「どちらにしようかな・・・天神様の言うとおり・・・」子どもの頃、何かを選ぶので迷ったときに、必ず口にした文句。
一般的には「・・・天の神様の・・・」と言うことが多いらしいけど、福島(記者の郷里)では「・・・天神様」が唄われている。
天神様とはもちろん学問の神様で有名な菅原道真公で、天満宮で祀られている神様。その神様にあやかろうとお正月(12/25~1/25)や上巳の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)に、天神様人形を飾る習慣が日本各地にある。
そこで今回は赤枝郁郎先生のコレクションから天神様を選りすぐり「天神様展」の開催~開催~!
(記事・三宅 美恵子 )
ここ建部のお隣、久米南町は菅原道真公のご子孫であると言われる菅家の姓が多い。そのせいか昔から天神様を模した人形作りが盛んで、子どもが生まれた家にはこの人形が飾られ、無事に成長した後、身代わりの役目を終えた人形を川に流し、土に帰したことから泥人形と呼ばれたそうです。
そんな運命を持つ泥人形、奇しくも流されずに残ったのは多分、その作りの見事さゆえ(?)。この人形も顔立ちがなんとも上品、記者ナンバーワンのおススメ。
天神様は学問の神様だけでなく、農耕の神様としても敬われていて、そのため、北は青森南は熊本、大分、福岡と全国各地で作られ、郷土玩具の中でも非常に数が多い。
一説によると、日本会側の地方では黒い衣装、太平洋側では赤い衣装を着ているとか。
ミニチュア天神も出演。カゴに鎮座されるのは津山の玩具。大原天神はいかにもお公家様風な表情に愛嬌。赤いお堂に、赤い衣装の豆天神。
一人の神様が地方によってさまざまに形が変わり、観る人の目を楽しませてくれる。。
これは以前、「干支の牛展」でも紹介した、人間国宝だった宮内ふさ さんの「牛乗り天神」(高松)
道真公と牛との由来はさまざまなれど、大らかに牛の背に乗る天神様はいつ見ても心がなごむ。さすが、人間国宝のおばあちゃんならではの作。
ラストに紹介するのは、到着したての「泥天神」前述の久米南町で作られた作。
最近、記者が地元の知人から一報を頂き、譲り受けたものだが、まずその大きさに驚かされる。
それと、口を覆う髭の立派さ。三段式の台座に手すりにこま犬まで、贈られた当時のまま。今回、展示品の超目玉。
以上、「天神様展」ダイジェストでした。
赤、黒、白、衣装はさまざまなれど、迷ったときは、「天神様の言うとおり・・・」
*参考文献:岡山市環境学習センター「めだかの学校」おもちゃの宿 赤枝郁郎保管資料より
(レポート・三宅 美恵子 写真・三宅 優)
開催期間:令和4年6月6日まで
会場 :岡山市環境学習センター
「めだかの学校」おもちゃの宿
開館時間:9時~17時
入場料:大人310円 子ども100円
定休日:毎週火曜日(年末年始)
お問合せ:086-722-1231