■「新たけべの彩時季」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
岡山県でキュウリの生産出荷額20%を担う建部地域、そんな建部でキュウリのハウス栽培にチャレンジしている河端陽一さん。
若者の都会流出が加速する中、地方に戻り農業を志した意味をお聞きしました。
(取材・写真 勝部 公平)
(プロフィール)
河端 陽一(よういち)
昭和60年、建部町市場に生まれる(33歳)
高校卒業後、奈良県の大学に入学し、その後
企業に勤務。
3年前、父親が農業をスタートするのに併せ、
建部に戻り、就農。JA岡山建部胡瓜部会所属
現在、奥様と二人家族。
(聞き手・勝部 公平)大学を卒業後、30歳までサラリーマンだったのですが、どうして戻られたのですか
「はい、勤めていた時は、仕事も順調で、野球が好きなものですから、休日は仲間と草野球などをしながら楽しんでおりました。
しかし、父が自動車修理の自営業から農業に転身するというので、長男でもあるし、自分も独立してやってみたいという気持ちも起きて、一緒にやることを決断しました」
現在、どれくらいの規模で営んでいるのですか
「3年前、ビニールハウス1棟でスタートしたのですが、昨年に1棟、今年になって更に1棟、建てました。
キュウリの苗の植え付けで言うと、年間約900本から1000本です」
ハウス野菜では、温度管理が大変でしょう?
昨年から、寒中の2月植え付けの苗を加温無しでできないものかと、ハウスのビニールを二重にしました。その上に、もう一重、苗にカバーをして成育させています。キュウリは10℃以下では育たないので、このようにすることで15℃前後までは保つことができました。
気温・湿度の管理など一時も手抜きはできませんが、毎日の管理が基本とがんばってやっています。
先ほど、キュウリの出荷額が建部で20%を占めると聞き、驚きました
「ええ、実は、隣りの久米南町が県内出荷額の60%を占めていて、建部と合わせると県内の80%ぐらいがこの地域で生産されているのです」
短期間で、このように生産が伸びたのは、なぜですか
一つは、赤磐の方に非常にお世話になっている先生がおりまして、毎月のように通って、先生のハウスを見学しながら指導をうけております。
もう一つは、同じ世代の仲間と交流していることも自分の励みになっています。同じ市場の石井さん、川口の佐藤さんなどです」
最後に、今、抱いている夢は
「岡山だけでなく、全国に通用するキュウリを目指したいです。関東では、昔からの白い粉のついたような皮のやわらかい「ブルームキュウリ」の生産を大規模に
やっている人もおり、これから努力を積み重ねて、近づきたいですね」
ありがとうございました
【記者の目】
よく「ここは若者がいない」とか「若者は何をやっているのかわからない」といった声を町内で聞きますが、
ドッコイ、地にしっかりと足をつけながら、頑張っている若者もあちこちにいるのに感心させられました。
(勝部 公平)
「祭り、祭り、フェスタだ、祭り!」今年も建部のいたるところで出会えた祭り、その最終を締めくくるにふさわしいビッグな祭典。
昨日、福渡にある「建部町観光物産販売所」の下の旭川河川敷には、赤や黄色、緑に青のターフがズラリ、その数30。
「アユの塩焼き(建部町観光公社)」「おからドーナツ地産地楽たけべ)」「タコ焼き(福渡町内会)」「建部米おにぎり、豚汁(建部町観光協会)」「石窯ぱんnico」「サニーデイコーヒー」「建部ヨーグルト」「ケーキハウスキシモト」「山菜おこわ(お好み焼 きし)」・・・もう書ききれんほどの、ご当地こだわりの食べもの屋台。
