■「新たけべの彩時季」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
建部のもっとも身近な基幹産業、
ガソリンスタンド。
昭和39年に設立して以来、半世紀以上に渡って
地元にエネルギーを供給する「内外モータース」。
2代目社長、横原 雅之さんをクローズアップ
(取材・写真 三宅 優)
(プロフィール)
横原 雅之(まさゆき)
昭和45年、建部町に生まれる
福渡高校卒業後、自動車専門学校で学ぶ。
トヨタオートで整備士として勤務。
結婚を機に実家が営む現会社に入社。
父の他界後、事業を受け継ぐ。
現在「内外モータース株式会社」代表取締役社長
川口在住。
(聞き手・三宅 優) 今は従業員の方は何名でやられていますか?
「従業員は母を含めて5人でやっています。母は中の仕事ですが、まだまだ頼ることが多くて(笑)」
どんなお客様が中心ですか
「国道53号沿いですので、やはりENEOSのカードをお持ちの方の利用が多いですね。昔からの地元の方も多くご利用いただいています。あと、口コミで車の整備を頼まれる方もいらっしゃいます」
一番大変なことってなんですか
「・・・やっぱり、過疎化が進み、車離れも多くなる中での対応ですね。長くご利用いただいた義理堅いお客様が、高齢で免許を返上されることもありますし、エネルギーも電化になっていく時代ですから」
では、一番やりがいを感じることは
「そりゃあ、もちろん、お客様が喜んでくださった時です(笑)」
横原さんの同級生には、地元でがんばってる事業者が多いですね
「はい、すぎ茶屋の杉本君、マイスターヤマモトの山本君、マッシュマンの岩崎君、旭水荘の高田君も。まる屋住宅設計の松下君は高校は違いますが中学まで同級でした」
では最後に一番大事にされていることは何ですか
「働いている人たちの輪を大事にすることですね。もし従業員同士でケンカしてたら、お客さまにはわかってしまいます。会社の中がにこやかなら自然と良い所が出てくると思います」
ありがとうございました
お母さんから見て息子さんはどうですか
「何に対しても嫌がらずやってくれます。それがお客様に気に入られているんだと思います。
実際、よくやると思います、朝7時から、夜は9時までですから」
今日まで、ここまで長く続けてこれたのはどうしてだと?
「20年ほど前に主人を亡くして、私の母がここにいて、一緒にやってくれました。その間、ここでは福渡高校がなくなり、社会も電気自動車が普及しはじめ、灯油は電気に替わって、油では利益が出ないようになりました。ですから、ボイラーをやったり、できることは何でもやるようにして、油屋ではなくヨロズヤのよう(笑)。でも、そういう風にしなければ、こういう商売は生き残れないと思います」
従業員の土居川さんから見て、社長さんはどんな方ですか
「やさしいけど、仕事はちゃんとする人、整備とかはスゴイです。お客様がどんなことを言って来られてもやり遂げる。部品を見つけてきて、必ず仕上げます。さすが、整備士、尊敬してます(笑)」
服部(恵子)さんは、書道教室で横原さんを子どもの頃に指導をされて印象はどうだったですか
「あの当時は大勢の生徒さんがいたのですが、その中でも特に、おとなしくて、すっごい真面目な子だった。
だからかえって、私には、お父さんの印象が強いんですよ(笑)お父さんは、とってもカラオケが上手で、いっつもニコニコ笑顔でホント―にいいお父さんじゃった。上のおばあちゃんも店の番をされて、それは長く歳を取られるまで働かれていました」
松下(泰成)さんは、中学校までの同級生だそうですが印象は?
