近年、建部の新しい可能性を導き、その活動のユニークさが話題の「里山建部」を紹介します。 その母体となる「森の育て親連絡協議会」の会長、重本勝利さんにお聞きしました。
■ 重本会長のコメント
「この活動をはじめて早や8年目が来ようとしています。この活動は建部町富沢地区にあります夙山(あしたかやま)山麓をフィールドにして
会社を定年退職した男性、二十数名が中心となって、毎月1回(第2日曜日)活動を行っております。主な活動としては、下草刈り、木々伐採といった森の整備、
炭窯での炭づくり、原木による椎茸栽培などがあげられます。
また、自然体験学習の一環として市内の子どもたちに里山での学びの場を提供したり、今では建部の春の恒例イベントとなった「春の里山まつり」などで、
街の人たちと里の者との温もりのある交流が定着してきました。受け入れる我々も老後生活の充実感を得られ、
子どもたちにはたくましさを身につけさせる、そんな互いのメリットがこの活動を続けられた要因だったと感じています」
■さて順風満帆に見えるこの活動、その道のりとは
スタートラインは鳥越池のまわりに拠点を作ることからはじまった。木を伐採しブルドーザーで地をならし道を整え、広場を作る。そしてヒノキの間伐材を搬送して皮をむき、
木組みをして東屋を建てる。すべてみんなで力をあわせて行った。
誰もが最初は素人、そこへ林業のプロにも加わってもらい共にやる中で次第に技術を身につけていった。
のこぎりを持ったこともない人が今ではチェ−ンソーを操るまでになり、マキ割り名人も生まれた。
試行錯誤で山の傾斜に手を入れて、ロープクライミングができるように整えた。都会の遊園地では味わえない、体ごと自然とぶつかり合う場を作りたかったからだ。
やっと今は年間を通して
「春の山野草・てんぷらとタケノコ掘り」「建部里山祭り」「秋の里山ウォークと燻製づくり」
「炭焼き体験とダッチオーブン料理」など、この里山で”遊ぶ、学ぶ、楽しむ”
体験イベントが組めるまでになってきたのだ。
■メンバーの多様性が強い力となった
リーダーとなったのは地元、富沢に長年尽力してきた藤原秀正さんだ。今は「建部米」を栽培し、全国に広めている第一人者だ。資材置き場の小屋も自らが提供してくださった。
他にも建設現場の親方だった人、IT通信業に携わっていた人、病院に勤務していた人、おまわりさん、県や市の職員、労組にいた人、教育産業出身の人、専業農家のお百姓と
様々な経歴の人が集まり、得意な分野で知恵を出し合って進めてきた。この多様性こそが固定観念にとらわれない大きな推進力となった。
それと、そんな亭主を機嫌よく送り出してくれる奥さんと家族の協力。「亭主元気で留守がいい!」
一番喜んでいるのは家族の方々なのかも。
■「建部里山」のめざすもの
里山の体験は学校とは違う。小刀も使い、火も起こす。少々土のついた食材だって食べる。その中で、みんなこうして生きて来たんだということを知る。
ロープをつかんで自分の力で山の斜面を這い上がる、その達成感は何にも代えがたい、1人が登ると、僕も僕もと次々に競い合い挑戦する。その事こそが
生きる力を養い、強くするのだと考えています。
さあ皆さん、ここ建部の里山で私たち仲間といっしょに交流しませんか。
里山建部ホームページできました!!