各食べものテントの間に展開するのが体験コーナー。
ドデーンと置かれたカボチャの「重さを当てよう」コーナー。(記者予測32Kg)「建部の新米でおにぎりを作ろう」コーナー、大型トラクターとコンバインに「乗ってみよう」コーナー、野菜を使って「お絵かき」コーナー(記者担当)とこちらも、あくまで野菜にこだわる内容だ。
おまけに、これらを4つ回ると抽選1回、すでに何十人もスタンプカードを手に抽選会場に列。
「お米が当たったんよー、もう、一週間分あるわー」
それを耳にしたご婦人、「どうやって、もらえるんでえ?」
「4つのお店でちょっとばぁ買やーえんよ、すぐ貯まるよー」
先端ステージでは「はっぽね太鼓」に続き「傘踊り」。高齢者4人のメンバーが舞う大傘は、晴天の空をコマの様にくるくる踊る。
53号線からは次々に車が河川敷駐車場へと降りてきて、警備員も休む暇なし。
時刻はまだ10時、なのに、さっきから腹がグーグー。そりゃあそうだ、会場でいっせいに作られる焼肉、やきとり、焼き魚、
焼きそば、タコ焼き、フランクフルトにジビエなソーセージ、これらの匂いが束になって押し寄せる。
ウウッ、がまんならん、とりあえず「豚汁」(100円)すすって、
腹ごしらえ。
「サニーデイコーヒー」を手に大満足顔のグループ、さっそくカメラを向ける。そこへ記者の知人である佐藤さんがヒョイっと。
なんと、皆さん佐藤さんのお友だちで大阪から来られたとか。遠い所をありがとうございます、では記念に1枚「パシャッ!」
ステージでは、昨年も出場してくれた「テラ元春」さんのギター弾き語り。だんだんとレギュラーが増え、毎年、毎年のパフォーマンス度がアップ。
テント前のテーブル席では、顔なじみのおばあちゃんたち。
「あのなあ、私ら2時間も話しゅうしながら座っとんよ、今日は、このまま最後までおるんじゃ」
どうやら、午後から行われる、もち投げ、ビンゴを楽しみにしているらしい。
昼になると、もうどこから湧いたかと人の群れ。あわてて、追加の食材を取りに戻るお店。
堤防には、家族連れ、アベック(古い?)、子どもらが、てんでに座って、おいしいものに舌鼓。
そして、いよいよ始まった餅投げ、「それじゃあ、いきますよー!」
軽トラの荷台に立つ黄色いハッピのスタッフが「バサーっ」と投げた紅白の餅、ドドッと人の波が動く。
「お~い、後ろにも投げてくれー!」
「こっちよ、こっち!」
あっという間の5分間、済んでしまうと、「ハー、あれほど叫んだのに、1個しか拾えんかった」
「わしは、空中でつかむのと、子どもが下で拾う2作戦でこんなにとれた!」と悲喜こもごも。
餅袋をかかえた、笠岡から来たご家族、
「新聞に広告が入った言うんで、来たんよ。毎年やってるんじゃてえなあ、おいしいもんがいっぱいで、来年もぜっていに来るよー」
ビンゴのスタートは1時30分、もう待ちきれない子どもらが、景品の前にしゃがみ込む。
来場者、お店の人らも最前席へと次第に移動。
「前に来ても、ビンゴになるとはかぎりませんよー」と言っても、前の方が早く当たりそう?
最初は「〇番!」シーン、「次は〇○番!」、「ああっ、あった」
それが何度か繰り返されて「アーッ、ビンゴ!」
みごと、福渡商店街買い物券「1000円」をゲット!
朝から終いまで、人の笑いと歓声で溢れかえった「建部ふるさと野菜市感謝祭」
来年も、ぜっていにやるでー!!
(取材・写真 三宅 優)
「これでまた、うちらぁ、てっぱらぽーじゃ、アッハッハハ!」建部町文化センター小ホール、夜9時、大人らのどよめく声が聞こえてくる。
年末、恒例となった「岡山弁はええもんじゃ」なんと、今回で19回を迎える。(ウ~ン、しぶとい!)
