■「新たけべの彩時季」
あれもこれもの行事やイベントが無くなって、寂しいーとのお年寄りの嘆き。そうだけど、先日の連休のテレビニュースで放映されていたような、みんながドッと同じ所に繰り出すのは心配だ。
少学校の運動会もどうするかなと気にかけていたら、午前中のみで、来賓もなしで縮小して実施と回覧があった。
親御さんだけでなく、おじいちゃんおばあちゃんも孫の成長を観るのは何より楽しみ、いい解決策だ。
しかし困ったことが、本日の取材、行けれるのは記者(三宅)一人、編集長もグルメレポーターも他の仕事。
朝9時、まず福渡小学校に赴く。スローガンがいつもの2階の窓に掲げている。
「あきらめないで協力して思い出に残る運動会にしよう」6年生の最後の運動会への思いが込められている。
開会宣言。(応援団長の激)「○組、がんばるぞー」
(○組チーム)「ハァ~」(笑)
(応援団長)「やる気あんのかー!」
そこで(チーム全員)「オー!」
ユーモアたっぷりに会場を湧かせていよいよ開幕。観客は児童数×3=保護者数多し。
今年赴任の校長先生は?と思いきや、リレーの行司役、福丸大王でしっかり登場、場内を盛り上げます。
以下は松下特派員のシャッターをご覧あれ。
給水タイムを機に建部小学校に移動(後は保護者で来ていた松下泰成特派員に)建部小に到着。
「オオっ」こちらはさすがに児童数が多いため、外目からもグラウンドに「運動会」ムードが充満する。
地区ごとの観覧テントもにぎやかで、でも全員がマスク着用を守っている。
スローガンの「心一つに気合全力ハッピー運動会」の文字がひときわよく目立つ。
観客席に回る。
「三宅さーん、遅いわよ、次がラストよー」「ええ?」
知り合いから声が掛かり聞くと、会は10時半までだと言う。
「福小は11時までだけど・・・」
「あそこは保育園と合同だから、竹枝は児童も少ないからもっと早いのでは?」
こりゃあ、大変だと慌ててシャッター。
最後の種目「リレー」赤、黄、緑、青色に分かれての盛り上る展開。「がんばれー」と言っていた応援団も「キャキャ、キャレー」と黄色に変色?
先ほどから一番良い、ゴールのテープカット前に陣取った、邪魔なおじさん。失礼!校長先生もカメラを構える。今年で最後のラン、その思いをコンカギリ刻もうとランナーたちが走り込む。
すぐに閉会式。優勝旗、優勝杯贈呈。短い時間、でも変わらず全力を出してヘトヘトの児童たち。大人のための行事から、子どもらの思い出に残る時間へ、何かが大きく変わりつつある。
竹枝小学校に行く。時間わずか、けど行ってみよう。何かを残したい、こんな時代の懸命な日々を。
なんとか閉会式に間に合った。グランドに勢ぞろいした児童たち、先ほどまでの興奮をまだ心にとめいているのがわかる。空いたイス席が妙にかわいい。
保護者の人たちに聞く「どうでしたか?」
「あっという間だった、楽しみの一輪車もなくて、でも出来ただけでスゴイよかった」
「短かったけど、一つの演技に障害競走やボール運び、玉入れまでいくつもの出し物を組み入れて、見ごたえがありました」
あらためて「どうだったですか?」コロナの怯え、でも生きていくことの必要性。
どうでしょう?精いっぱい用心して、その中でしっかり生きる喜びを見出す工夫を考える時では?
竹枝小スローガン「楽しもう!みんなといっしょに~3密に気をつけて、元気にがんばるぞ!~」の垂れ幕を横目にグラウンドを後にする。
只今、午前11時。
体育会はやったけど、文化祭はムリじゃない?誰もがあきらめかけていた建部中学校「第27回飛翔祭」。
実行委員長、市川君は「スローガンは”笑いのたえない飛翔祭”ですが、この様な状況なので大きな声で笑えないと思いますが、いっしょうけんめい頑張りますので楽しんでください」と開会の
あいさつ。
体育館には換気用の大きな扇風機、至る所に消毒液、イスも間隔を開けて設置と、3密を防ぐ手立てが万全に。
場内には今年で50周年を迎える中学校の何年目かの卒業生だったお父さんの顔が至る所。
オープニングは「建中吹奏楽部」。
たった一人の部員からスタートしてここまで育った、今や建中の「花」。まずは「ラデツキー行進曲」から。トランペット・ホルン・トロンボーン・ユーフォニウム・チューバ、管楽器はすべて女子。
楽器紹介を交えながら3曲目はもっとも練習に励んだというジャズのスタンダード「シング・シング・シング」。
「トントントトトントントトン・・・」太鼓の小気味よいリズムに乗り、それぞれが演奏の見せ場をこなす、そのたびに拍手。男子(2名)らによるパーカッションがとにかくきまってる。
ステージ発表に入る。「T-bomb」女子3人組によるヒップホップダンス。客席前に陣取ったカメラがいっせいに明るくなる。いっしょに体を揺らして応援するママさんらに、年代の差を大きく知らされる(笑)
