■「新たけべの彩時季」
建部で活き活きと活動する人にスポット。
今月は生まれも育ちも建部っ子、寺の娘にして栄養士。
食を通じて地域に貢献をしようと活動する森本美登里さんです。
(プロフィール)
森本 美登里(みどり)
昭和44年、建部町富沢に生まれる(49歳)
建部小・中学校、岡山操山高校から栄養短大に
進学、卒業後、病院に勤務、管理栄養士となる。
現在、実家である成就寺に戻り、寺の仕事を
支えながら、市内の病院にて栄養士として働く。
「ESD建部町でフードバンクを考える会」会員
7月に襲った大災害、多くの人の命が失われ、たくさんの家屋が水に浸かった。今も避難所生活を余儀なくされている人たち。救援の手はどこまで届いているのだろうか。
最近、聞くのは「炊き立てのごはんとお味噌汁が欲しい」「新鮮な採れたての野菜があるといい」といった、
被災者からの要望の声。普通の生活の一歩は普通の食事から、あらためて食べものの有難さ、自分で作ることの大切さを痛感した。
今回、ご登場頂いた森本さんは、昨年「ESD 建部でフードバンクを考える会」を提案され、その活動の一つである、
公民館主催の「ESDあるもんで食事会」を開催。食を通じて地域に貢献したい、森本さんにお話を聞いた。
*「フードバンク」とは、まだ食べられるのに捨てられる食材、それを必要とする人に渡すことで、より良い循環型社会つくろうとする活動
(取材・三宅優 写真・三宅美恵子 写真提供・建部町公民館)
そもそもフードバンクに関心を持たれたのはどういったことで?
「以前、NHKか何かのニュースで、日本では食べられる食品が大量に、無駄に捨てられるということが放送されたんです、衝撃的でした。
世界では食べられない人がいっぱいいるのに、日本は輸入して捨てている、おかしい、それって自然じゃないなあって。
それで「フードバンク岡山」を訪ねたんです、どういう活動をしてるのか知りたくて。で、実際に協力企業のコープで、
ちょっとずつ余る食材を仕分けして受け取って、必要を申し出ている障害者施設とかホームレスの支援団体とかに届けるまで同行させてもらったんです。
大変だなって思いました、週3回くらいなんですけど、本当にボランティアで成り立ってて、とにかく届けるまでの鮮度とか管理があって。
当初、お寺(自分の)で何かできないか、お寺でも、いろいろお供物とか頂いて残ってしまうので、必要とする人に渡せないかと考えたのですが、
ちょっと難しいなと。でも食品ロスを少なくすることは、他にもできるのでは、それで公民館に相談したんです」
なるほど、それが昨年開かれた「フードバンク岡山」さんを招いての公民館講座だったんですね
「ええ、それで少しでも関心を持ってくれる人がいたら、呼びかけて何かしたいなって」
で、その参加者を中心に始めたのが「あるもんde食事会」ですね
「はい、最初は参加者で”食の在り方”についておしゃべりする会だったのですが、でも何回か重ねて行くうちに、
食事の貧困とか、きちっと朝ご飯を食べてない子どもの話とか出て、それで、建部の小学校でアンケートを
して、皆が食事についてどんなふうに考えてるか聞くことにしたんです。
そしたら意外と、余剰食材があれば受け取りたいとか、
そういった食材で食事会をしたら参加したいって、結構、大勢いたんです。それは主に、忙しくてそこまでできていないというのが
あると思うんです。なら、余った食材でもこんなごちそうができる、みんなが手をかけて、作るとおいしいことを知ってもらおう、
そんな”食事会”を開こうってなったんです」
これまで2回開かれて、いかがでしたか
「1回目は3月に行なったんですが、30名の参加で、2回目は先月に、20名の子どもから大人までが参加しました。
もともと栄養士なので、やるからには食育につながるのがいいな、自分が何を食べているか考えながら食べるみたいな。
それで地域のみなさんから届けられた食材を前に、