いつも、「岡山弁パフォーマンス」や井上いつのりさんと建部中学生との掛け合いで進む「岡山弁川柳」、そして最終を飾る「岡山弁劇」など、たのしい題目でいっぱいだ。
この日は、その「岡山弁劇」の何度目かの練習日。おっ、よく見ると見慣れた人たちの顔、それに衣装。
おお、建部のフラダンスチーム「たけべフラワーズ」と「ピリカフラワーズ」の面々ではないか。
「そうなんじゃ、わしも、にょーぼも、どいかわさんも、おーつかせんせーも、でるんじゃぁ」
「なんじゃてー?せえで、なにゅうやるんならー」
「せーじゃてぇ、なんんでも、りゅーぐーじょー(竜宮城)でタイやヒラメのフラおどりらしぃ」
「そりゃあ、ようわからんけど、かねはらうてでも、みにいかんとおえんじゃろー」
「そーゆーこっちゃ」「ワハハハー!」(全員で)
それでは、鯛やヒラメでお待ちしてまーす!
日時12月2日(日)13:00~(開演12:30)
場所 建部町文化センター 大ホール
入場料 500円(高校生以下は無料)
(取材・出演 三宅優 三宅美恵子)
冬も近くなり、里山も炭焼きシーズン到来!
11月18日朝6時に集まり、良質の炭ができますようにという祈願をして炭窯に点火、炭窯の煙突からもくもくと出る煙りを見て、「ああ冬が近づいたなぁー」と話される人も多く、この地域の風物詩になってきた炭焼きがはじまりました。
高く昇る煙が鳥越池の水面に映り、二晩火が燃え続きます。こんな季節の風景も少なくなってきましたが大事にしていきたいものです。
(取材・写真 勝部 公平)
建部小学校六年生が建部古道のウォークと地域の歴史と文化を学びました。
今年の建部小学校の地域活動は多彩です。先日は、地域の人の案内で「建部新町」を歩き、池田藩の建部陣屋のお話や江戸期の新町の町並みなどについて学び、古道ウォークの後は一ノ口用水と建部平野の成り立ちについて学びました。
学校を出て、昔の小学校があった今福地区を通り、法寿山山麓ぞいにある山根地区を歩き七社八幡宮、地元の井口さん、江田さんから神社についてお話を聞いて、いよいよ山登りです。
途中休憩をしながら阿弥陀様に到着、旭川、建部平野、福渡地区が一望できると、みんな笑顔になっています。
江戸時代の国境の話などを聞きながら、こんなスポットが建部にあるなんて初めて知ったという生徒さんが多く、ガイド役の本田、井口、江田、勝部も喜びに変わります。
それから山道を登り、頂上近くにある農業用池を横目で見ながら、7世紀頃の古墳とのご対面、飛鳥時代までタイムスリップです。
古墳の中に入ってみて古代人とのふれあいができたのではないでしょうか。最後は、法寿山の三角点に到着、持ってきた水筒のお茶を飲みながら、名前の由来や古代の人々の思いなどを勉強しました。
将来こんな体験が、ふるさと意識を高めるきっかけになれば幸いです。
(取材・写真 勝部 公平)
里山に大勢の親子がやってきました!