つづいて「1年A組」による劇。仲間外れにされた少年がゴキブリと友だちになって・・・
名付けて「ゴキブリ東遊記」。ビートルズの名曲「レットイットビー」の流れる中、他愛のないストーリーがいつの間にか不思議な感動に。(シナリオ大賞)
休憩の後は、それぞれの名前の頭文字から名付けられた?女子ユニット「SKH」による歌。
「ただ君に晴れ」3年生3人による中学最後の熱唱に仲間の生徒たちの気持ちがいつしかひとつになる。
(すみません、写真がブレて掲載できませんでした)
「2年A組」の出し物はストーリー「夏色をさがして」
思い出をつくりたい子と忘れたい子、精霊がやって来て、そんな彼らと共にたどり着いた先は・・・。
夏の花火が最大の思い出、大人たちがあきらめかけている「建部の花火」の行方が心配になってきた。
シンボリックな背景画が効果的な抒情を盛り上げていた。(イメージ大賞)
休憩。ここでお父さん方の会話から。
「ああ、いつ出て来るだろうとハラハラ、だけど出たらチョコッと」
「いやあ、うちのも同じ、恥ずかしがり屋なんだよー(笑)」
(せっかくの子どものデビューを心待ちにしてたお父さん、でも、そのチョコッとが将来、役に立ちますよ)
休憩の後、男子有志「暁」による「ヲタ芸+ダンス」
ヲタ芸って?調べてみると「追っ掛けおたくの応援芸」だそうだ。で、ペンライトが登場ってわけだ。
カメラのシャッターを押しても光の線しか写らない、しかしこの残光に彼らの主張が込められている。大きな円に描かれた先には彼らの未来。
最終を飾るのは3年A組「元希ーズ」による大活劇「謎の大走査線」
銀行強盗が逆に女子行員に脅されて・・・警察、テレビ局入り乱れてのまさに「踊る大捜査線」。
一(ひと)ひねりも、二(ふた)ひねりもあって最後まで飽かさない、これは本家ドラマより
面白い?かたぶつ刑事、お笑い芸人が突然出てくる場面は特に最高。(全員が役者大賞)
時間が来ても、この日の祭りは終わらない?サプライズが飛び出した、教職員有志による「和太鼓」パフォーマンス。熱気立ち昇る演奏に生徒らからは「アンコール!」
閉会式、校長先生の講評。
「公開できずにいる学校もある中、すべきかどうか迷いました。でも今はやって良かったなあと思います。生徒のみなさんも緊張してやった達成感があったと思います。
今はたがいを誉めてあげてください。3年生は自分たちで創り上げたことに自信を持ってこれからも頑張ってください。今日はありがとう!」
記者感想
「コロナで限られた時間にギッシリつまったアイデア、工夫、想像力。ああ、建部に飛翔祭があってホントによかった(笑)」
(レポート・写真 三宅 優)
「しろみて祭り」から2か月ぶり「里山建部」の定例会。
夙山(あしたやま)の麓から「腹へったー」と何頭もの牛が唸るような声、たどり着くと巨大な樫の丸太を相手にチェーンソーを持ち格闘する男衆。
今日の作業は建部上の八幡神社で伐採したこの樫の木の断裁。その後、割ってマキにするか炭にするか・・・。
いつものメンバーの相変わらずの手際の良さに感心しながら、池の周辺を眺める。
草木の勢いは夏の勢いを残したままだが、水面を渡る風はヒンヤリとすっかり秋。時折り鯉がヒシの苔をむしり取る「バシャリ」という波打ち。
こんな時、時間が止まって、遠く大切だった人の声が聞こえてきそう・・・。
別動隊による下草刈りのモーター音が近づいて来た。「バリ、バリ」と鳴るのはロープ式草刈り機。足元を覆う雑草がまたたく間に
平になっていく。もう1台やって来たのはチップソー、高く伸びたセイタカアワダチソウが「バッサ、バッサ」と薙ぎ切られる。
池を囲む道では女子部による木々の選定作業。床屋に例えれば、バリカンとハサミでアフロヘアーをカリアゲに。
30分ほどで池の向こうまで見晴らしが効いてきた。人が自然に手を入れ調和を保つ、千年、2千年続いて来た自然との共存作業。
本日の仕事は午前中まで。
重本会長も「もう、無理をしないで、ここで終わって、また別の日にしましょう」
後は今年最後のスイカを食べて解散。チームにいつの間にか身に付いた「楽しむ山作業」自然流極意。
ここにないものを求めて若者は都会に出て行く、やがて都会では見つからないものを知り・・・。
人が楽しみを与えてくれる都会から、自分で楽しみを創り出す里山へ。
何の鳥だろう、さえずりがこだまする・・・「お~い、ここでいっしょに暮らしてみないかー」
(レポート・写真 三宅 優)
台風10号は日本を震撼させて過ぎ去った。この町では大きな被害は聞かれない、しかし注意深く見てみれば(この台風が原因ではないかもしれないが)、建物の壁が崩れたり庭木の枯折が散見している。いずれも空き家になって長期間を経た家だ。
