会も最小限にして食べ物などの飲食も一切なしの形で進める徹底さに感心させられました。
進行役の元建部中学校長の能登さん、地元の川原さんの簡潔な説明でスタートしました。
「石をひっくり返したらアカザがいたよー」「トビゲラ見つけたよー」親子の会話があちこちから聞こえてきます。旭川南部漁協の岡田組合長も投網を持参し、水たまりの中で網うちをして魚の説明などをしてくれています。
次々と大きな水槽に魚や水中昆虫が持ち込まれ、指導員の先生に質問する子ども、お父さんお母さんと一緒に観察している家族。(こんな体験が自然との共生の大切さや思いやりを育んでいるのでしょうね)
全体のまとめでは、アカザ・カジカをはじめ魚21種、トビゲラ・ゲンジボタルの幼虫・ミズカマキリなど多くの水生昆虫が見つかり大盛会の「かいぼり調査」でした。
最後に閉会の挨拶に立った入野委員長「この企画は、竹枝小学校を盛り上げようとはじめ、今回で13回を数え、来年も必ず開催したい」旨を表明し、こんな時代だからこそ、未来への明るい話題が必要なんだと感じ入りました。
実行委員として初参加した岡山市環境学習センター
「めだかの学校」武藤館長の感想。
「当初、コロナの影響で参加が少ないときいていたので、行ってみたら40~50名のスタッフの方が動いていて、こりゃあ、すごい人の手がかかっていると驚きました。
当館の田地子川での調査ではなかなか生きものがとれないこともあるのですが、この調査ではさまざまな生きものが確認され、リピーターが多いというのも納得しました。
一回来ると来年も来たい、1日で定員締めきりになったのもわかります(笑)」
(レポート・写真 勝部 公平 ・ 武藤館長 )