みんなで、これで何ができるかなと話し合ったり、それぞれが役割分担して調理を受け持ったりして進めました。
今回は振り返りの中で、”みんなにとって、ごちそうって何?ご飯は何で食べるの”といった問いかけをして、食べる意味や、
おいしいについて考えてもらいました。
自分が好きな(お寿司、ケーキ)がごちそう、お腹がすくから食べる、皆でつくるとおいしい、子供らしい意見でしたが、集まった食材を皆で調理して食べ、そして考える。
私からは、”私が病院で会う人は皆、病気です、その人たちは好きなものだけ食べてる人が多い、今日の食事は体にとってのごちそう、おいしかったと心も喜んでるよね。
それは、心と体のごちそうだったねと伝えました」
(1回目に提供された食材)
ほうれん草、ネギ、ジャガイモ、玉ねぎ、ヨモギ、ふきのとう、りんご、バナナ、卵、おから、小麦粉、トマト缶、生乳、建部ヨーグルト、猪肉など
(でき上った献立)「山草の天ぷら」「おからグラタン」「シシ肉のチリコンカンとトルティーリャ」「おにぎり」「フルーツ入ヨーグルト」
(2回目に提供された食材)
トマト、キューリ、ナス、ししとう、ピーマン、かぼちゃ、ゴーヤ、パスタ、ソーメン、猪肉、お米、餡子、白玉粉、コーン缶、おから、昆布など
(でき上った献立)「夏野菜のぶっかけソーメン」「コーンご飯」「猪肉のチンジャオロースー」「ポテトサラダ」「ゴーヤの塩チップス」「かぼちゃの昆布だしスープ」「白玉フルーツあんみつ」
これから、どういう方向をお考えですか
「とにかく、今月中に振り返りをして、これからのあり方を決めたいと思いますが、やはり課題は、どうやって広めるかにあると思います」
ありがとうございました
(記者感想)
「ESD建部でフードバンクを考える会」は記者もメンバーの一人だが、このチーム結構面白い。
と言うのも、女性が多いせいか、あまり理屈をこねた会議をしない。
いつのまにか、いいね、いいね、と実行へと進んで行く。
年齢も30代から70歳代までと幅広く、
森本さんは、その中間にいて両方に目配りできる存在。
おまけに栄養士としての専門性をふんだんに発揮してくれるので、
チームの中では”頼れるおねえさん(娘)”
小、中学生の頃は剣道部で鳴らし、
結婚してからは2人の子を育て、
2年前からは、実家の寺を継いだご主人のサポート。
子どもの頃からお寺の手伝いが好きだったと
言う性格が、今、外に向かって動き始めている。
(取材・ 三宅優 写真・ 三宅美恵子)
ドアの入り口に立つと、溢れ出て来る歌声。今日の午後、なでしこ共同作業所、夏の定番「ふれあいカフェ」に
あの人の顔、この人の姿を確かめたくて出かけた。
あっ、いたいた、「わかば」のおばあちゃんに「わこうなろう会」の××さん、皆、元気そうで何より・・・。
「ああ、ミヤケ(記者)さ~ん、ちょっと、痩せたんじゃあない?」(その通り、43キロです)
合唱をリードするのは黒いTシャツに、紅バンダナでお馴染みの地元グループ「オカリナ野の花」。
「浜辺の歌」「いつでも夢を」「岬めぐり」、その曲ごとに丁寧な解説つき。
「これは、淡い恋心を謳ったものです、みなさんにも同じ思いがきっと」
「♪あした~浜辺を~さまよえば~」楽譜を手にした一人一人の目の奥に、つい昨日のことだった青春の1ページが浮んでいる。
盛り上ったのは次の曲が紹介された時、「きよしのズンドコ節」。これに合わせて体操をしている、作業所の利用者さんらが一堂に立ち上がって最前列へ。
「♪ずん ずん ズンドコ ・・・」
”掘って、掘って、また掘って”の「炭坑節」スタイルの振り付けに、会場を埋めた60人の参加者かワンヤワンヤの大拍手。
あっという間に1時間が経ち、この後、かき氷にシソジュース、サンドイッチを頬張りながらのカフェタイム。
外は、まだ夏の色、しかし、いつも「ふれあいカフェ」が終わると、途端に秋はやって来る。
今年もきっと、そうかなと「♪ずん ずん ズンドコ・・・」
を口ずさみながら自転車のペダルを漕ぐ。