「それが、僕も服部先生の教室に通っていたんですが、僕の印象はちょっと先生とは違ってて。なにしろ福渡の教室の床の傾いたような部屋に、足の踏み場もないほど生徒がいて、ですから何と言うか、いつも床に墨が飛びちってるわけです。だから、僕らソックスを汚さないように歩くんですが、彼はいつも裸足で、足の裏を真っ黒にしても気にしないで歩きまわってた。そんな頓着しないところかな(笑)」
【記者感想】
これまで数百人に及ぶインタビューをしてきた記者だが、ここまで寡黙な人には出合っていない。
イチオシの紹介者、勝部編集長でさえ「とにかく、まじめなんだよ」で、それ以上のエピソードはなし。
・・・「困った!」。
しかし、やがて気づいた、それこそが彼のキャラクターなのだと。誰からも共通のイメージ、熱心で、努力家で、それでいて決して人の前に出しゃばったりしない。
そんな横原さん、三人の子の父親でもある。お母さんの自慢もどうやら、このお孫さん。九州のイラストを手掛けるIT企業でがんばる長女の方の話しになると目が輝いてくる。
外では寒風の中、忙しく動き回る従業員の方たち。その中からは絶え間なく笑い声がして、「ああ、アットホームな職場って、社長の人柄で決まるんだな」と感じ入った。
静かさの中に、たくましさを秘めている社長にエールを。
(三宅 優)
「内外モータース」
岡山市北区建部町福渡990-1 地図
℡086-722-0122
(営業時間)
7:00~21:00(平日)
8:00~19:00(日)
定休日:第3水曜日
先週の土曜日(23日)福渡のコミュニティセンターで建部町公民館と「ESD・建部町でフードバンクを考える会」主催の食事会が開かれた。
「今、日本ではまだ食べられるのに無駄に捨てられている食品が年間600万トン、それをを少しでもなくしたい」そんな願いで活動をはじめたこの会のメンバーは、地元の人たちを中心に10名ほど。
栄養士で中心的役割を担う森本さんは「捨てる食材ってそんなにはないと思う、工夫して活かすことでおいしく食べられる、そのことを大人や子どもにも知ってもらいたい」と語る。
3回目となるこの日は、事前の告知で寄せられた家で余っている食材が多種に並んだ。ネギ、大根、人参、ほうれん草、菜の花、セリ、小麦粉、片栗粉、餅、あんこ、かんぴょう、干椎茸、鰹ぶし、昆布、ゴマ、銀杏、卵、猪肉、醤油、酢、味噌、油、などなど。
メンバーはあらかじめ材料情報を得てメニューをいくつか想定しておくのだが、当日の思いがけない食材提供や
参加した子どもの意見を聞きながら、あくまで、ぶっつけ本番が基本。「さあて、今日は何にしよう?」
ここで一旦、この会で話題になった話を紹介。
「建部でも収穫されずに畑に放っておかれた白菜、大根、キャベツなどを見かけるけど、どうして食べないのに作るのかなあ?」
「集まりで出された弁当を残す人がいて、はじめから食べれるかを聞いておけばいいのに」
「若いママさんから簡単にできる、おいしいレシピが知りたいって言われても、手間をかけるからおいしくできると思う」
「食の無駄を見直す」=「食を捨てずに使う」しかしそれが出来ないのは、どうやら「時間」との問題?
「出来過ぎた作物を活かそうとしょうやくするだけの暇がない」
「個々の弁当の注文をとる手間が面倒」
「料理に時間をかけるだけの余裕がない」
結局、時間というコストを食を捨てるというコストで補っているわけだ。
再び、料理メニューへ。
今回は乾物類と野菜が豊富なことから「ちらし寿司」「茶碗蒸し」「野菜のおひたし」「味噌玉の吸物」それと「猪肉の竜田揚げ」デザートの「お汁粉」の6種に決める。
錦糸卵、ギンナン炒り、味噌玉づくり、子どもを交えての全員作業、酢飯は熱いうちに団扇でパタパタッ、完成!
テーブル席には近隣から参加の「すずらん会」のお年寄り、それでは手を合わせて「いっただき、まーす!」
午後からは会のメンバー手作りの人形劇「ニャン太とミー子の食べ物をだいじに」
ネコのニャン太とミー子が家の冷蔵庫から提案する食べものを活かす工夫あれこれ。
どうでしたかご感想は?