11月18日、めだかの学校主催「秋の自然体験」に岡山県下から40名ほどのファミリーが参加されました。
10時に里山に到着すると、焼きいもづくり用のもみ殻焼きの煙突から、もくもくと煙がたなびくのを見て、
大きな歓声! 早速焼きいもづくりの下ごしらえを全員で、濡れた新聞紙やアルミホイルに包んで、焦げて黒い色になった「すくも」の中に入れる体験をしました。
続いて秋の里山ウォーク、池を遠巻きにつくられた山裾の遊歩道を親子でのんびり自然観察をしながら、真っ赤な紅葉にうっとりしたり、道端にこの季節、実をつけている野イチゴを食べて味わったり、小鳥さんが運んできた種が育って実をつけていたキュウイなどを発見して楽しみました。
炭焼き小屋に到着すると、里山の重本さんと平松さんが里山活動や炭焼きについてのお話、炭窯の焚口の炎にまきを入れる体験をしました。
次は里山の皆さんが管理している椎茸畑での椎茸狩り、肉厚でジャンボの椎茸がたくさんとれました。
広場に戻ると今度は昼食づくりです。羽釜では、今取ったばかりの椎茸や地元の野菜などが入ったキノコご飯です。大鍋では、キノコ三昧の汁がつくられたり、竹を切って笹の葉を使った笹茶、炭を使って地元でとれたイノシシの燻製などなど、里山の恵みと、炭、薪、スクモなど自然エネルギーを使っての調理で、循環型の社会を体験から学んでおります。
また竹細工では、竹切りをしてコップや箸などをつくり、道具の使い方を体験!自然の中でのお食事会、ゆったりと自然の空気を味わいながら親子が楽しく食べておりました。
食事後、ロープクライミングで展望台へ登り、里山に大きな声が響き渡っておりました。
お帰りでは、今朝取った椎茸のおみやげや会員が持ってきた大きな花梨の実などが配られ、別れをおしんで声をかけあっておりました。
自然の中での子育て、こんな体験が感動をつくっていくのですね。
(取材・写真 勝部 公平)
空は青空、きのうに引き続き、秋晴れとなった建部町。今日は、いよいよ最終幕、地元グルメや手作りショップが勢ぞろいする「たけべマルシェ」だ。
オープニング10時、まだ出店者は準備や仕込みに大忙し。このスキに、センター大ホールへ駆け込む。
ステージでは「富沢神楽連」による演舞。小1から大人まで総勢20数名がズラッと並ぶ。
まずは今年初デビューの小1の二人が先陣。「チャチャチャン、チャチャチャン」鐘の音と笛太鼓。いっしょうけんめいの獅子舞、
練習中、がんばりすぎて、生え替わりの歯がポロリということも。
続いて、大人が入れ替わり、次に中学生。見事な連携は、後継者不足の地区の鏡。
ホールドアを出ると、わずか30分もしないうち、窓の外は人、人、人、大盛況のマルシェ。
「勇の樹」(焼き鳥)、空や(フォー)、カレー7、ニコパン、キシモトケーキ、ジビエ研究所・・・。どこのテント前にも行列。
近くに行って様子見。
「ねえ、これって、どんな材料で作ってるの?」(お客)
「家で獲れた野菜と自然素材で添加物ナシで焼きあげています」(店主)
「まあ、どうりで、しつこくないわ」
スーパーやチェーン店で扱う品とはハッキリ違う、たけべオリジナル。
下の河川敷では、子どもらがハシャギ駆け回る声。父さん母さんが、店を切り盛り、でも、ここなら安心して子どもを遊ばせておける。人の目がゆきとどき、車が走らないここだからこそ。
「なんだ、たけべって、すっごい、いいじゃん!」地元民は、けっして気づかない魅力。運営者のほとんどがよそ者だからわかる(記者も)。
ステージに戻ろう。午後からは建部中学生の「たけべ部」発表。今年、建部駅を掃除行った面々。
「私たちは、旧い良さを持つ建部駅にアンティークなカフェを作りたい。そうすれば、人が降りてくれて、建部を巡って、建部に人が集まりはじめる。そのためには、まず、掃除から始めようと考えました」
当初はプリ機を置きたいと言っていたが、すぐに、これでは大人の理解が得られないと作戦替え。しかし、大人たちよ、よく耳ほじくって聞いてみて。
新しく地元名物を作って販売しようとか、金掛けて観光目玉を建てようなんて、子どもさえ”現実的ではない”とわかっている。今ある、良い点を活かそうよと訴えてる。
再び、マルシェ。何とどの店も「売り切れ!」テーブル囲んだ、日頃、辛口の女性陣の会話。
「みんな、よい店があって迷うなあ」
「今回は場所が近くなってええよなぁー」
「あれ1個で、わたし、おなかいっぱいじゃわ」
共に満足のご様子。
ステージへ。「蚕くらぶ」朗読deミュージカル?少年(当、花房記者)とトラ君の不思議森の出会い。いつもながらの心温まるショートストーリー。
いつの間にか時刻は午後2時半。そして最終演目。「岡山ヴェルデ吹奏楽団」の登場。
指揮はもちろん、建部町公民館、前館長、安部欽也さん。
いきなり響きわたる荘厳たる楽器の連なり。度肝を抜かれて聴き入る観衆。2曲目、3曲目、おなじみ「ドラえもん」につづき、「きよしのズンドコ節」(これは窪藪実行委員長の歌入り)へ。
「アンコール!!」はもちろん、演奏をバックに建部民が上段に並び、思いのすべてを込めて歌う「ふるさと」
もうこの後は、来年までずっと楽しみに待つしかない・・・。
(取材・写真 三宅 優)
ぶんか、ぶんか、ぶんかさーいがやってきた。
午前10時、建部町文化センターロビーで「町民の、一年の学びの成果をじっくりとご覧ください」と窪藪実行委員長が開会宣言。よーし、なら、まずは、元気づけに岡山市民体操だ!
