■「新たけべの彩時季」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
今や日本全国、鳥獣被害に悩まされている、
建部でもしかり。そんな中、害獣を活かす
活動に注目が注がれている。
岡山市が推進する地域活力創出事業に
名乗りを上げた「アクティブ鶴田連合会」の
ジビエ肉を使ったコロッケの開発。そして
今回、登場願った獣皮を加工した小物類の
製作販売に取組む「建部獣皮有効活用研究所」
もその一つ。製作者の頼本ちひろさんに
お聞きした。
(取材・写真 三宅 優)
(プロフィール)
頼本 ちひろ
1982年、東京都東久留米市に生まれる。
高校を卒業後東京農業大学に入学。
途中から服飾デザインの専門学校で学ぶ。
社会人となりアパレル関係の仕事に就く。
結婚後、3.11大震災をきっかけに京都に移る。
2016年、夫の地域おこし協力隊勤務で建部へ。
2018年、「建部獣皮有効活用研究所」設立。
現在、同研究所 代表
(三宅)お生まれは東京だそうですが、どの辺ですか。
(頼本)「東京と言っても東久留米市なんですが、小平市とかのある三多摩の方で郊外です」
そこに高校までいられたわけですね、どんな学生生活でしたか
「中学は自然科学クラブに入って大気汚染を調べたり、エタノールで植物の色素を抽出したりしていました。もともと理科系が好きだったもんで。でも高校は普通校に通いました」
大学は東京農業大学に進まれたわけですよね
「農大なんですが、北海道の網走にある理系の産業経営学科に入り、流通経済とかを学びました。塀の中ではありませんでしたが(笑)、雪で出れないようなところでした」
そこを退学されて、別の方向に進まれたのはどういう理由ですか
「3年になって女子の先輩とかが卒業して進路と関係ないところに就職していくのを見て何か違うなって。
それで考え直して、高校の頃から服とかアクセサリーとかを作ったりが好きでよくしていたんで、
やっぱり服飾系がいいと、悩みが多い年ごろだったんです(笑)」
それで専門学校に入り直したわけですね
「はい、バンタンデザイン研究所で服飾デザインを学びました。パターン、縫製、染色とか全体的に教わることができましたね」
出てからはアパレル関係で働いてたんですか
「服のリペアーやリフォームメーカーの小さな店とかを転々として、最終的に自分でやろうかなと、25歳位に一回、事務所を立ち上げたんです。渋谷に借りて、服のお直し、ウェディングドレスのオーダーメードの仕事とかもらって、でも、結局、勉強が足りないなって、経営のこととか大学で身に付いていたらよかったけど」
なるほど、じゃあ、事務所はどうなりました?
「ええ、事務所は借りたけど友だちの溜まり場になりました(笑)ただ服のお直し屋ってコートをパーカーにするとか、その端切れで他の物を作るとかがあるので勉強になりました。それと、お直し屋って皮を断る場合が多いのですが、私ができると言ったら頼まれることが増えました。でも結局、個人事業でやるのはむつかしいと・・・」
そのあとは?
「それまでに、パソコンを使って画像加工もやってたので、ホームページを作る会社に就職しました。主にお客さんとクリエーターの中間にい調整役のような仕事です。
毎日、夜遅くまで調べ物をして、会社に泊まり込みながら、今で言うブラック企業ですかね(笑)」
ご主人との出会いはその頃ですか
「いえ、渋谷の事務所の頃です、友だちのバンドのライブを三鷹に観に行った時に出演してて、それで知り合いました」
結婚後は?