「私も冷蔵庫にはいっぱい入ってて、勉強になりました(笑)」
「私らは物のない時代に育って、もったいないと考える癖がついているけど、若い人らにも伝えねば」
「こんなに為になる会と知ってたら、もっとたくさんの人に声を掛けていたのに残念 」
「味噌玉ってはじめて知りました、おいしくて作っておくととっても重宝しそう」
「人形の演技が達者なのには、びっくりしました(大笑)」
次回は8月頃を予定。
(取材・写真 三宅 優)
時間だけでも3時間以上、1部と2部の間にわずか10分の休憩、途中、拍手する場もなく、ただひたすらに聴く。演奏者たちは楽器を奏で、声楽者たちは歌い続ける。
バッハの作品の中でも最も重厚で壮大と言われる「マタイ受難曲」
これまで、そのパートの演奏を聴くことはあっても、全曲上演に接することなどまったくと言ってない。それも、この建部で聴く?信じられない・・・。
鹿児島国際大学音楽学科の学生によるコンサート、指揮者は著名なテノール歌手で本大学で教鞭をとるウーヴェ・ハイルマン氏。
ツアーチケットを手に「うーむ、これは面白そうだぞー」と一人喜び。
建部町文化センター大ホール、午後3時開演(3月24日)。客席は悲しいかな3分の1ほど。逆に壇上に勢ぞろいした演奏者と合唱団、倉敷少年少女合唱団の数に圧倒される。
指揮者登場、沈黙。
オーケストラが鳴り始め、聞き慣れた旋律、合唱・・・現実がしだいに遠くなっていく。
ステージ左の一段高い台に立つ二人のソリスト(福音史家とイエス)が語るように歌い導く、「キリスト受難」のものがたりの始まり。(日本語字幕が左右に出る)
第一部最後は倉敷少年少女合唱団50数名が加わっての大コラールで締めくくられる。
第2部、幾つもの幾つもの名アリアの連続。Nr.47 ”憐れみ給えわが神よ”アルト独唱。
Nr.58 "愛によりわが救い主は・・・”ソプラニスタによる独唱(素晴らしい!)
そして最終章Nr.78「哀悼」バス、アルト、ソプラノ、合唱すべてによるコラール、そして、長ーい沈黙
、終演。
それにしても、ソリストたちの(わずか2年目の学生も!)自信あふれる声には驚かされる。
ドイツ語を駆使するだけでも大変なのに、その意味を深く理解し感情を移入するまでに歌い込んでいる。
指揮者はそれら一人一人に全身を揺らし、音色を引き出していく。
開始から200分、音楽家たちは自らの思いのすべてを、”バッハ”に込めることができたのではないだろうか。
(レポート・三宅 優)
お待たせしました!これまで多くのファンから「出来たてをその場で食べたい!」の熱いラブコール。
待ち望まれたピッツェリア「マル屋」の新規オープン、本日はそのプレオープン日。
さっそく、当新聞グルメレポーターが突撃取材!
新しくお店を構えたのは、国道53号線沿い、建部消防署近くの元第一生命ビル跡。ビルの外観は前のままだが、駐車場側に設けられたウッディな可愛らしい入口が目を引く。壁には手形のメモリー、ドアをワクワク開ける。
「広ーい!」まず驚かされたのは、その店内の広さ。厨房もシースルーになっていて、開放感満点。そして壁面を彩るイエローとライムの明るい配色。
床に目をやると、なんと基礎コンクリートが剥き出し。「オッシャレー!」
イス席はテーブルとカウンターに20席以上。
注文は一人一品、ピザを選び、会計を済ませてイスで待つこと〇分。
「リン、リン!」とベルが鳴り「〇〇さーん」と呼ばれたらカウンターに行って受け取る。
食べ終わった後は自分で返却カウンターに戻す、いわゆる
マクドナルド方式。
飲物は備えつけの真新しい自販機から、お好きなものをゲット。他にイタリア直輸入ビールも。
客席から厨房が見通せるので、今や名物となった店主マルコの「空飛ぶピザ」パフォーマンスも満喫できる。
カジュアルで開放的、まさにイタリアンなピッツェリアの誕生だ。
正式オープンは3月28日(木)
営業時間:月・木・金 11:30~14:30(L.O 14:00)
17:00~20:30(L.O 20:00)
土・日・祝 11:30~20:30(L.O 20:00)
定休日: 火・水曜日
TEL: 0867-722-0273
場所:岡山市北区建部町福渡820-7
(取材・三宅美恵子 写真・三宅優)
《宣言》
トレイルランニングは安全なスポーツです。
私たちはトレイルで出会うすべての人々を尊重します。