「オーケイ エイ ワイ エイ エムエイ、おかやま!」
体がぬくもった後は、ロビーの展示をじっくり。服部書道教室、「延寿」翠園先生はいつもながら別格。
「自然の恵み」来年、中学に上がる小学6年生の児童の作品。どれも、ゆったりとした緊張感が感じられる。今年も見ごたえのある作品ぞろいだ。
小ホール、公民館講座の展示と並んだ、老人ホーム施設の利用者の方の作品「鯉の滝登り」。
折り紙でウロコの一つ一つを折り、貼り合わせ、今にも泳ぎ出しそうな鯉が創り出されている。
その他、生け花、パッチワーク、八幡彫り、手編み、俳句・・・いつもながらの作品を観て、1年コツコツとやり続けてきたことが伝わる。
鑑賞者の中には、これら作品の前でしばらく食い入るように立ち止まり、見入っているのが印象的だった。
階段横の壁には、夏の日の一瞬が切り取られた少女の像、的崎裕子さんの作品。
ロビー階段では手話クラブの「見上げてごらん夜の星を」(いつ聞いても坂本九さんはいいなあ)に合わせて皆で手話。
ひよっこスペースでは「北市民健康づくりたけべ会議」のブース。体力測定に挑む。
「体脂肪年齢40歳、やせすぎ」
その、向こうでは「フードバンクを考える会」今年、会で集めた家の余剰食材、それを1品づつ絵カードにして、「さて、あなたはこれらを使ってどんなメニューを作りますか?」
ちなみに「ピッツェリアマル屋」のマルコさん。ジャガイモ、人参、シイタケ、味噌、ヨーグルトで「イタリアンカレー」ポイントは味噌とヨーグルトでコクを出すこと。
大ホール入り口では「大蔵平家保存会」のパネル展示。会長の大倉卓雄さんに聞く。
「昔から伝わる祭りで”てんのうさま”と呼ばれる祭りがありまして、これが何でこう呼ばれるのか不思議でした。あるとき、位牌のようなものが出て来まして、調べてみると、平清盛の時代、鹿ケ谷事件に関与して処罰された平資行だと分かり・・・」なるほど、どうやら、ここに朝廷におられた方が流刑されてきた、その末裔が大倉家で、ウ~ン(むつかしくて、よく理解できてないけど)深い!(´;ω;`)
840年前の昔に思いを馳せているうち、中からは、切々とむせび泣く歌声。
「雨よなぜなぜ わたしを泣かす・・・男と女は違うのよ 若くはないわ いつまでも・・・♪」倉敷川(作詞 仁井谷俊也)
胸にこたえるなあー、このセリフ、男だって、若くはないよいつまでも。
2階展示会場。水彩画クラブ、小学校の学習発表、「地域おこし協力隊」のパネル。みんなが、ガンバッタ!この1年。しっかり確認して、階段を下りる
この文化祭、2日目のステージは「富沢神楽連中」「蚕くらぶ」「たけべ部」「岡山ヴェルデ吹奏楽」などなど目白押し。そして外のガーデンでは、
お待たせ!「たけべマルシェ」
明日も、朝から突撃取材、「敢行だー(猪木風に)!!!」
(取材・写真 三宅優・三宅美恵子)
今日の朝7時、富沢改善センターの調理室から、何やらにぎやかな声が聞こえてきます。
のぞいてみると建部地域、上建部・宮地・市場・中田・大田・田地子・桜・富沢のお母さんたち(なんと28名も)が、慣れた手つきと
”あうん”のチームワークで配食用弁当を作っております。