「旦那がバンドをやりながら色々バイトもして、でも、子どもができて子育てに精一杯になりました。脳性麻痺だったのでとにかくリハビリに懸命でした」
京都に移られたのはいつですか
「それからすぐですね、子どもが一歳の時、東日本大震災が起きてすごい揺れて、旦那の実家だった京都に移動しました。そこで良い病院に出会えたので、今でも
月に一回、京都にリハビリで通っています」
岡山に来られたのは、ご主人の頼本さんが岡山市地域おこし協力隊に選ばれたのが縁でしたね
「はい、2016年に建部に来ました。もともと移住志望で田舎で子どもを育てたいと、小学校を選んで地域おこしに応募しました」
それで昨年、「建部獣皮有効活用研究所」を設立されたわけですね
「京都、福知山にいた時から皮のなめしをやってて、”地域おこし”で来たときにイノシシが多いと聞いて、何かできるといいなーと期待して構想を加えていました(笑)」
皮はどういった所から入手するんですか
「地美恵の郷みまさかとか食肉加工施設からもらいます。イノシシと鹿が中心ですが、なめしに出す前の下処理は自分でしています」
(三宅)
どんな処理が必要なんですか
「皮から油と肉を取り除く作業なんですが、大きなかまぼこ板にのせて包丁で削いでいきます。かまぼこ板も包丁も特製で作ってもらいました」
その後の工程はどうなるんですか
「兵庫とか東京にある、なめし工場に出して、皮を柔らかくするのと、防腐、着色といった加工をしてもらってます」
そうして届いた皮で今はどんなものが作られていますか
「主には小物系でネックレスやイヤリングといったアクセサリー、ストラップやキーホルダー、靴のオーダーを受けることもあります。鹿皮は色々できるので面白いですよ。
このコードホルダーは地域おこしの今田さんの奥さんから、これ、今流行ってるよと言われて作りました。これはサニーデイコーヒーさんのロゴ入りキーホルダーで中にコーヒー豆が1粒入れられて香りを楽しめる仕掛けです(笑)」
細かい細工ですが、実際どのようにして作るんですか
「いくつもの、それ専用の道具を使ってカットしたり縫製をしていきます。これはキーホルダーケースを一回で切り取る金型でできた抜型です。
カーブ面を何度も切り抜くのは大変だし、そのたびに寸法も違ってくるので、今回、特注で注文して届いたばかりです」
「へー、こんな道具をわざわざ注文して作ってるなんて、手間が掛かりますねー」
「革は色々できるので、特に鹿皮は面白いですよ、どんなふうにしようかなって、考えながら製作してる時が楽しいです」
「新しく作られたブランド”TALABO”って、どんな意味ですか」
建部(Takebe)の研究所、ラボラトリー(Laboratory)なので、それと、他者とコラボするという意味の2つを兼ね合わせて付けました
ありがとうございました
「建部獣皮有効活用研究所」さんのホームページ
フェイスブックはこちら
知り合ってから家にも何度も来られてたのだが、ずっと”地域おこし”の頼本さんの奥さんとか、てっちゃん(息子)のママさん位にしか認識がなかった。
それが昨年、「建獣・・・」を立ち上げたと聞き、「?」がいくつも浮かんだ。
あの人が革細工をやるの?それって商売になるの?など。
当新聞グルメレポーターに聞いてみると「こっちに来て間もない頃、バレンタインだったかにポッキーでチョコハウスをコツコツ作ったのを見て面白い子だなあ、料理好きなんだと思ってた。皮の料理人とはお見それいたしました」とのこと。
先日の地域のイベントでも、店の前に若い女性が頻繁に立ち止まっては商品を手にしていた。
ふ~む、理解していなかったのは、おしゃれ感覚ゼロのオヤジだけだったらしい。
今回、初めてお宅を訪問。古民家の一隅に設えられた工房には
ミシンや型抜き、製作で使う道具が所狭しに置かれている。
実際に革の切断を見せてもらうとその手際の良さに驚く、ミシンもあっという間に掛けてしまう。
話を聞いてみて、そりゃあそうだと納得、二十歳代からのキャリアの持ち主。
特注で旭木材に作ってもらったという、大人の背丈もある大かまぼこ板。
それと、これも特別に取り寄せたという左右に持ち手の付いた包丁。
「この2つが揃って本当に作業が楽になったんです」そう言われても、この小さな体で毛皮を削いでる姿はちょっと想像できない。
帰りに、テーブルに置かれた絵本を発見、「なに、これ、面白いじゃん」
「それ、うちのてっちゃんがアイパッドで創って、マルシェで販売したんです」
変身ガエル「ダルカン」、