私たちは、自然環境とトレイルの保全を優先します。
私たちは、トレイルを守るために地元の人々と協力します。
これらの目的を達成するために、私たちは各地の大会と協力し、
大会が環境面や安全面でより良いものになるよう努力し、もって
地域社会へ貢献したいと考えます。
野山などの未舗装の不整地の道(トレイル)を走るとされるトレイルランニング。国内だけでも400近い大会が催されている。
そのスポーツを愛好する人たちによる県内初の組織が今日、設立された。
会場となった建部町文化センターには、朝早くから色とりどりのランニングウェアを身に纏った男女が次々と集結、
この日を待ち望んでいた人たちの多さに驚かされる。
TV2局もカメラを肩にスタンバイし、社会的関心も高まっていることが分る。
すでに、早朝のセミナーで建部の古道をランニングしたという貝畑さん(この世界で知らぬ人はいない?)にお話を聞けた。
「どうでしたか、今日の走行は」
「楽しかったですよー、山の中を走りながら、津山線の電車の音が聞こえてくるなんて。帰りは温泉に入れるし、いい所ですね建部は」
10時からの総会では最初に設立趣旨の説明から始まり、「トレイルランに対する正しい認識を広める」
「安全にトレイルを走るためのマナーとルールを広める」
「よりよい大会運営を行うために県内大会と連携し技術面、安全面、環境面での助言をする」との主張がなされた。
そして協会役員の選出では、村松達也会長(岡山トレランのゴッドファーザー!!)、林忍副会長(県内屈指のトップランナー)
、千田英治副会長(ビッグアフロランナー!!)が決まった。
その後、質疑応答を経て、会は満場一致の拍手を以ってしめくくられた。
2部からはアドベンチャーレーサーの第一人者、田中正人 氏による記念講演。題して「自然と向き合うには」
開口の一番「人間が学ぶものは、すべて自然の中にある」
田中氏が、これまで経験したありとあらゆるレースで学んできた知恵と技術、固唾を飲み真剣に耳を傾ける聴講者たち。
500kmから800kmの距離を夜間ノンストップで、トレッキング~カヌー~マウンテンバイク~クライミング~乗馬と繋ぎながら、6日から10日間で、男女4人チームで踏破する、信じられないほどの過酷なレース。
雪に覆われた山々、そそり立つ岩肌、遥か下に落ち込む渓谷、難関はそれだけでなく、自然に存在するあらゆる脅威、雨、風、吹雪などの天候は言うに及ばず、ジャガ―、ワニ、タランチュラなどの生き物の襲撃など。
そして何よりもチームを試練にさらすのは、チームを組む一人一人の人間性。互いにぶつかり合い、疑心暗鬼を乗り越えていく。
そのためには自分自身の克服が迫られる。
世界の秘境ともいえる地に挑んだ数々のスライドを観る客席からは「ぇっ・・・!」と驚嘆が声にならない。
多くの示唆に富む事例と身をもって得た教え、その中で記者が心に残った言葉を2つ。
「自然を前に素直に謙虚になる、けっして他人のせいにしない、すべては自己責任」
「つらい時ほど目標に執着し妥協を許さない姿勢を各自が示すことでチームは団結する」
田中氏のレース計画表には、全要所ごとのきめ細かな想定時間が作られ、実際時間はほぼ時間通りに。精神性を重んじるだけでなく客観性を以って事にあたる、思考停止に陥らない自己コントロールのあり方も教わった。
昼食タイム、トレイルに必須のエイドメニュー、建部の「サニーデイコーヒー」
「建部ヨーグルト」はてんてこ舞い。
午後からは、県内7つのトレイルラン大会が紹介された。どの大会も魅力にあふれるコースが組まれていて、取組む人たちの熱意がヒシヒシと伝わる。
8つ目には「TAKEBE(たけべ)トレラン」をそんな気持ちがウズウズ(笑)。
閉会後、最終セミナーで再び、建部の古道に向かうランナーたち。自然の中を走ることに心から魅せられた者たち、その後ろ姿が輝いていた。
「岡山県トレイルランニング協会」
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公式インスタグラム
*資料:岡山県トレイルランニング協会 設立資料より抜粋
(取材・写真 三宅 優 写真・松下りえ)
今日は建部小学校の卒業式です。
在校生や保護者、地域の皆さんが見守る中、目を輝かせて、堂々と胸をはった卒業生18名が入場。卒業証書授与式が開催されました。