建部町にどれほどの空き家があるか、地区によって差があるが、町全体では優に200、否、それ以上。
そのどれもが建てられた当時、希望に満ち、夢が育まれていたに違いない。
人はどんな時、希望を失うのだろう。戦争、災害、病気、愛するものを失くしたとき・・・そして自分の人生が長くないと感じる
「老い」。大きな家もいくつもの部屋も、溢れかえる調度品も不要、もはや重荷でしかない。
やがて住んでいたままに置いておかれる家たち、3年が過ぎ、5年、10年、そして数十年。かつては愛でられ、輝いていた柱や家具が見捨てられ
泣いている。
昨年、発足した「たけべ家おこしプロジェクト」、町内で空き家となっている家に新しく主人を迎え入れ、再生しようという試み。
しばらくはコロナで活動が足踏みぎみではあったが、少しづつ前へ進み始めた。
最近では幾組かの移住希望者に空き家のマッチングを行った。共通しているのは、30代~40代の働き盛りでリモートワークや農業従事者を目指し、
自力で生活を切り開く意気込みを持っていること。そのため、購入額は安ければ安いほどいい、その余剰金で時間をかけて改装するという人たちだ。
ここ数カ月で人々の生活環境に対する考えが変わりつつある。職場と家は必ずしも近くなくて良い、人の密集しない場所で暮らしたい、子どもをのびのびと育てたい・・・。
近隣の物件を主に扱う某不動産屋さんの情報ではコロナ禍に入って、田舎へ移住先を探す問い合わせが急増しているとか。
この日(今月10日)、開かれたプロジェクトの役員会でも、そういった動きが高まることを念頭に、「家を探している人」「家を売り(貸し)たい人」の要望を一枚にまとめたフォームを作成。確率の高いマッチングを目指す。また地域ごとの習慣や行事といった情報も整備することで、地域に馴染めるためのアドバイスを図る。
人は家を買うだけでなく、ここでの環境を買うわけで、できうれば気持ちよく長く住んでもらいたい、そのためにもプロジェクトに求められる役割は大きい。
会議にはZOOM参加者を入れ7人が臨んだが、あと一人、岡山理科大学学生で建築学を専攻する西谷さんが参加。感想を聞いた。
「建築を学んでて、空き家に関して調べていて知らなかったことが今日は聞けました。個人の事だけでなく回りや、町内会があって、
そこでどう暮らすかが大切だと知りました」
次回、会議は11月予定。それまでは、LINEで深く進行中!
(レポート・写真 三宅 優)
大型台風10号が接近する中、建部は相変わらずムシムシと暑い。まだ朝8時だというのに半袖から出た両腕がヒリヒリ痛い。
2年前の豪雨で河川敷の施設がが完全に浸かり、一時は復旧は難しいのではとの声も聞かれた建部町B&G海洋センター。
関係者の尽力で見違えるほど立派に再整備がなされ、今日、その再開を記念した少年野球交歓試合が行われた。
土手の高台に立つとグランドゴルフ場・野球場・ソフトボール場・テニスコートが一望に見える。昨年までの、散々に荒れ果てていた姿が嘘のようだ。
真っ平らに整地されたグラウンド、それを取り囲むグリーンの芝。前を流れる旭川とその向こうに控える小さな山々、自然の中にできたスポーツ施設、建部自慢の一つである。
開会は午前9時。始球式に臨んだのは「建部町体育協会」会長、森田卓司市議会議員。
少年時代を彷彿とさせる投球フォームで「えいっ!」
ワンバウンドながらも「ストライク!」
そして第一試合、「建部スポーツ少年団」(岡山市北区)対「桜が丘レッドファイヤーズスポーツ少年団」(赤磐市)の開始!
「オーレ、オレオレ、オーレ」「イケ、イケ!」双方のベンチから掛け声が止まない。
「そこだ、回れ、回れ、回れ!」
赤いソックスに身を固めた「桜が丘」がまず先制点。
続いてのブルーのソックスを履く我らが「TAKEBE」
「1番バッター、打ちました!」見事な3塁打。しかし得点には結びつかず。
3回裏、再び「TAKEBE」、ヒット、盗塁を重ね4点を取る。この時点で4対4の同点。
選手のユニホームはすでに土で真っ黒。
ここで記者、腸弱症のため腹具合が・・・退散することに。グラウンドでは重いカメラを手に取材を続ける山陽新聞さんとoniビジョンさんの姿。やはりプロは違うと、敬意。
本日はこの後、第2試合の「桜が丘」対「西大寺桃丘連合」(岡山市東区)、その後再び「建部スポーツ少年団」対「西大寺桃丘連合」が予定されている。
子どもらにとって、この施設の復旧が励みとなることを期待して会場を去る。芝生の上を飛びかうのは、夏を惜しむかのようなトンボの群れ。もう秋はそこまで、そして台風は、まだこれから・・・。
(レポート・写真 三宅 優)