実は、建部町地域で90名ほどの会員がいる「建部ボランティア」の中で、建部B組のメンバーの方たちで、毎年11月から翌年の3月まで1回、
65歳以上の人で一人暮らしの皆さんへ、おかずとちらし寿司などのお弁当を配っています。
今日は90食180パックを用意し、次から次へと手際よくご飯やおかずを入れていき、10時過ぎにはほぼ完成、
後は一同そろってのコーヒータイム。
この後、片づけが終わると各地域に分かれて、一人一人のお家へ配達です。
出来立ての新鮮なうちにお届けする、これもおもてなしのひとつなのです。
社会のために自分にできることで参画し、ボランティアを生きがいの一つにする。
講釈や議論に頼るのでなく、目の前の困っている人に直接、手を差し伸べる、
そんな気持ちが地域を支え、創っていくのだと実感しました。
(取材・写真 勝部 公平)
「おかやま教育の日」の今日、建部町の全小学校合同の音楽会が開催された。
会場となった建部町文化センター大ホールには、
朝10時から保護者、近所の人らも席に着き、我が子、わが孫の出番を待った。
ステージではリハーサル中の福渡小学校の楽器が鳴り響き、
これから始まる音楽会の期待をぐっと盛り上げる。
10時20分、竹枝小学校の生徒、佐藤君による開会の言葉。そして、全体合唱「ありがとうの花」
先頭は今年、岡山市音楽祭に出場する福渡小学校児童全員による合唱「祈り」(J.グラハム作曲 日本語歌詞 御徒町 凧)
”うるんだ瞳の奥に 変わらぬ君の姿 どこまで世界は続くの 途絶えた日々の言葉・・・”
なんとも難しい詞に取組んだものだ、曲も2部合唱から3部合唱へとかなりの高度。53名の児童はこれを最後まで外れることなく歌いこなした。拍手!
そして演奏へ。曲目は「天地人」、NHK大河ドラマのテーマ曲だ。
大太鼓が鳴り、シンバルが叩かれるとティンパニの小気味よいリズム、やがてさわやかなリコーダーの音色。よく練習したなーと感服。
休憩をはさんで、3校合同、低、中、高学年で編成の合唱。2回席に上がると最前部に、びっしりと並んだデジカメの三脚。お父さん、お母さんが、この時を逃すまいと
待ちかまえている。
高学年の斉唱、曲は中一の音楽の教科書に採用されている「アンリミッテッド」(作詞 桑原 永江 作曲 若松 歓)
"・・・unlimited どんな夢もかなうだろう 命という奇跡を がむしゃらに輝かせながら 無限遠の あしたへ”
そう、"信じるまますすめ"と記者からもメッセージ。
最後は、この日の特別アトラクション「たけべはっぽね太鼓」の演奏。これには子どもたちだけでなく、会場を埋め尽くした観客の多くが、そのド迫力なバチさばきに魅了されていた。
(取材・写真 三宅優)
建部小学校1、2年生の焼きいもパーティーが6日、学校の畑でありました。
老人クラブ会長、片山さんと記者(勝部)で相談して、穫り入れの終わった後のもみ殻を焼いて、その中にサツマイモを入れて、焼きいもをつくる案。
さっそく、スクモ作りの道具やもみ殻を持参して、朝8時から点火。ほどよい時間に、濡れ新聞とアルミホイルにくるんだサツマイモを、
子供たちが一本一本スクモの中に入れていきました。