(取材・写真 三宅優)
昨日、開かれた「めだかの学校」主催の第2回サマースクール。前回は豪雨の影響で中止となったが、
今回は岡山市内から元気な家族33名が「友愛の丘」キャンプ場に集まった。
能登館長から「ぜひ建部で感動を見つけて、お帰りください」の
挨拶のあと、親子は2チームに分かれ、夏休み最終の体験へとスタートとした。
チームは山崎先生(操山公園里山センター指導員・別名フンコロガシ先生)と回る「野外自然観察」グループと
古本先生が指導する「うどん打ち」に分かれ行動。
野外チームはテキストに書かれた「チクチクの葉っぱ」「セミの脱けがら」「棘のあるツル」など9つの自然で見つかる植物、生き物を探す「フィールドビンゴ」に挑む。
見つける間には、トンボや蝶々、排水路からアナグマまで登場する一コマも。
うどんチームは、一家族ごと渡された小麦粉と、まさしく粉まみれの格闘。踏んだり、押したり、伸ばしたり。包丁を持つ手も、何だかおぼつかないが、
太いの細いの、くっついてるのいろいろ取り混ぜ、どうにか完成。
チームはこのあと交代。後半の野外チームはキリギリスやトカゲも捕まえるワイルドな展開となった。しかし、フンコロガシ先生は今一つ、満足がいかない。
探し物の1つ「硬いハネの虫」が見つからないのだ。と、そのうち、何げなく木の上を見ていた子が「あっ、カブトムシ!」
昼食は自らの手と汗で作った手打ちうどん。各テーブルにセットされた大鍋でゆで上げること15分。醤油と卵のぶっかけうどん、お味は?「うう、うまいー」
午後からは、木の実や、小枝、種、葉っぱで作るフォトフレーム。創意工夫による親子共同作品、どれ一つとして同じものがない。我が家オリジナル作品の出来上がり。
残すところは「アイスクリーム作り」のみ。建部の生乳100%に砂糖、それを氷と塩を入れた袋の中でカシャカシャ、揺らしているうちに「ン?何だか固まって来たぞ」
真っ白い塊りをお椀に入れて一口。
「おお、冷めてー、でも、メッチャおいしー」
閉会式。親子で挑戦「うどん打ち」、自然と身近に触れ合った「フィールドビンゴ」、思い出を貼りつけた「フォトフレーム」、
手作りの「アイスクリーム」それぞれに感動が伝えられた。
参加賞は、虫かごとフンコロガシ先生が葉っぱで作ってくれた、バッタと金魚のクラフト。
暑い暑い、夏、長い長い、お休みも、あとわずか。フォトフレームに飾られた笑顔は、いつまでも家族の宝物となるだろう。
(取材・写真 三宅優)
8月19日、日曜日の朝7時30分。
建部小学校体育館前に親子約200名が、スコップやジョレン、草刈り機などをもって集合。
毎年、夏休みには建部小学校、「愛児会」主催の校内整備活動が行われている。この日も、愛児会会長の長尾さんから、
「熱中症などに気をつけ、親子で助け合って、楽しみながら学校をきれいにしましょう」と開催の挨拶があり、キックオフ。
数年前からは、お父さんお母さんだけでなく、子供たちも一緒に参加。太陽が照り付ける中、一生懸命、グランドの草取り、校内の畑の草刈りなど先生方も総出で汗をかいていました。校長先生も草刈り機で安全を確かめながら奮闘、1時間30分ほどで、校内の隅々まできれいになりました。
あと10日もすれば2学期が始まります、親子で汗をかいた思い出と感謝の気持ちを抱いて、きれいな環境で勉強。
やっぱり、子どもは大人の後ろ姿を見ながら成長していくことが、一番大切なのだなあと感じさせられました。
このような活動、大事にしていきたいものです。
(取材・写真 勝部公平)
人が最も自分の力を発揮できるのは、いつだろう。
青年期、情熱と行動力、柔軟性に溢れた時代。壮年期、自信と経験と気力に満ちた時代。
そして老年期、知恵と調和と諦め。
会社を定年退職した後の2つのタイプ。
「1」できるだけ、似た職場で引続き働く
「2」これから好きなことをやる
渡邊忠生さんは、迷わず「2」のタイプで、且つ、高齢期を情熱と気力と柔軟性を持って臨んだ。