全オリジナルキャラクターによるアクションストーリー。
どうやら親の才能は子にも受け継がれたらしい。
(三宅 優)
新しい年は新しい気持ちで迎えたい、だれもがそう思う。これからお正月を実家で過ごそうと帰省する人が降り立つ建部駅。
利用者の皆が「ああ、ホコリとクモの巣だらけで、どうにかしてほしいー」
願うだけでは解決しない、建部中学「たけべ部」が立ち上がる。
先日、公民館(入野さん)から届いた指令、「12月27日午後1時、たけべ部が建部駅大掃除、集合!」
「大人たけべ部」もホウキにチリトリ、バケツ持参で出向く。
集まった面々は、建中3年生の、ゆうじ君、かず君、いりさわ君、しょうた君、おうじ君、いたみ君、あんずさん、かんなさんの8人。
大人部からは本田さん、大塚さん、今田さんご夫婦(+赤ちゃん)、入野さん、男性(名前は勘弁)、記者の7名。
待合室天井を見上げる、「ドェー!」、ぶら下がり放題のクモの巣、ツバメの糞、ガの死骸・・・前にやったのは夏だったから、わずか数カ月でこのありさま。
全員が担当を決め、「さあやるぞ!」
まずは上の方から特製、長ホウキで掃き落とす。別のチームはトイレ掃除。窓拭き班はぞうきんでゴシゴシ。
そうして、ホコリとまみえること1時間、あの幽霊屋敷がシンデレラ城に変身。
「ヤッター!」これで、明日、電車に乗る人で気づかなかったら、余りに・・・悲しい。
無事、任務を終えた「たけべ部」隊はこの後、福祉プラザにて打ち上げ会。
マル屋のピザ(なんとマルコからピザが特別に2枚もプレゼント!)や、キシモトケーキ、焼き鳥を食べながらの今年の振り返り。
「たけべマルシェで出したカレー、来年はもっとバージョンアップしたらどうかなあ」「どんなふうに?」
話題は1年後の
「たけべ部」の活動へ。でも、来年春、卒業する3年生たち、どうなるのかなあ。
大人部から「これからも、たけべ部のOB,OGとして参加してくれるとうれしいな」のラブコール。
令和元年もあと4日、煤(すす)を払い落とした建部駅に降り立つ人に
「たけべ部」より、”幸あれ”のメッセージを送る。
(取材・写真 三宅 優)
早いもので、もう今年も終わり。とにかくあわただしく過ぎたこの1年。何かが得られた、何か変わった?失望と希望の入りまじる日々・・・。
今日開かれた年末恒例、公民館講座「書写を楽しむ」
「ねえ、みやけさんは何の字、書くの?」参加者の小学生、ココちゃんに聞かれてハタと悩む。
希望を失わず前に進む「勇気」、人を許し大らかに接する「愛情」・・・。
「ココちゃん、どっちがいい?」
「う~む、来年はネズミだから"愛情"がいいんじゃない」
そうか、ネズミは愛情があるのか、ということで今年の記者の書写は「愛情」。
吉岡優先生にお手本をお願いする。
さらさらっとシンメトリーに書かれた文字、「う、けっこう手ごわいぞ」
子どもたちは「お正月」「しぜん」。
暖房の効いたあたたかい教室で筆のかすれる音が静かに流れる。
筆にたっぷりの墨を浸し、半紙に向かい「愛」、まあまあ納まった。
「情」、意外や左の縦棒がまっすぐに引けない。
結局、何度やっても「愛」は書けるのだが、「情」が決まらない。
これ以上、集中心がつづきそうにないと感じた20枚目で投降。
「ムムム、来年も”情”(なさけ)がむつかしい年になりそうだな」
新年の文字、あなたは何を書く?
(取材・写真 三宅 優)
この日(1月21日)、特別養護老人ホーム「旭水荘」は少し雰囲気が違います。
子供のかん高い声と若い女性のはしゃぐ声が施設内に響きます。
会場となった地域交流スペースを恐る恐る覗いて見ると、『旭水荘 第3回クリスマス会』とキラキラ文字が張り付けられた壁の前では、美作大学の女子学生さんら七人が何やら準備をしています。
細長いステージの前には幼稚園児と付き添いのお父さんお母さんが心待ちに待機。
プログラム最初はレクリェーションの手遊びです。慣れた動作で子供たちを誘う、さすが幼児教育のプロを目指す面々。
子供たちもその動作に引き込まれていき「できるようになったよー」「お父さん、手は鼻の上だよー」などと賑やかに盛り上っていました。
さて、いよいよ本日のスペシャルイベント、人形劇「赤ずきんちゃん」です。おなじみ、グリム童話の名作の始まり始りー。
赤ずきんちゃんは、お母さんから「おばあちゃんが病気だから、ケーキとぶどう酒を持って行ってね」と言われて家からお使いに出ます。
森の中を通るとオオカミが出てきて「この森にはきれいなお花がいっぱいあるから遊んでいこう」と言われ道草をして、おばあちゃんの家にいきました
