わたし的、あさひ川右岸散策 2020年11月発信
落胆でうつ伏してしまいそう？いやいや、あきらめることはない。
こんな時は少し立ち止まり、あたりをゆっくり眺めてみよう。
いつの間にか咲いていた名も知らぬ草花、チッチッと鳴く鳥のさえずり。
山の木々の彩りは変わり、気づかなかった自分だけがそこにいる。
さあ、今日は遠くに行かず、近くを散歩。
旭川をセーヌになぞらえて「わたし的、旭川右岸散策」改訂版を
読みながら・・・。
（取材・三宅美恵子 写真・三宅優）
〇右岸みどころポイント〇
スタートは ＊JR福渡駅
この”福渡る”駅の看板を背にまずは自撮り。昭和レトロな商店街を左に進むと建部町公民館の茶色いレンガの建物、そこを右に折れると国道５３号。
その向こうを平行に流れる旭川。これから案内する右岸の上流に、川に突き出た円筒形の赤い三角帽子のお家。”ネェ～ムーミン こっちむいて”と
歌い出したくなる、私が勝手に心の中で呼んでいる「ムーミン谷」。
こんなの見つけると何か得した気分。二つ並んで架かる八幡橋はどちらでもお好きな方を。
渡り切ったら先ほどのムーミン谷の三角帽子のお家で記念写真も良し、そのまま左に折れて進むも良し。
今回はそのまま右岸を下流に進む、するとすぐに道にせり出す大きな岩壁。その手前にJの字に曲がって伸びる杉の木。「傘の取っ手のよう」と気づくはず。
毎日、道行く人に傘を差しかけてくれています。
杉の木の下を流れる用水路は江戸時代初期に掘られたもの。その水が岩のトンネルをくぐり抜けていく。
その上の岩山、通称「題目岩（だいもくいわ）」には、いくつもの十字架。数年前に完成したばかりの防壁。
対岸からもはっきりと十字のマーク。名付けて「ロザリオの壁」。
以前は「南無妙法蓮華経」と彫られていた岩肌に
今ではキリスト教のシンボル。正月もクリスマスもいっしょに祝う日本人としては、手を合わせてお祈りしましょう。「アーメン・・・」
そのまま道なりに少しカーブした先に見える鳥居は、岡山県指定無形文化財、建部まつりの執り行われる「七社八幡宮」。昨年、随神門の屋根瓦が吹き替えられたばかり。
階段を上がると、天高くそびえる檜。数百年前、中田の豪商、塩谷十兵衛が寄進した灯籠が二基、今も拝殿の脇に並ぶ。
ここから上の法寿山頂上に登る道がある。３年前に地域ボランティアにより整備された建部古道。
旭川が一望できる阿弥陀様スポット、BC５～６世紀とも言われる古墳群に出会えるが、それは別の特集にて。
道をさらに行くと、右手に突き出たエントツが目印の濃い茶色の可愛い建物。近づくとコーヒーの香り。「サニーデイコーヒー」、自家焙煎珈琲豆の専門店。
店主、江田さん直々に淹れてくれるコーヒーを試飲しながら、「今日はどの豆ににしようかな」と、うれしい迷い。
そこから道を横切り線路を超えると、「たけべ八幡温泉」中でゆったり浸かるのも最高だし、テラスで本格的にお茶をするのも
一策。でも今日の所は先を急いでイベント広場の足湯にイン。数分で足は、ほんのり桃色。まったりとした気分に浸ったら次へゴー。
八幡駐車場を挟んで向こうに見える三角屋根の建物が、ご存じ、岡山市環境学習センター「めだかの学校」。それと並んであるのが「建部ヨーグルト」。
定番は「学校」を見学後、「ヨーグルト」のソフトクリームを食べる。
お好きな方法をどうぞ。
八幡温泉駐車場をまっすぐに行き、端っこにある東屋が今年（令和2年10月）に新しく移設された八幡温泉「源泉の湯元」。セルフ給水、200円で200リットルは安い！
この水はフッ素が強くお風呂に適してるらしいが、コーヒーを沸かして愛飲する人も多い。1年経っても腐らないとか（当編集長の説）。あらかじめ車に２０Ｌの水タンク５個を用意して来ればお家で「温泉気分」。
再び川を前にする。眩いばかりに一直線に向こう岸まで白く輝くのは、この４月に復旧した「しあわせ橋」。
ライト感覚あふれる橋が呼んでいる「渡って行きなさいよ」の声。
そのまま進むと、もうあなたは川の真っただ中。サワサワと足底から聞こえる伝わる水音にわずかの間、身を沈めよう。
渡り切った先は国道５３号線、でもその手前にあるお店に寄ってお買い物。「建部町産業観光物産案内所」は町内の農産物の直売所。安くて新鮮、採れたて野菜が毎日並ぶ。そして、もう一つ、今年から始まったのが「手作り弁当」。買って帰る？岸辺でランチ？
お好きにどうぞ。
再度「しあわせ橋」を渡る。幸せは何度でも味わいたい。川沿ルートでもと来た道へと向かう。
昔の舟着場跡に思いをはせながら、中州に停まるシロサギを眺める。この雰囲気はパリでは味わえない。
川にかかる鉄橋ではちょうど列車が走り行くところ。オレンジ色の車体が空の青さと山の緑に映える。
八幡歩道橋を渡ると、橋のたもとにそびえる見事なイチョウの樹、「公孫樹」。パリの恋人たちが憩うシテ島の先端を思わせるこの場所で一休み。
夏は大きな木陰の下、川からの涼風を受けながら時間の経つのを忘れよう。
建部にあってパリにないもの、それは澄んだ空気、緑豊かな自然、川のせせらぎ、裸で入る温泉・・・３密を気にせずに。
（取材・三宅美恵子 写真・三宅優）
（定休日ご案内）
＊サニーデイコーヒー 火・水
＊建部ヨーグルト 火
＊めだかの学校 火
＊たけべ八幡温泉 年中無休
＊建部町産業観光物産案内所 年中無休
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