後ろの壁に張り出された、小学校の愛児会が卒業生徒全員に書いてもらった『大人になった自分を想像してみて』のカードメッセージ。
「ミニバスケットのかんとくになっているだろう」
「SPになって内閣総理大臣の後ろに立つ」
「仕事をしてしあわせな生活をしているはず!」
「空手の先生なっているかも」
「パン屋になっている」
「看護師になりたい」
「料理をしているはず」
「株で大金持ちになっているハズ」
「スポーツ選手」
「仕事をしていると思う」
「動物園の飼育係になっているはず!!」
「幸せな家庭を築いているはず」
「建築士になって家を設計しているはず!!」
「公務員になりたい!」
「サッカー選手になってW杯に出る」
「犬を飼って幸せに暮らしているハズ…」
「生物学者になりたい」
「大好きなディズニーキャストさんになっているはず!」
このように一人ひとりがいろいろな夢を持ち、成長している姿はすばらしいことです。自由で多様な生き方を模索できる社会は地球上のすべての国にあるわけではありません。子供たちの夢の実現をアシストするのが私たち大人の大事な役割だと感じました。
(取材・写真 勝部 公平)
6年という年月も経ってしまうとあっという間だ。
初めて出会ったのは保育園、やんちゃで、園内をかけまわってた。それが小学生になり、運動会、音楽会、発表会、毎年、成長を垣間見て今日はうれしい卒業式。
岡山市立福渡小学校の卒業証書授与式、名を呼ばれ、壇上に立つ10名の児童たち。卒業証書を手にそれぞれが発する将来の夢。
「子ども服のデザイナーになりたい」
「ぼくは、マンガ家になる」
「芸人になってみんなを笑わせたい」
「ファッションデザイナー」
「スタイリスト!」
「楽な道を選ばない人」
「正しいことを言える人」
「努力する人、努力はじぶんを裏切らないから」
「いっしょうけんめいに、りっぱな人に」
「獣医になって動物を助けたい」
学校長からも、はなむけの言葉。
「どんな時も、自分の夢をあきらめないで自分の道をしっかり歩んで下さい」
時おり体育館のドームに叩きつける雨音、それを跳ね返すように引続き、在校生からの言葉。
「おにいさん、おねえさん、いつも助けてくれてありがとう・・・中学生になっても元気にがんばって」
見慣れた校旗の脇を、前を見つめ胸を張って退場して行く卒業生。次に会う時は中学生、それでも今まで通り「お帰り!」「ただいま!」と、あいさつを交わしたいね。
(取材・写真 三宅優)
「竹枝小学校の卒業生の皆さん、おめでとう!」
記者不足で取材に行けませんでした、ごめんなさい。(たけべ新聞編集部)
早朝、雨打つ音。
「あぁ、きょうはダメかー」それでも、楽しみに待つ人を車で会場に送っていく約束をしている。
はるばる御津のフラチームにも声を掛けている。
9時、カッパを着て出発。
「第8回春の里山祭り」これまで雨天は初めて。さぞやスタッフも気を揉んでるだろうと現地入り。
オオッ、なんと皆、傘もささずに火をおこす人、ネギをきざむ人、ワイワイガヤガヤ、せっせせっせの楽天ムード。
「なーんだ、心配するんじゃなかった」さすが里山人、この濡れ具合を穀雨のように受け止めている。
久しぶりに会った地元出店グループの面々。
「なでしこ作業所」「建部ヨーグルト」「サニーデイコーヒー」「キシモトケーキ」「建部町観光公社」さんら、顔を見ただけで、ホッコリ。
10時には開会式。地方選挙目前の議員さんも忙しい最中に祝福を。「建部をみんなで盛り上げていきましょう!」(賛成!)
オープニングはいつもの「はっぽね太鼓」が雨が天敵とあって中止、となれば、雨には傘。そう、創立30年以上の地元「傘踊り同好会」、今日は、寄る年波も、ものともせずにフルメンバーの出場だ。
唐傘、振り上げ、振り下ろし、熱演4曲、息切れもせず。(脱帽!)あまりの景気の良さに、いつしか雨も逃げていた。
東屋の下では炭火がおこり、竹パンが焼かれる。暖を求めて、尻を押しあいへし合い、仲良くチャンコ。
「寒いって、いいよねー」
会場奥の第2ステージでは、めだかの学校主催の「巣箱作り」。トントントン、親子で釘打つ心地よい音。
隣では風船アート、手にはしっかり「ワンちゃんバルーン」。
「森のピザ」が焼かれ、サニーさんのコーヒーの香りに甘そーな「キシモトロールケーキ」。
しっかり当新聞レポーター松下りえちゃんがゲット!