…続きは絵本などで読み聞かせて下さい(笑)。
知らない人から声をかけられて、道草などをすると大変なことになるよ、という教訓がこめられているこの童話を子供たちは真剣な面もちで見ていました。
人形劇の後は「まつぼっくりを使ってツリーをつくろう!」の時間。
親子で協力しながらツリー完成を目指す体験です。
最後は、サンタに扮した高田施設長さんから、クリスマスプレゼントをいただき、入所しているおばあちゃんたちも交えて記念写真。
夢が膨らむこの企画、参加した女子大生は7人中、6人は故郷は沖縄、高知、広島、鳥取、島根などの出身の皆さん。
「自分たちも大変勉強になりました、岡山でのクリスマス、一生忘れません」との感想を述べられました。
「夢は持つもの、目指すもの」子供も大人も、どんな時代もかわりませんね。
(取材・写真 勝部 公平)
「えっ、400回?」そうなんです「建部町健康づくり、歩こう会」が前人未到の記録にリーチ。
このたび到達目前(正式には来年)を前に、どうしても令和元年に記念祭を行おうとのメンバーの熱い思いから、
記念植樹式が15日(日)朝9時半から執り行われた。
場所となったのは田地子地区にある「たけべの森」入口、田地子川河川敷。
前日から地区の方々が「それなら、きれいにしとかんと」と一斉に草刈り、見晴らしのいいシチュエーションが整えられていた。
出席者30数名の中には、なんと発足時の発起人である前会長、古本博史さんが。
古本さんは、昭和62年から平成19年までの236回を率いてきた。
「いやあ、毎回、どこにしようか頭を悩ませながらやってなあ、当時は町のバスが自由に使えたから、あちこち遠くにも行った。富士山に行ったこともあって、歩けなくなった人を介抱して下りたこともあった。トラックを同行させて、夏はソーメン流し、冬はそば打ちをやったり、まあ、いろいろようやったもんじゃー」
古本さんからバトンを渡されたのが現会長の村岡信義さん。
「おかげさまであちこち歩かせてもらいました。でも、ここまでケガもなくやって来れたのが
何よりだと思います。うれしいことに今度、メンバー手帳が1000番に入ります」
その記念すべき1000番の手帳を渡された田地子区長、本田義章さん、
「いやあ、あんまり参加できてなくて、これからはできるだけ・・・」一心に期待を集めやや戸惑い気味。
式は全員で礼をし柏手を打ち感謝を捧げるかたちで執り行われた。
そのあと植樹となり、12本の河津桜を指導に来られた延江昭一さんの手ほどきで
2人1組で植えることに。
まず、まわりを塩で清め、土穴に米とお神酒をそなえ、「大きく育ちますように・・・」と願う。
記者は下神目にお住いの地頭代さんと10番目を植えた。
これから、ここを通るたびに「あの桜はどうしてるかな?」と気にかけるだろう。
昼は女性陣が作ってくれたお赤飯のおむすびを頂く。円陣を組み、それぞれの顔を眺めながらの食事。
「やっぱり、外で食べるのはおいしいですねー」取材に来た、オニビジョンの佐藤記者もほくほく顔。
さて令和2年最初の「歩こう会」は1月19日(日)、行き先は「建部郷、七社詣り」、
徒歩距離は13キロ。それまで、正月のごちそうを食べて鋭気を養うぞー!!
(取材・写真 三宅 優)
この季節の古道は足元がにぎやかです。雑木林の落ち葉がサクサクと音を奏で、足踏みする人々の躍動感が伝わってきます。
建部小学校の6年生が建部古道をウォークしながら、建部の歴史や地理・自然についてを学ぼうと昨年からチャレンジしています。
12月12日8時30分、田地子の本田さん、建部上の江田さん、そして富沢の記者(勝部)がガイド役、地図と今回の観察ポイントの説明をして小学校をスタート。
建部上の妙浄寺の境内にある古道案内看板の前で建部平野を眺めながら、古代からの人々と旭川の関わり、一ノ口用水などについて学び、いよいよ登山道を歩き始めます。
最初にであったのは雑木林にひっそりとたたずむ32号古墳。これが大化の改新や聖徳太子などが活躍した時代につくられた古墳と聞いて、もう古代の飛鳥時代にタイムスリップです。
登りながら次々と現れる古墳を入口から覗いてみたり、巨岩で石組みされた古墳の中に入り驚いたりしながら、農業生活用のため池で休憩をとました。
国土地理院が明治時代に設定した三角点のある法寿山山頂に到着。記念写真を撮り、建部の地名の由来などについて学んだ後は七社八幡宮を目指し下って行きます。
やがて眼下に旭川が見える阿弥陀様に到着。ここでは江戸期の美作の国と備前の国の国境について学び、建部ってこんなにも歴史的に重要な地域だったことを知りました。