モクモクと煙を立ち上げている煙突を眺めながら、自分たちのおじいちゃんやおばあちゃんが、
していたを同じ焼いも作りを体験。
真っ黒に焼けたスクモから取り出したサツマイモ、包んだ新聞紙とアルミホイルを開くと湯気が立ち、ホッカホカの芋が姿を見せました。
柔らかく香ばしいサツマイモを全員でいただき、教室に戻ってからは、子供たちが企画した「おいもパーティー」。
お芋クイズ、お芋じゃんけんなど、芋つながりで最高の盛り上がり。
勝部からの温ったか~いお話でした。
(取材・写真 勝部 公平)
一昨日の朝8時30分、建部小学校、体育館前に集まった30名のお年寄り。建部小学校の美化作業をするため、学区内、各地区より参加したシルバーさんです。
片山実行委員長の「今日一日は安全に気をつけ、楽しく交流をはかりながら、頑張りましょう」との挨拶の後、それぞれのポジションに分かれて行動。
女性たちは、来年の卒業式や入学式に飾られる予定の花の植栽と校庭の草取り。男性は脚立に上って、松の木の枝を整える人、貝塚いぶきの体裁を整える人、キンモクセイの枝打ちなどに打ち込みました。
10時になって休憩。玄関前に椅子を並べ、車座になってのコーヒー談義。
昔の同級生の話題、他の地域の人たちとの情報交換などで話が盛り上がり、20分の休憩時間があっという間に過ぎ、
その後、残りの仕上げと片づけをして終了。
今年は学校もシルバーの皆さんにお手伝いをして頂くための色々な工夫がされていました。
休憩時間を多くとってメンバーの交流をしてもらうことや、子供たちも一緒になって作業に触れ合うこと。
作業で出た木の破片や枝を学習に役立てる、お年寄りの皆さんに昔の話を聞くなど、子供たちと一緒に楽しむことができました。
こんな、交流の場を取り入れた活動、これからの地域では大切ですね。
(取材・写真 勝部 公平)
今年も秋祭りが終わり、里山の稲刈りもひと段落。11月4日、里山建部では秋の収穫祭を開催しました。
2時間ほど田地子地区で伐採した炭焼き用の樫の木の玉切りや、鳥越池周辺の草刈りなどの作業をした後、
農作業で使った稲刈り鎌の奉納の神事を行いました。
その後、若い会員のご家族に手伝いをしてもらいながらの手作り料理に舌鼓。
今年は旭川本流や支流で獲れた鮎の塩焼き、建部地域で捕えたイノシシの燻製ベーコン、里山で育てた椎茸が
入った山賊鍋などジビエ料理がふんだんです。
快晴の青空の下、子供さんから年配の会員まで、和気あいあいの交流ができました、来年も豊作でありますように!
(取材・写真 勝部 公平)
建部町、吉田地区、竹枝小学校前の土手下に張られたテントにお馴染みの「旭川かいぼり調査」の横断幕。
朝9時から、そのテント下の受付では、
次々と登録を済ませる人たちの列が。
旭川の中洲の上流口を堰き止め、水を干上がらせて、川床に生息する生き物を調べる「かいぼり調査」は2006年から始まり、今年で11回目を迎える。
岡山市が推進するESD活動の代表的なプロジェクトとして、今では全国的に知られるようになった。
今日は秋晴れの行楽日和とあって、多くの家族連れが集まり、網とバケツを手に長靴姿で10時の開幕を待つ。その数、スタッフも合わせると千人に近いのでは?
