①旭川ダム第2堰堤(手前川沿い)
第2ダム下流、旭川川岸にゴージャスともいえる桜、その数、数百にも及ぶ。旭川を目前にこれだけの桜を独り占めする贅沢さは他にない。河原と畑の間を縫う並木道はどこまでも自然でのどかな趣きに満ちている。
ダム入り口の国道30号線沿いには、これまた惜しげもなく枝を広げる桜の大樹と出会える。迫力では西の横綱。
②志呂神社(下神目誕生寺川沿い)
ここはまさに日本の里の原風景。人工的に整備された桜並木が多い中、誕生寺川渓流沿いに、山のふもとにと咲く景色は
どこをとっても一枚の絵。
志呂神社を上にいただく下神目の村の生活にとけこむ桜たち、たけべで最も幸せな桜がここにある。
キャンピングカーも観光客も地元の花見客さえ見当たらない、手あかのつかない昔からの桜の風景を見たいならぜひおすすめ。
③福渡(旭川河川敷)
旭川と桜の一体感はここを以って最高と言えるだろう。100本桜が河川敷にひたすら続く。
いくつもあるビューポイント。八幡橋から、幸せ橋から、対岸から、法寿山の阿弥陀様から。
そして八幡温泉ラウンジから。それぞれに見える景色の違い。
また電車が鉄橋を渡り、桜の上を通過するシーンも見どころ。むろん電車から見るのも一興。
④田地子川下流(宮地)
田地子川下流 所々紅梅が混じる100本の行儀良い並木 田地子川に移る姿が美しい。
「北風の吹くこっち岸は、少し遅く咲くんじゃ《と散歩中の老人から教わった。
川沿いの土手には菜の花、川のせせらぎを聞きながら地元の人が大事に育てる
土手沿いの風景をのんびりと楽しもう。
⑤桜川下流(市場)
桜川橋梁から下流、台橋までに100本。アスファルト道路ではなく真砂土なのが風情に富む。
地域ボランティアが毎年、丹念に咲かせたソメイヨシノは
地元民のみならず、偶然、車で通りかかった人も思わず
立ち止まるほどの見事さ。
6月には台橋を挟んでホタルが飛びかう。
⑥桜川下流(中田)
台橋~中吉橋まで100本。中田の土手沿いは早咲きのソメイヨシノの桜、しだれ桜、
遅咲き八重桜や、うす緑色のウコン桜、4月下旬まで長~く楽しめる。
遅咲きの八重が咲く頃は気候もすっかり暖かくなって地元花見客がのんびりくつろいでいる。
芝生道をサイクリングすると桜のトンネルに出会える。記者の一番好きな場所。
旭川に下りる所には昔の舟着場があり、そんな風情をいっしょに愉しむのも又、良い。
⑦吉田(旭川河岸)
鹿瀬橋を挟んで数キロにわたって展開するダイナミックな桜道。
その解放感と大らかなシチュエーションはどこまでもどこまでも
さくらを満喫するのにうってつけ。
川向うの山々には点々と白く輝く山桜。
ここは広々とした自然が何よりも魅力の吉田平野。
ジョギング、散歩、サイクリング、日々の生活の中で桜を味わえる。
⑧富沢(鳥越池周辺)
富沢地区、夙(あした)山のふもとに佇む、鳥越池。その水面に映る桜並木と色とりどりの花。
ここは「里山建部《の地元ボランティアグループが里山の景観を守ろうと以前から椊樹をしたり、間伐して保持して来た。
申し込めば、お花見だけでなく、ハイキングやバーベキューも楽しめるので訪ねてみてはいかがだろう。
⑨B&G(海洋センターグラウンド周辺)
B&Gの早咲きはグランド前に数十本。ここのメインは遅く咲く八重桜。しかし旭川から土手を見上げる眺めでは吉野の早咲きに見事さがある。
川に浮ぶ白鳥の戯れに目を癒し、見上げる桜の華やかさに目を喜ばす。
グラウンドでソフトボール選手たちの元気な姿を桜をバックに眺めるのも「お花見B&G風《
*番外編(石引地区ギャラリー前)
記者がここに来てから9年目、毎年、家の前のソメイが花を咲かせている。いつも相当な老樹なので今年はどうかな?と心配するが、その度に満開となった。
去年は町内でお花見もした。
一本の桜、でも自分たちだけの桜。そんな愉しみ方ができるのも桜の持つ魅力。
「さまざまなこと思い出す桜かな《
(石引町内に建つ”松尾芭蕉の句碑”より)
(取材・三宅美恵子 写真・三宅優 勝部公平)