故郷の歴史がしっかりと脳裏に焼き付いたことでしょう。
途中、岡山の各地から集まったシルバーのハイキングの皆さんと出会いました。
「こんにちはー!」「こんにちはー!」のかん高く明るい声が雑木林の中にこだまして楽しい古道体験でした。
翌々日14日には、今度は岡山市内のウォーキングクラブの面々10名が訪れました。記者と本田さんがガイドをし、
七社八幡宮では総代をつとめる建部上の井口松治さんが神社の由来や建部祭りについて説明されました。
クラブの面々は私たちと同世代ということで、シルバー生活の話題で意気投合、満ち足りた時を過ごしました。
一行はこの後、建部八幡温泉で会食をとって津山線で岡山まで帰られました。
建部古道が建部の観光スポットになりつつあることを嬉しく感じました。
(取材・写真 勝部 公平)
再会率ほぼ90%、今年も出会えました社協主催、老人福祉センターで今日開かれた「3世代交流お飾りづくり」。去年参加の人と1年ぶりの顔合わせ。
当新聞グルメレポーターも出場5回目、編集委員、松下泰成さんは1昨年に引き続き3度目の挑戦。
講師の先生は福渡で長く理容店を営む、小林太郎さん。太郎さん理容師だけあって手先はいたって器用、今年も近隣の神社の(当福渡八幡神社も)しめ縄をほぼ一人で
あつらえたそうだ。
では、お飾りづくりの手順から。
①まず、藁束一握り分を霧吹きで湿らす
②それを4等分にし、それぞれの束のを上の部分をくくる
③4束を一つに持ち、真ん中あたりを針金できつく縛る
④しばった束の上部から2束づつ分けて開く
⑤開いた左右2束を順に綯っていく
⑥右と左で逆に逆になるように綯う
⑦綯えた2つの縄を外に丸め、先端を上に挙げてくくる
⑧ワラ束底部を押し切りで切りそろえる
⑨輪の上にお飾りをテープ、ヒモで取りつけて完成
どうですか、できそうですか?「いやあ、左右逆に綯ういうのがさっぱりわからん」
うんうん、確かにこれはむつかしい、言葉で言うと両手を合わせ右手のひらを前にこすって綯うのと、右手のひらを後ろにこすって綯う。
そうは言っても、常連ばかり、いつの間にか一人で2つも3つも、掛かる時間もどんどん短く。
余裕ができてきたところでは昔話に花が咲く。
「子どもの頃はなあ、おじいさんが家で当たり前に綯っとった、玄関やかまど、牛小屋にもなあ」
「そうじゃなあ、ワラジも編んどったもんなあ」
当グルメレポーターの方はというと、1作目を綯いかけては、ほぐすを行ったり来たり。それでもどうにか出来上がり。
となりの松下編集委員は太目のお飾り2本アップ。
「いやあ、参加費500円でこれだけの飾りが作れるなんて、また来年も来なくっちゃ」
最後はいつも通りの記念撮影。「あれ?この並んだ姿、位置もほとんど去年と変わらんなあ・・・」(笑)
(取材・写真 三宅 優)
先日金曜日、年末恒例になっています建部町公民館のクリスマスコンサートが開催されました。
一階ロビーには公民館主催講座「建部大学」と「みんなの喫茶室」のメンバーを中心に40人ほどの皆さんが参加。
演奏は結成して9年ほどの弦楽四重奏の「ルヴァンデスト」の皆さんです。
岡山のゼフィール合奏団という弦楽アンサンブルに所属、4人の仲間のメンバーで多方面でコンサートを行っています。
弦楽四重奏は2本のバイオリンとチェロ、ヴィオラで構成されており、ハイドンはじめモーツアルトやシューベルトなど数多くの作曲家が弦楽四重奏曲を残しています。
こんな演奏を生で聞けるなんて、中々ありませんが、今日はクリスマスソングのみならずジブリの曲や歌謡曲まで、
参加者とのコーラスを交えながら、ゆったりとリラックスしたクリスマスコンサートでした。
ちなみにルヴァンデスト(Le Vent d’ est)とは、フランス語で東から吹く風という意味だそうです。
令和の最初の正月を迎えるにあたり、菅原道真が歌った「東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花……」を思い出されます。
次なる年に向けて建部の皆さんに向けて、心地よい香り豊かな風を送ってくれました。
(取材・写真 勝部 公平)
「建部町地域包括連携会議」と聞いて「なんだか、お役所の固ーい集まりかなあ」と一瞬、受け止めた記者。
当新聞グルメレポーターは「よくある、話を聞かされるだけの会議じゃないの・・・」とこれまたシビア。
で、出かけた「建部町老人福祉センター」