それまで一度も描いたこのない水墨画を、公民館講座と通信教育だけで修練。
描いては直し、直しては描き続けた20有余年。その足跡が
伺える作品集が、この夏、刊行された。
「飄々と遊ぶ 渡邊忠生作品集」(吉備人出版)
全、百ページ、五十点からなる作品集の出版を企画したのは、家族らで構成された「作品集をつくる会」で、
作品の写真撮影など手作りで半年間かけて完成に至った。
掲載作品は大きく五つのタイトルに分かれている。「風」里山に吹く風を感じさせる風景。「写」模して、模す、学びの作品。
「遊」山水の世界に心を遊ぶ。「景」身近な田舎の景色を自らの目で描く。「花」四季折々の花の輝き。
各テーマの中々には、「ハッ」と息を止め、ページをめくるのを忘れる作品がある。又、これら作品は、
あくまで自宅に所蔵してあるものに限定されているので、さらなる秀逸品がどこかにあるやも知れない。
いずれにしても、六十歳の手習いが到達した世界、驚きとしか言いようがない。
人間、いつが自分の実力を発揮する時か、まだまだ諦めるには早い、そう実感させられる作品集の刊行、多くの人に元気を与えることだろう。
毎年お盆の8月14日に開催されて30年近く続いている、鶴田の「長尾・鶴西地区合同三世代交流夏祭り」
今年も強い日差しの青空の下、あちこちから三々五々、家族連れが集まってきます。
「よう来たなー」「皆んな元気ですかー」お盆の帰省客も交わり声が飛び交っています。
現在の長尾地区は12世帯16人、鶴西地区は7世帯13人ほどで、こんな活況をおびた祭りを推進しているのは,、
石田秀則さん、平野法夫さんはじめ両地区のリーダーの地域への熱い思いです。
この日ばかりは人口の2~3倍の人たちが集まり、バーベキューやカラオケでにぎやかに交流しています。
若者は焼きそばやフランクフルト、ゲーム・ビンゴ大会などを担当、地域女子会は地元産のお米で赤飯・おにぎり、
漬物、各家持ち寄りの野菜で焼き肉セットづくり、かき氷も担当。
女性と若者の行動力が地域を支え、元気を維持できるのだなぁーと感心させられました。
「私は、大阪から毎年夏祭りと和田神社の秋祭りには必ず帰って来るのじゃー」
関西方面などから来た四世代の家族は、91歳になるおじいさんが実家と墓を守ってくれている。
この日はなんと11人が参加していました。
リーダーの石田さん、平野さん、それぞれに「これをやっても人口が増えるわけではないが、住んでるみんなが元気を出せればとの思いで欠かさずやっています。延期とか中止とかで、
やめるわけにはいかんですからなぁー」
「限界集落なんて言う人もいるが、問題は、地域のみんなが助け合いや交流ができる地域なのかどうかですなぁー」と語る。
このような強い思いが地域の支えになっているのですね、長尾・鶴西がんばれー!
(取材・写真 勝部公平)
”暮れなぞむ町の光と影の中~”そんな歌い文句が、頭に浮ぶ。
小学校グランドに設けられた夏祭りの会場、中央の櫓(やぐら)から放射線状に色取られた提灯。
周辺ぐるりと各地区からのブースが並ぶ。
”さあ、これから楽しみの夏祭り”なのに、それほど会場は盛り上がらない。皆んなが”仕方ないからやっている?風”
たぶん、皆んな、疲れているんだと思う、今まで通りのことを、今まで通りにやる、だけど取りまく環境は丸っきり変わってる、
なのに、何事もなかったかのように・・・。
そんなムードを覆したのは、オープニング、地元、子どもたちによるヒップホップダンス。
”ボクらは自由さ、なんの束縛も受けない、ただ体の赴くままに踊るだけ・・・”
入れ変わり、立ち変わり、次々とぶつけられるパフォーマンス。
第27回「竹枝夏祭り」で、感心させられたのは、若い者たちが中心になって動かしているという手ごたえ感。
「古いものも残すけど、新しいものでこれからをつくる」
高齢者だけで町内を仕切ろうと悪戦している地区に、是非とも学んで欲しい。そして、当新聞にも。
(取材・三宅美恵子 写真・三宅優)