10時10分、「めだかの学校」能登館長の開幕の言葉の後、参加者は柏事務局長から、今日の調査対象のアカザとカジカの説明を聞き、
A・B・Cチームに分かれて自分の水域に移動。
そこで、調査スタッフから捕獲指導を受け、いよいよ川床へと進む。
バシャ、バシャ、「ひぇー、けっこう、冷たい!」いきなり足に水を感じた子どもからの第一声。
よく見ると、昨年見かけた家族の顔があちこちに、「確か、去年の写真にも写ってたよなあー」
それが、通じたのか、親御さんからも、懐かしそうに「ああ、こんにちわー」のあいさつ。名前までは知らなくても、顔なじみなのが心地よい。
そのうち、前で「あっ、アカザがいた!」の子どもの声、すると、目にも止まらぬ速さで父親の軍手が伸びた。手にはしっかり、オレンジっぽい色の5~6センチのアカザ。子どもも思わず「とうちゃん、すげぇー!」
各地点では、岡山理科大の先生と学生さんが、対象生物の大きさ、数を分類、集計に余念がない。
昨年はアカザ、1414匹。カジカ、114匹。今年は、さてどうなるだろう。記者の手ごたえでは、石を裏返すごとにアカザがニュロ、ニュロと。たぶん、今年の大水で川底がかなり動いて、生き物の住かに好都合が生まれているのでは。
開始から1時間が過ぎ、そろそろ陸が恋しい頃。しかし、子どもも大人も、川床に向い、まるで上がる気配がない。
そういえば、いつもなら、岸に座って眺めるだけの親がポツポツといるのに、その姿も見当たらない。孫の面倒見役の、おじいさんは石ころの下で捕まえたアカザを写真に収めようと躍起。もう、すっかり、みんなで、夢中。
子どもが「ねえ、これ、カッコいいでしょー」と見せてくれたのは「モクズガニ」、う~ん、味噌汁にするとうまいんだよねー。
カジカ、ムギツク、ヨシノボリ、ドンコ、カマツカ、オオシマドジョウ・・・小さなバケツに収まった、小さな生き物たち。調べた後は、また来年会おうね。
空を仰げば、見事なスカイブルー。河川敷では観光公社のテントから昇るアユを焼く煙り。地元婦人会の「シシスキ丼」の、ヨダレの出るようないい匂いもしてきた。
参加者は最後の仕事、一人、10個の石を裏返す、「川を耕す」作業を終え、やっと、まだまだ遊びたい気持ちを残し、岸へと上がった。
今日の成果は来年、竹枝小学校で行われる学習発表会「生きもの調査発表会」でなされるだろうから、その時に報告するとしよう。
(取材・写真 三宅 優)
先月の末、多自枯鴨神社の大杉の前に見たこともないほどの巨大なクレーン車が背伸びしております。
30メートルぐらいある大杉の高さまで、伐採する人を乗せてクレーンはグングンと高くなっていきます。
この大杉は樹齢600年、胴回り7.4メートルの巨木です。今回、伐採することに至ったのは、以前に遭った落雷で木が枯れてきたためとか。
600年前といいますと、金閣寺などがつくられた室町時代にあたり、ここに住んでいる人をずーっと見つめ続けてきたと言うわけです。
この地区の氏神様の多自枯れ鴨神社は、建部町でも最も古いお宮の一つで、亀甲の家紋などから出雲大社系の流れをくんでいると言われております。
古代この地あたりは出雲豪族と吉備豪族のはざまとなり、戦国の時代には尼子氏や毛利氏と宇喜多氏などが入り乱れて合戦が行われたところでもあります。
この大杉は伐採された後、津山市で開催される全国銘木市に出品される予定だそうで、このような巨木はなかなか少なく神社仏閣などの改修のための木材に活用が期待されております。全国から集まる競り人の目を引くことでしょう。
ふと見ると、神社の本殿の一角に写真が置かれていました。先月行われたばかりの「建部まつり」その祭りを担った人たちと大杉との記念撮影。
どこまでも、地域の守り神として大事にされて来た大杉でしたが、この日、その使命を終えました。
でも、ご安心ください。同じ境内には1600年代の関ヶ原の戦いの頃から一緒に見つめてきた樹齢400年の次男坊あります。
差し詰め、長男が田地子六郎大杉なら、次男の田地子四郎大杉という新しい御神木が誕生した日でもあります。
長い栄枯の歴史を歩んできた多自枯鴨神社の大杉、新しい年の初めには、守り育ててきた田地子地区の人々と、ぜひ生きるパワーをいただいてみて下さい。
(取材・写真 勝部 公平)