すでに「北区北地域包括センター」末繁さん、時吉さんを筆頭に、「北区北保健センター御津建部分室」、「建部町公民館」、
「障害者支援センターこら~れ」、「福渡病院」、「たけべの里」、「ほのぼの荘」、「ケアビレッジたけべ」、「葵の園」、「けあビジョンホーム岡山」、「社会福祉協議会建部分室」のみなさん14名が一堂に。
議事進行は地域包括センター末繁さんにより進められた。
(末繁さん)「そもそもこの会議は、旧建部町のころ始まった”建部町地域ケア会議”を引継ぎ、町内の福祉機関が地域のケアシステムの構築を目指す目的で活動しています。専門職の日頃の業務を通じて上がってくる課題を、関連する様々な機関からの意見を取り入れながら解決を進めるのが目的です」
なるほど、言われてみれば建部町にはいくつものケア施設、病院、薬局、公的窓口がある。
しかしこれまで、それらがどれくらい連携しているのかは推測の域を出ない。
「当然やってるだろう」「そこまで、できてないんじゃない?」
他所のことはわからない、岡山市内だって地域によってバラツキがあるだろう、「すでに、出来上がりつつあるところ」
「まるで、関心を得られないところ」
ただ、ここ建部地区においては岡山市合併後も「保健医療福祉介護ネットワーク会議」開催や、町内の公的サービス外の情報を載せた「インフォーマル冊子」の発行など引き続いての活動が進められてきた。
それでもわずかこの10年、町は様変わり、高齢化、老々介護、独居老人・・・、それに対応する援助の仕組みが追いつかない。
そして言えるのは、やはりそこに「バラツキ」があるということ。
それもひとえに、そこに関わった人の力による「バラツキ」。
どこでもそうだが「最初に井戸を掘る人」が大変。そんな意味で今日の会議は、その「井戸掘りの人たち」の
プロローグ(序)と感じた。「これから、何をめざせばいいのか」「どこまで広げればいいのか」・・・。
この日の会議では記者(たけべ新聞)がパネラーとして発言を求められた。
「たけべ新聞で協力できることはあるけど、一人一人がスマホの時代だからこそ、
ここで目的を一つにする人で”SNSネット連携会議”を立ち上げたらどうか」と勧めた。
求められているのは、様々な立場からの意見集約、そして協力、迅速な行動。
先は見えない、でも手探りで「何かできないか」、結果は行きつかないかもしれない、しかしやってみて、これでだめだと分かれば、
次のチーム(会議)を作ればいい。
意外とそんな柔軟さが必要、集まった人たち全員、記者より若い、可能性に大いに期待。
「ところで名前は”地域○○XX会議”とか仰々しくなく、普段着で話し合える雰囲気の ”たけべ温(あ)ったかい議”」なんてどうかなあ」
後期高齢、間近な記者、想う( ´艸`)
(取材・写真 三宅 優)
建部で30年以上続いている「三世代交流お飾りづくり」が今年もB&G海洋センターで開かれた。
建部地域のスポーツ少年団の子供たち30名、おじいちゃん、お父さんお母さんや少年団の指導員70名、計100名ほどが体育館に集まり、車座になって製作。
「もっと力をだして、藁をきつく締めてやー」
「わらを手で絞めながらなっていかんとおえんで―」
「お母さんのは、ぶさいくやなー」(笑)などの会話があちこちから聞こえてきます。
このしめ縄づくりは、色々な地域の方々の協力があってここまで続いており、原料の稲わらは久具地区の大内さんが、しめ縄用に刈り取りした藁です。
建部のスポーツ少年団の特徴は、ひとつのスポーツにとどまらず、オリエンテーリングで郷土の素晴らしいところを知ったり、カヌーをはじめ海洋性スポーツを体験したり、
祭りなどで地域の大人との交流をはかるなど、幅広い体験が得られる点が優れています。
将来自分の人生の選択できるように地域で提供できているところが素晴らしいと思います。きっとこれらの体験が、成人して大人になった時に自慢と自信をもたらしてくれることでしょう。
(取材・写真 勝部 公平)
「これ何、作ってんの」
「うん~とねぇ、ねずみのおヒゲ」記者の問いかけに、作業テーブルに向って一心不乱に指先で0.5㎜ほどの細い”ヒゲ”を
作る女の子。
12月恒例となった、岡山市環境学習センター「めだかの学校」主催による「クリスマスキャンドル作り」。
この日(8日、日曜日)午前、午後の部あわせて、定員いっぱいの24名、市内及び矢掛町からも応募があり、中には毎年参加の家族も。
(館長)「そうなんです、干支の十二支全部をつくるといってがんばっていらっしゃいます」ええー、それって小2の子だと成人するまでってこと?
