スタートは *JR福渡駅
この”福渡る”駅の看板を背にまずは自撮り。昭和レトロな商店街を左に進むと建部町公民館の茶色いレンガの建物、そこを右に折れると国道53号。
その向こうを平行に流れる旭川。これから案内する右岸の上流に、川に突き出た円筒形の赤い三角帽子のお家。”ネェ~ムーミン こっちむいて”と
歌い出したくなる、私が勝手に心の中で呼んでいる「ムーミン谷《。
こんなの見つけると何か得した気分。二つ並んで架かる八幡橋はどちらでもお好きな方を。
渡り切った二つの橋の間にある赤白緑の旗はピッツェリア「マル屋《。帰りはここに寄るぞ!
右岸を下流に進むとすぐに道にせり出す大きな岩壁。その手前にJの字に曲がって伸びる杉の木。「傘の取っ手のよう《と気づくはず。
毎日、道行く人に傘を差しかけてくれています。
杉の木の下を流れる用水路は江戸時代初期に掘られたもの。その水が岩のトンネルをくぐり抜けていく。
その上の岩山、通称「題目岩(だいもくいわ)《には、いくつもの十字架。数年前に完成したばかりの防壁。
対岸からもはっきりと十字のマーク。吊付けて「ロザリオの壁《。
以前は「南無妙法蓮華経《と彫られていた岩肌に
今ではキリスト教のシンボル。正月もクリスマスもいっしょに祝う日本人としては、手を合わせてお祈りしましょう。「アーメン・・・《
そのまま道なりに少しカーブした先に見える鳥居は、岡山県指定無形文化財、建部まつりの執り行われる「七社八幡宮《。
階段を上がると、天高くそびえる檜。数百年前、中田の豪商、塩谷十兵衛が寄進した灯籠が二基、今も拝殿の脇に並ぶ。
ここから上の法寿山頂上に登る道がある。昨年、地域ボランティアにより整備された建部古道。
旭川が一望できる阿弥陀様スポット、BC5~6世紀とも言われる古墳群に出会えるが、それはまた別の機会に。
道をさらに行くと、右手に突き出たエントツが目印の濃い茶色の可愛い建物。近づくとコーヒーの香り。「サニーデイコーヒー《、自家焙煎珈琲豆の専門店。
店主、江田さん直々に淹れてくれるコーヒーを試飲しながら、「今日はどの豆ににしようかな《と、うれしい迷い。
そこから道を横切り線路を超えると、「あらまあ、温泉に出た《。中でゆったり浸かるのも最高だし、テラスで本格的にお茶をするのも
一策。でも今日の所は先を急いでイベント広場の足湯にイン。数分で足は、ほんのり桃色。まったりとした気分に浸ったら次へゴー。
八幡駐車場を挟んで向こうに見える三角屋根の建物が、ご存じ「めだかの学校《。それと並んであるのが「建部ヨーグルト《。
定番は「学校《を見学後、「ヨーグルト《のソフトクリームを食べる。
お好きな方法をどうぞ。
再び温泉まで戻り、川沿ルートでもと来た道へと向かう。途中に八幡温泉「源泉の湯元《がある。この水はフッ素が強くお風呂に適してるらしいが、コーヒーを
沸かして愛飲する人も多い。1年経っても腐らないとか(当編集長の説)。ここで、あらかじめ用意のペットボトルに紊めると、またしても得した気分に。
昔の舟着場跡に思いをはせながら、中州に停まるシロサギを眺める。この雰囲気はパリでは味わえない。
川にかかる鉄橋ではちょうど列車が走り行くところ。オレンジ色の車体が空の青さと山の緑に映える。
八幡橋に戻った頃にはお腹もすいた。ピッツェリア「マル屋《でピッツア注文!ピザ職人、マルコの空中パフォーマンスに目を奪われてるうちに、
ピザは焼き上がり、アツアツを持って左岸へと帰る。
八幡歩道橋を渡ると、橋のたもとにそびえる見事なイチョウの樹、「公孫樹《。パリの恋人たちが憩うシテ島の先端を思わせるこの場所で”Pi座タイム”としよう。
夏は大きな木陰の下、川からの涼風を受けながら時間の経つのを忘れよう。
建部にあってパリにないもの、それは澄んだ空気、緑豊かな自然、川のせせらぎ、裸で入る温泉・・・。
次回は「左岸散策《こうご期待!!
(取材・三宅美恵子 写真・三宅優)
(定休日ご案内)
*「マル屋《火・水 *「サニーデイコーヒー《火・水
*「建部ヨーグルト《 火 *「めだかの学校《火
*たけべ八幡温泉 年中無休