一緒にくつろいでいる人はと見ると、今月21日に建部町文化センターで開催される「岡山トレイルランニング協会設立大会」のメンバーではないか。
うれしいねー、建部の良さを認めてくれる人たちが現われた!
時間は11時、ポツリポツリと再び。
お~い、花房君(進行役)、わしらの出番は何時だい?
「このあと雨が止んだらやります!」
じゃあ、それまで「猪肉うどん」で腹ごしらえ。当新聞専属「美味しいモデル」の文(あや)ちゃんも見事な食べっぷり。
ワイキキの海を思わせるブルーシートが敷かれると、いよいよ出番、建部・御津合同フラチームによる我らがフラダンス。
下は小学生から上はおばあちゃんまで、中に一人混じる枯枝(記者)は、お愛嬌。
「月の夜は・・・」に始まり「瀬戸は日暮れて~」大きく手を輪に掲げ、フィナーレのポーズで見上げる空にはお日様が。
満場の拍手、「あの、男の人、上手じゃなあ!」と聞こえたような・・・。
午後からも、雨が降ろうが、降るまいが、とどまることなし里山パワー。
「大声大会」は日頃の思いを根限り。「ママー!」「おとうさーん、だいすきー!」
「マキ割り体験、ありがとーう!」
そして、いよいよ最終クライマックス。
3000個の餅が宙を飛ぶ、史上最強の「里山モチ投げ大会」。
「さあ、いくぞー!!!」
予定より30分早く閉会となったが、終わってみると、もっと長くやっていたかったような、心残り。
去る前に、あっちでもこっちでも「はい、チーズ」の記念撮影。
車椅子のおじいちゃん、おばあちゃんの笑顔は陽光の中でまさに「インスタ映え」
「ああ、残念だわー、また、来年ねー」手を振り別れた仲間たち、そう、今からが楽しみの始まり・・・
(取材・写真 三宅優 花房功基 松下りえ)
追悼を終えて3日目、いくつかの反省といっぱいの感謝の気持ちです。
最初の会では募金箱を置かなかった。一人一人が、すでに様々な場で寄付をされているからと考えてのこと。
でも、すぐに参加者の人たちから「それでは困る、私らは少しでも力になれればとの気持ちで、ここに来ているのだから」と諭された。
一人よがりを恥じた。それから毎年、変わることなくカエルの募金箱「でいじ郎」(岡山の方言で”だいじ”)を置いた。
そして今年で8年目、平日ということもあり、参加者はそれほど来られないのではと予想したのだが・・・。
玄関上り口にチョコンと控え目に居させた「でいじ郎」も役目を終えた。空き瓶に貯めてくれた硬貨をそっくり持って来てくれたママさんもいた。
合わせて33,326円、さっそく郵便局へ。
今回は福島の子どもたちに津山の倭文の郷・久米ロッジで10日間保養してもらう「ふくしまっ子津山でのびのび元気回復夏休み」さん宛へ送金。
これで、約大人3人分の片道の旅費補助になります。他にもたくさんの温かい差し入れをいただいた。おでん用の大根や会場を飾る生け花など。
正直、いい事をしようと思って始めた訳ではなく、ただ”私も何かしてあげたい”突き上げられる思いで始めた。
たぶん福島が岡山から遠いから・・・。
それが、今年もこうして人の暖かさを受け止める側に。
当日の参加者の方々並びに、その日、来れなくて気持ちだけでもと寄せていただいた方々にあらためて感謝申し上げます。
(報告・三宅 美恵子)
風化していく記憶、繋ぎとめたい思い、そして8年が過ぎたこの日、建部に人々が集った。
昨日の雨が嘘のように上がり、日中はポカポカ陽気、それでも時おり吹きつける春一番を思わせる風が池の水面をサワサワと波打つ。
ここに、今年は8個の灯ろうサークルを浮かべる。
午後4時、会場の「ドレミファミリアアートギャラリー」(記者 宅)には、いつもの顔ぶれが揃い準備に入る。
何度もやって来たはずの設置作業だが、毎年、改善を試むが手順は順調とはいかない。
池に向かい、サークルを浮かべる。
「ロープをもっと強く張ってー」「まだ右に5m、動かしてー」対岸からの声が飛ぶ。
池は広い、岸からちょうどの位置に