講師は当新聞編集長の愛娘、勝部志乃さん。先生が今年用意したのは青、白、2色のねずみ、立ちポーズと四つん這いポーズ。
先生の見本を前に、親子で相談。
(子ども)「ねえ、ここにあれつけたらどう?」
(母)「そうだね、それって面白いかも」
そこは好きで申し込んだ子どもたちだけあって決まれば早い。次々にアイデアが、そして、思いもかけない装飾が施される。
丸くて大きな耳を付けたマウス君、赤い花のイヤリングのチュー子ちゃん。
意外や付き添い役のお父さんも、かなりの入れ込み具合で実に手の込んだ細工に挑む。親子時間がゆっくりと流れていく。
完成!後は熱したロウのお風呂に「ザブ~ン!」
感想を聞かせてください。
(男の子)「最初はできないって思ってたのに、できたからうれしい」
(女の子)「気持ちがめでたくなった」(笑)
「チュー、チュー(めでたし、めでたし)」ねずみたちからも、喜ぶ声が聞こえてきた。
(取材・写真 三宅 優)
知和という地域をご存じだろうか。津山市北東に位置する加茂町にある人口180人、65世帯で構成される小さな集落.。冬は雪が50cmも積もり、秘境の駅、因美線「知和駅」や臥龍藤などでも知られる、当然、高齢化率も50%近い。
その地区がにわかに注目を浴びだしたのは、「NPO法人スマイル・ちわ」が活動を始めてからのこと。
2012年、過疎化、高齢化が進んでいく知和地区の現状を憂う仲間が集まり「なんとかしようやー」と立ち上がったのだ。そして「とりあえずやってみよう」を合言葉に次々と施策が打たれて行った。
今日、建部町文化センターで開かれた社協主催「地域づくり福祉講演会」、招かれたのは、このNPO発起人で現、理事長を務める國米 彰(こくまい あきら)さん。
國米さんの90分の講演のいくらかでも伝えてみたい。
國米さんは、根っからの地元人間、地域の世話役もやりながら、常に「この生まれ育った地域に住み続けるには何ができるか」を頭に描いてきた。
これまでも町内会では公益を目的とした活動(ふれあいサロン、各アダプト事業、防災防犯会、運動会など)がしっかりできていたのだが、
それでカバーできない個人的な困りごとがだんだんと増えてきた。
「除雪ができない」「草刈りが大変」「墓そうじができない」「これから先大丈夫だろうか」
みんなはどうなんだろう?
そこで、皆に声を掛け、やりたいという有志10名ほどで「知和の明日を考える会」を結成、半年間かけて話し合った。その結果、地域の困りごとは自分たちで解決しようとまとまり、数年で輪番で変わる自治会組織ではできない、別のやれる団体を立ち上げることにした。
NPO法人「スマイル・ちわ」の誕生だ。
私たちの住む知和を大家族と位置づけ「ひとりひとりがつながり、住みよいむらづくりを」の理念のもと事業をスタートさせた。
最初に選んだのは「便利屋」、草刈り、墓そうじ、雪かきなどを1時間/一人、経費込で1000円で請け合う。そのうち300円を働いた人に、残りは会に入れた。
進め方は毎月1回の全体会議で決めていく、但し携帯メールで連絡が自分にすべて入るようにした。終わった後は皆で「飲みニケーション」(笑)
次に始めたのは「ふれあいマーケット」家庭菜園の余剰野菜、日用品を地域内で循環しようと年3~4回の市を開く。当初は「集まりゃあへんでー」「だれが買いに来るもんか」と
言う者もいたが、今では旬の山菜、手作り惣菜も並び、開店1時間で売り切れ、噂を聞いて津山市内から来た人も買えないほど。これにより、やりがいと小さな収入が得られることに。
そして次に取組んだのは「ワークショップ」耕作放棄地を活用し、田植え、稲刈り、餅つき、炭焼きなどの体験ができる。
法政大学の学生、高校生らも参加、新しい交流の場が広がる。
4番目「集える場づくり」その①コミュニティカフェの開催。月2回、木曜日。100円で手作り菓子、淹れたてコーヒーを楽しむ、地元民のおしゃべりの場。
100円で?これには仕掛けが、イオンモールの黄色いレシートをNPOの箱に入れてもらい還元金を得、それを資金に充てている。