会場に置かれた3つの箱、先の西日本豪雨災害に遭われた方へ義援金箱。親水公園を埋め尽くした多くの来場者の気持ちにも、今だ影を落とす。入野実行委員長の開会宣言は
「大変な事がありましたが、今夜だけは、思い切り楽しんでください!」
オープンイベントは地元の人や、岡山市内から駆けつけてくれた人たちによる、踊りや太鼓。取りまく観衆の輪が2重、3重と膨らんでいく。
打ち上げまでの2時間、「待つ」ワクワク感を久しぶりに味わった。
今年の屋台の充実ぶりにも目を見張る。数百メートル先までぐるりとテントが並ぶ。「焼き鳥」「串焼き」「鮎の姿焼き」「フランクフルト」「猪ドッグ?」「みそ田楽」「かき氷」「ソフトクリーム」「哺乳瓶ドリンク?」「金魚すくい」「射的」・・・。子どもたちは、食べきれないし、遊びきれない。
8時、いよいよ打ち上げ。「ヒュー」と風を切る音、そして「ドーン」と続く。大輪が、
まだ青みを残す空に広がる。出店者の人たちも、商売の手を止め宙に見入る。
さっきまで聞こえていた話し声はすっかり止み、洩れるのは「わぁー」と言う吐息、そして「オォー」と言う歓声。
20分間の休憩タイム。だが、ボヤのアクシデントで再開が危ぶまれることに。
次々と家路につき始める人たち。そして1時間後、場内アナウンスが「やります!」宣言。
フィナーレの連弾は息つく間もないほどの見事さ、「君が好きだー!」と叫ぶのも忘れていた。
(取材・三宅優 三宅美恵子 写真・松下泰成)
明後日は花火大会、その前に、福渡八幡神社では恒例「輪くぐり」の祭礼。
今日は朝8時から、くぐり輪を作るため、氏子代表13名が集まり、ブルーシートに座り込み作業を開始した。
輪に使われる茅(ちがや)は近場で、昨日のうちに刈り取った。この茅、あるようで中々良いのがない。大事に育てておいたら、
いつの間にか刈られた、なんて笑えない話が今年もあった。心配性の総代役員(記者含む)は、事前にいくつも目星をつけて、
この日に臨んだ。
輪の土台に茅(ちがや)を巻き付けるには、かなりの工夫と熟練がいる。経験者に手取り足取り教わりながら作業を進める。
茅の束をソーメン一束位の太さに、コモ編にして巻き付ける方法は当新聞、グルメレポーターの発案。
巻いた茅を縄で縛るやり方は「男結び」、簡単に見えるのだが、これが中々、決まらない。
しかし、「ああだー」「こうだー」
で、どんどんそれらしく・・・。やりました完成!!
「おおっ、今までで一番の出来!」「こりゃあ、すばらしい!」口々に自我自賛。さて、その姿やいかに?
それは、明日、夕方からの「輪くぐり」にて確認されたし。
「いやあ、それにしても、初めての総代が、やった仕事とは到底、思えん、志〇神社に負けんくらい
じゃー」
(取材・写真 三宅優)
日本各地で大きな被害を出した7月の大水害。多くのボランティアが駆けつけ、復旧を助けてきた。
ここ建部でも、人家に流れ込む土砂災害があり、地域民が協力して撤去にあたった。
それから1ヶ月が来ようとする今日、無残な姿をさらけ出したままの旭川河川敷に手が入った。
数日前に福渡町内会からの連絡が流れる。「石コロ一つでも拾ってください、皆の力で」
朝、6時半、太陽はまだ寝ぼけまなこ。今のうちだ。津山線鉄橋下から南へ数百メートル、石引川の合流地点まで、荒れ狂った旭川の残留物をかき集める。
馳せ参じたのは町内会の有志たち。10代の若者から80代の年配まで50名。なんと、記者も初めて会う人もいる。
真っ平だった河川道は、土がすべてさらわれ、流出止めの金網がむき出しになっている。桜の木の上にゴッソリ溜まった葦や竹や灌木が水位の高さを物語る。
チェーンソーが鳴り響く、巨大な漂流木が立ち切られる。それを、男も女も「ヨイショ!」の掛け声でトラックに載せる。
来たときは、荒れ果てて、いつ終わるかと見えた光景が、しだいに整然さへと変わっていく。
窪藪町内会長も「みなさんがこんなに集まってくれるなんて・・・」感激を述べた。