見えても、会場からの眺めは隠れてしまう。毎年、くり返して来たおなじみの状況も不思議と心に気持ちいい。
「感謝」の言葉が浮ぶ。お願いしたわけでもなく、みんないつの間にか来てくれていた。そんな、年に一度の繋がりが、
この日も続いてる。
台所の「おにぎり隊」の女性陣も、ほとんど2012年からのメンバー。壁に「献立表」を書いておくだけで、
「じゃあ、これが炊き上がるのは何時だから、その前にあれとこれを盛りつけましょう」
「去年はこれくらいの大きさだったから、そうすると今日は〇○個、握ればいいわ」
手際の良さは、もはや熟練級。
コンロの上では3つの大鍋に「おでん」、これも1回目から変わらない。
「この、おでんが楽しみで、来させてもらってます(笑)」と、冗談ぽく話してくれた町のお年寄り。そして
「これはなぁ、気持ちじゃけん、とっといて・・・」渡されたお札。
そんな心差しを受けたからには、今年も「おいしい!」を目指して仕込みする。
5時過ぎには参加者も増えはじめ、裏山の駐車場はほぼ満車、ロウソクの点火もほぼ完了。
今年の牛乳パック灯ろうは、池とガレージに120個
ずつ、庭に140個、計380個を置いた。1年かけて町の人らが届けてくれた。
6時、開始。場内には70名ほどの観客。顔見知の方がほとんどだが、初めての方も・・・。
「黙祷!」東日本大震災被災者と昨年の岡山豪雨で亡くなられた方を悼む。
コンサートは一昨年も好評で「また、聴きたいわ」と要望のあった、地元ミュージシャン、ジャズボーカリストの遠藤マリさんと
ジャズギターリスト、古川靖久さん。
二人のコラボに出会えるのは建部ならでは。めったにジョイントしないのに、息の合わせ方はさすがプロ。
「サマータイム」と「リンゴ追分」を1曲にして歌い分ける神技に満場の拍手。
外の灯りがオレンジ色にかがやきはじめた頃には最終曲。
全員に歌詞カードが渡り、東北と岡山の被災者に届けとばかりの「花は咲く」。
歌い終わってマリさんの目にも涙、最前列のご婦人たちも(記者も)。
お待ちかね(?)おでんを食べながらの交流タイーム!
コンサートの始まりでは昨年より少ない参加者だったのが、この日、平日だったことで仕事を終えて駆けつけた
人たちがドドッと増えて、7時過ぎ時点で100人を超える。
台所では座る場所もないほどの混雑ぶり。おでんを運ぶ人、おにぎりを配る人。
ピッツェリア「まる屋」からは「麦コーヒー」が無料で振舞われる。店主マルコが自ら淹れに来てくれた。
(マルコ)「お店のオープンは今月25日、ヨロシクオネガイシマス!」
(全員)「了解!!」
あちこちで歓談の輪が咲く。子どもらだって、久々に会って何やら会議中(笑)。
8時過ぎた頃、遠方の人らから徐々に、町中の人らも乗り合わせたり、徒歩で家路へと。
会場の奥では情報交換真っ最中のグループ。そのまわりをチビッ子らが「キャッキャッ」とかけまわり、浴室から逃げ出てきた愛猫(サン太)もつかまってはならんとばかり逃げまわる。
こんな光景を前に、この子どもらが大人になって「あの時、たのしかったなあー」と思い起こすことがあればいいなあと
思う。
ガレージの8つの灯ろうは煌々と輝き、当分、消えそうにない。それから目を転じると、池のLED灯ろうは点いてるのか、点いてないのか弱々しい。
「よし、来年は池にも、すべてロウソクを灯し、みごとな光の花を咲かせよう!」
8年目を終えた老夫婦(記者ら)に、また一つ次なる目標が加わった。
(レポート・三宅優 写真・松下泰成)
先日の建部町公民館で行われた「プログラミング」講座に来られたオニビジョンの佐藤記者から「もう、セツブンソウが咲いていましたよ」との情報。
日々、慌ただしく過ごしていて、すっかり忘れていた。節分の頃に咲くことからその名が付いたが、実際はそのあと頃から開花する。
雨の合間をぬって出かける、場所は建部町大田の「セツブンソウ群生地」。