その②倉庫を改装して500円居酒屋開催。月1回、第2土曜日。みんなで1品持ち寄り、酒はどこかの家で飲まない酒?が自然と届く。
+α、移動販売車との連携。移動販売「とくし丸」にコミュニティカフェの日に来てもらう、みんなで見ながら生鮮食品が買えるので大好評。
これからも地域にいる経験者、特技を持った人たちを巻き込むことで、みんなの出番づくりを推進、一人じゃあできない、仲間を呼ぶ、酒を飲み交わす・・・。
最後に今後の取組み。
・移動手段の充実、個々に対応した身近な送り迎えを可能に。
・空き家対策 上加茂地区300軒中、70軒の空き家。すぐ住める家の提供を増やす。
*継続事項⓵ 補助金に頼らない運営を続けていく。できることをみんなでやろう
*②後継者を!子育て支援と絡めて・・・
そして「とりあえずやってみよう」
ご精読ありがとうございました。
スマイル・ちわさんページ
フェイスブックはこちら
(取材・写真 三宅 優)
「岡山弁はー」
「ええもんじゃー!」の掛け声で今年も始まった「岡山弁はええもんじゃ」
総合司会を務める遠藤寛子さん、ご当地☆リンクアップとっしーさんの意気込みも半端じゃない、と言うのもなんと今回が20回目、節目の年。
「おめでとうございます!」「建部町を乗り越えてよくここまで・・・」
関係者の皆様の努力、忍耐、ヒシヒシと感じます。
ステージスクリーンには20周年を記念して県知事からのメッセージ、これまでの名場面などなど。
「ああ、ここまでよくやってきたなあー」今は亡き人の顔も写し出され感無量。
第1ステージは「岡山弁パフォーマンス」3分間、岡山弁で言いたいことを言うコーナー。
最初に登場、三船さんの「ムカデとナメクジ」昔話を皮切りに6人の演達者が披露。
真っ赤な衣装のどこかで見たことあるそっくりさん?夢小路あきまろさんの「岡山弁漫談」
池田動物園になぜかいるはずのないパンダを見に来た観客 「ちーともみえん」
(案内人)「ちーたー見えたろう」(この動物園にいるチーターと、”少しは”の意味”ちーたぁ”)
沸かせてくれましたベテランパフォーマー。つづいて岡山理科大学国語教育学科のみなさん。
2チームで寸劇、その1「桃太郎」。
桃太郎に付き従う犬、猿、鳥を岡山弁で、出場者の中、岡山出身者を当てるクイズつき。(ほとんどハズレ、それくらい標準化が進んでる?)
その2、若い人の気持ちをそのままに「僕の知らない岡山弁」。日本国中ネット情報共通化の時代だからこそ、岡山弁を使えば「オレオレ詐欺」も逃げて行く?
前半締めくくりは吉田則夫、岡山大学名誉教授による講義。
「20分ほど・・・」とスタートした(実際は40分)
岡山県における方言分布図。
1の2、2の3、3の5、4,5、6と見せられたのだが、 「結論は?」
「はっきりした分布の成り立ちは不明・・・」(この間40分)
ただ、先生が言われた高度大成長期以前にあったもの、平成の大合併で無くしたもの、均質化が進んでいるのはよーくわかった。
休憩後、後半は固い話があったのでやり易い?
「岡山弁川柳」いつも出演してくれてた建部中学生徒さんは目下、テスト期間中。そこで、井上いつのりさんと「たけべ川柳社」「岡山県連句協会」の方たちによる「岡山弁川柳」
そのお題「ちーとばー」”少ない”を意味する岡山弁。地元、土居川さんの 「ぎょーさんの青菜ゆでたらちーとばぁー」
連句会の方からも 「肩に降る雪ちーとばぁ・・・」(難しくて忘れました、トホ)
そしてお待ちかね「岡山弁劇」なんでも備前、備中、美作から来た嫁さんらが織り成す、実家での遺産相続の話らしい。
いつになく衣装、会話、シチュエーションに遊びのない展開、正直、”どうなることやら・・・”
結果はいつも通りに「てっぱらぽー
」でした(笑)。
最後、「春の小川」「海」「虫の声」「お正月」春夏秋冬を岡山弁で全員合唱で今年も「めでたし、めだたしー」。
「♪もーなんぼーねりゃーおしょーがつ・・・はーよーけーけーおしょうがつ・・・♪」
(取材・写真 三宅 優)