「自分たちの町だもの、しあわせ橋は流されても、幸福は自分の手で呼び戻す!」
そんな、町民の思いが伝わる「福渡復旧ボランティア」の朝だった。
(取材・写真 三宅優)
地方の田舎、あれもこれもが、すたれていって、なくなることばかり。なのに、おっとどっこい?ここ富沢地区では次々増える。
数十年ぶりと言う実行委員長の言葉通り、年寄りさえ「どんなことしたっけなあ?」と遠い記憶の富沢地区の夏祭り。
まずは冷たい飲み物でグイっとやって・・・「オイ、生ビールが冷えとらんがな、これ、どうしてや?」初めての経験に
企画した青年部もバタバタ、ドタドタ。
子どもらはと言うと、抽選番号の紙を大事に持って、会場内で、かき氷に舌つづみ。
後ろは青く実った、稲そよぐ田。控える山も、じっと我慢の猛暑の日。
ここでも好評「建部音頭」で、「夢と のぞみに あふれる たけべ~♪」
空、明るく宴は序の口。これから夜9時まで、どっぷりと、親交を深めつつ、復活「夏祭り」は続いていく・・・。
(取材・写真 三宅優)
暑い、熱い、厚いぜ!人情、復活、福渡の盆踊り。
今日の気温は37度、タコ焼き台の上はさらに高温。それでも、町内会男衆のタコ●を見つめる目の真剣さ。「けっして焦がしてなるものか。タコ●の命は外カリカリ、中トロり」
ソースを塗ってパックするのは女衆。互いに、この道、数年のコンビネーション。まだ、西の空は、衰え知らぬあかね色、涼しくなるのを待つうちに人生終わってしまうわよ。
「はっぽね太鼓」が、地下足袋、ハチマキ、太鼓叩いて暑気払い
。 恒例、旭水荘の盆踊りがはじまるぞー。
「チャンチャチャ チャラチャチャ ほんによい湯だ、たけべの湯・・・!
曲目はいつもの定番、「建部音頭」と「久米南町音頭」、そして「炭坑節」。
これを毎年、繰り返すうち、歌が、かかると体が動く。
今では子どもも、記者のお師匠さん。
食べ物は「タコ焼き」だけではありません。「夏野菜カレー」「フランクフルト」「焼きそば」「かき氷」「ポップコーン」と、地元ボランティア屋台がせいぞろい。
櫓(やぐら)の前に並んだ5人の若者、「デュー バップー ファー♪」
県立大学アカペラグループによるハーモニー。「見上~げて ごらん 夜の星を~」
歌い終わる頃には空も、やっと少し落ち着いてきた。。
子どもらが「クジ」で当てた刀を振りまわし、スーパーボウルをすくい取るうち、フィナーレがやって来た。
施設職員手作りの名物花火「ナイアガラ」、今年も光のシャワーでさっぱりとした気分で家路についた。
(取材 写真・三宅優)
フェイスブックで、すでにご存じの方もおられるだろうが、福渡の自治会で発信するホームページ「福渡町内会」が、今、注目だ。以下その中身を紹介してみよう。
「ホーム」には~福が舞う山紫水明の地に遊ぶ~の文字。春夏秋冬、自然の美しさを伝える。
ページのトップは、福渡町内会長、窪藪氏の「ごあいさつ」に始まり、「まちづくりグループ」の紹介(当、たけべ新聞の紹介も)、「観光情報」「イベント」「文化財」「ギャラリー」「アクセス」「防災」とカテゴリーは7つ、多岐に渡る。
注目は「ギャラリー」の美しいフォトもさることながら、「文化財」に挙げられた、ほぼ町内すべての遺跡物にリンクが貼ってある点。歴史好きには珠玉のページとなっている。
また、先に水害があったばかりの「防災」情報も役立つ。
このHP、岡山市 市民協働局が運営支援するもの(岡山市電子町内会)で、これまでに80町内(連合町含む)以上が参加している。とは言え、ページを作成、運営するのは中々、素人には難しい。
今回、この福渡のウェブサイトを作成したのは同じ町内に住む難波義明さんで、
ご自身のこだわりとセンスの良さが思う存分発揮され、魅力あるページとなっている。
このホームページ、その利用の仕方はさまざまだが、回覧板の役目、メールでの情報交換、他の町内会との交流と可能性が期待される。
電子版「福渡町内会」のこれからが楽しみだ。
(取材・写真 三宅優)