地区の中を抜ける国道から眺めるまわりの田畑や山すそには梅の姿。群生地近く布施神社の鳥居でも見事に満開、
春まっさきに咲くと言われる「マンサク」も枝にびっしり黄色い花を付けている。
川を渡り山の傾斜地へと進む。昨日の雨で落葉が濡れて滑りやすい。すぐに、遠目に水滴が光っているような点々が見えてきた。
花言葉は「気品」、しかし今日は雨に濡れ、少しションボリ気味に下を向き「可憐」の言葉が似合いそう。
直径2センチ足らず、白い花から覗く青みがかったオシベ。
あまりに小さいので、近づいて見ようとして、「おっと!」足元にいたことに気づかなくて踏みそうになった。
すでに傾斜地に人が入った土すべりの跡。「これじゃあ、セツブンソウも嫌になるだろうな」
もう一つの花言葉「人間嫌い」。日本のレッドリスト「準絶滅危惧」、
4か月ほど土上に顔をのぞかせ6月には茎を枯らして地中で休眠する。
小さな命と今年も出会えたことに感謝して帰路に着く、どこからか正午を知らせる「ふるさと」のメロディが・・・間もなく「3.11」から8年目を迎えようとしている。
(取材・三宅 美恵子 写真・三宅 優)
来年から小学校の授業に組み込まれることになった「プログラミング」。お父さん、お母さん(おじいさん、おばあさんならもっと)
「えっ、なにそれ?」と、
聞いただけで頭にモヤが立ちこめそう。
でも、子どもらにとっては「イエイ!ボクやってみたい」となったようだ。
小学3年生から6年生を対象にした「プログラミング講座」、今朝の建部町公民館3階「視聴覚室」は、かつてない程の盛況ぶり。
参加者は全員、男子児童(午後の部は女子も参加予定)で、付き添いのお母さんは「親ができないから、子どもにやらせよう(笑)」と申し込んだとか。
教えて下さるのは岡山大学、おかざき先生、やまうち先生と学生のおおくらさん、いのうえさん、それと主催した地域おこし協力隊の高橋律子さん。
まずは参加者全員がパソコン前に座り、「子ネコゲーム」をやってみる。ものの1分足らず、すぐに夢中。(記者も参加、だが、まるで得点にならない)
子どもの反応を見て、(先生)「じゃあ、このゲームを自分の好きなキャラクターで動かせるプログラミングを今から作ろう」
(子どもら)「へー、やるやる」
(先生)「まずは、XXをクリックして、次の++を右に移動、##を開いて、それを△になおして、次にまた++を開いて・・・じゃあやってみよう」
(記者)「えっえっ??それだけで、いきなり・・・」
すると(子どもら)「あっ、できたー」「オレも」
(先生)「そしたらね、今度は、それに音を入れるね、左の◇◇からQQを選んで・・・動きはY座標を○にしてX座標を-180から・・・」
前半60分、全員の画面でネコが「ニャーニャー」と動き回り状態。(記者、ギブアップ)
後半は学生さんの作ったゲームプログラミング「ピンポン」「かけっこ」「かくれんぼ」に挑戦。
「うーん、どうすればいいの・・・」「ああー、うごかない・・・」
子どもの中から苦戦するつぶやき。あちこちで、先生に助けを求めて手が上がる。
(先生)「さっきやったゲームの動きを使ってみたらどうかな」
(子ども)「あっそうかー、やってみる」
時間は間もなく正午、席を離れない子どもたち。
12時10分、閉会。「たのしかった人?」(7割)「むずかしかった人?」(8割)
(先生)「そう、むずかしかったんだね、でも、だから、できたときはうれしいんだよ」
(記者感想)子どもの能力を伸ばすには「好きなこと」をやらせて学ばせる。その通り。ゲームをやるより、ゲームを自分で作る方が断然、面白い。
今後、小学校の取組みがどういった方向に進むかは未定だが、その内容、評価のあり方、すでに子どもらの中で”差”(日ごろから慣れ親しんでいる子と、そうでない子)ができている中での進め方には当面、試行錯誤が続きそうだ。
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(取材・写真 三宅 優)